チープ・トリック、リック・ニールセン直撃取材（後編）
チープ・トリック、リック・ニールセン直撃取材（前編）から続き
どこまでが本気で、どこから先が冗談なのかがわかりにくいところのあるリック・ニールセンという人物。しかし彼が武道館に対して感じている愛着、日本のファンに対して抱き続けている愛情と敬意はホンモノだ。
インタビュー後半では、当然ながらその武道館公演のことについて訊きたいと思う。ちなみに名盤『at武道館』に関することを中心にした、秘話満載のインタビューは、4月2日発売の『プレイヤー』誌5月号にたっぷりと掲載されているので、こちらのほうもお楽しみに。
――さて、肝心の『at武道館』30周年記念ライヴの話をしましょう。この公演が、当時と同じ武道館で実現するということ自体が素晴らしいですよね。
リック・ニールセン：本当に素晴らしいね。俺はチープ・トリックが大好きだから、是非武道館に出かけてそのライヴを観ようと思う。あれ、俺も出るんだっけか？ 参ったな（笑）。
――日本のトリビュート・バンド、チープ・トラックに代わりに演奏してもらいます？（笑）
リック：いいねー。俺はヤツらが大好きだよ。共演したこともあるし。俺の役を務めてるのは“寿司マン”なんだ。ま、それはともかく、今はものすごくいい気分だよ。ところで『ミュージック・フォー・ハングオーヴァーズ』（1998年発表のライヴ・アルバム）から何年経ってるんだっけ？
――ちょうど10年ですよ。
リック：あのときはシカゴで4日間ライヴをやって、そのうち3日間は初期3枚のアルバムを日替わりで完全再現した。そして残りの1日は『at武道館』のコンプリート版を再現したんだ。
――僕もその場にいたから知ってますよ。
リック：そうか。すっかり忘れてた（笑）。しかし今回のライヴでは、30年前のライヴを完全再現するだけにはとどまらないと思う。みんなが聴きたい曲を網羅しないといけないしな。あと、スペシャル・ゲストも登場するかもしれない。それ以上のことはすべてトップ・シークレットだけど。イヒヒヒヒ。でも、きっと面白いことになるだろうな。日本のファンのみならず、世界各国の熱心なファンが集まることになるだろう。正直、たった1回の公演じゃなく、4月を“チープ・トリック月間”にして毎日ライヴをやりたいくらいなんだが。
――いいアイディアですね。大賛成です。
リック：無理だって（笑）。でも、武道館はチープ・トリックを有名にし、チープ・トリックは武道館を有名にした。それは事実だと思う。それまでアメリカ人は武道館なんて名前は知らなかったからな。
――あなた自身はご存知だったんですか？
リック：んー。それこそ“ディープ・パープルがライヴをやった場所”くらいの認識でしかなかった気がする。ボブ・ディランとか、もちろんビートルズがやったことがあるのも知っていたけどね。たとえば大概の人間は、ポール・マッカートニーの弟の名前なんて知らないだろ？ 知っているのはよっぽどの音楽ファンだけ。武道館の名前もそういった次元のものだった。1978年、俺たちが日本に来たときは羽田空港に着いて、成田空港はまだなかった。着陸するとファンがたくさんいて、違う惑星に舞い降りたかのようだった。もちろんいい惑星だったけどね（笑）。ところで、今年は武道館公演と同じくらい大事なことがもうひとつあるんだ。なんとチープ・トリックのニュー・アルバムが出るんだ。
――マジですか？ いつ頃聴かせてもらえるんでしょうか？
リック：用意ができたとき（笑）。
――真面目に答えてください。
リック：イヒヒヒヒ！ もうさほど長くはかからないと思う。実は今回、俺はシカゴから東京に飛んできたんだけど、その前はフロリダにロビン（・ザンダー／vo）と一緒にいた。そこでアルバムのレコーディングをしてたんだ。もうかなり作業は進んでるよ。
――その新作には、武道館公演で得られるであろう新たなインスピレーションも反映されることになりそうですね。
リック：いいこと言うね。おまえは意地悪だけど、いいことも言う。
――お褒めの言葉として受け止めておきます。最後に読者にメッセージを。まずは30年前にも武道館の客席にいた人たちに向けて。
リック：30年前にもあそこにいたんであれば…是非、孫を連れてくるように（笑）。冗談はともかく、当時から素晴らしい音楽ファンだったそういう世代の人たちが、今も音楽ファンであってくれてることを願っているよ。そんな人たちのために演奏できるのは、俺たち自身にとってもとてもエキサイティングなことだ。
――そして今回、生まれて初めてチープ・トリックを観ることになる若いファンに対しても一言。
リック：まず爺ちゃんか婆ちゃんの家に行って、金をせしめてポケットに詰め込み、チープ・トリックのチケットを購入してくれ（笑）。ずっと聴いてくれてるファンだけじゃなく、そういった若いファンも大歓迎だ。武道館で会おう！
増田勇一
＜チープ・トリックat武道館AGAIN！＞
4月24日（木）東京・日本武道館
開場：18時／開演：19時
[問]H.I.P. http://www.hipjpn.co.jp/pc/
どこまでが本気で、どこから先が冗談なのかがわかりにくいところのあるリック・ニールセンという人物。しかし彼が武道館に対して感じている愛着、日本のファンに対して抱き続けている愛情と敬意はホンモノだ。
インタビュー後半では、当然ながらその武道館公演のことについて訊きたいと思う。ちなみに名盤『at武道館』に関することを中心にした、秘話満載のインタビューは、4月2日発売の『プレイヤー』誌5月号にたっぷりと掲載されているので、こちらのほうもお楽しみに。
――さて、肝心の『at武道館』30周年記念ライヴの話をしましょう。この公演が、当時と同じ武道館で実現するということ自体が素晴らしいですよね。
リック・ニールセン：本当に素晴らしいね。俺はチープ・トリックが大好きだから、是非武道館に出かけてそのライヴを観ようと思う。あれ、俺も出るんだっけか？ 参ったな（笑）。
――日本のトリビュート・バンド、チープ・トラックに代わりに演奏してもらいます？（笑）
リック：いいねー。俺はヤツらが大好きだよ。共演したこともあるし。俺の役を務めてるのは“寿司マン”なんだ。ま、それはともかく、今はものすごくいい気分だよ。ところで『ミュージック・フォー・ハングオーヴァーズ』（1998年発表のライヴ・アルバム）から何年経ってるんだっけ？
――ちょうど10年ですよ。
リック：あのときはシカゴで4日間ライヴをやって、そのうち3日間は初期3枚のアルバムを日替わりで完全再現した。そして残りの1日は『at武道館』のコンプリート版を再現したんだ。
――僕もその場にいたから知ってますよ。
リック：そうか。すっかり忘れてた（笑）。しかし今回のライヴでは、30年前のライヴを完全再現するだけにはとどまらないと思う。みんなが聴きたい曲を網羅しないといけないしな。あと、スペシャル・ゲストも登場するかもしれない。それ以上のことはすべてトップ・シークレットだけど。イヒヒヒヒ。でも、きっと面白いことになるだろうな。日本のファンのみならず、世界各国の熱心なファンが集まることになるだろう。正直、たった1回の公演じゃなく、4月を“チープ・トリック月間”にして毎日ライヴをやりたいくらいなんだが。
――いいアイディアですね。大賛成です。
リック：無理だって（笑）。でも、武道館はチープ・トリックを有名にし、チープ・トリックは武道館を有名にした。それは事実だと思う。それまでアメリカ人は武道館なんて名前は知らなかったからな。
――あなた自身はご存知だったんですか？
リック：んー。それこそ“ディープ・パープルがライヴをやった場所”くらいの認識でしかなかった気がする。ボブ・ディランとか、もちろんビートルズがやったことがあるのも知っていたけどね。たとえば大概の人間は、ポール・マッカートニーの弟の名前なんて知らないだろ？ 知っているのはよっぽどの音楽ファンだけ。武道館の名前もそういった次元のものだった。1978年、俺たちが日本に来たときは羽田空港に着いて、成田空港はまだなかった。着陸するとファンがたくさんいて、違う惑星に舞い降りたかのようだった。もちろんいい惑星だったけどね（笑）。ところで、今年は武道館公演と同じくらい大事なことがもうひとつあるんだ。なんとチープ・トリックのニュー・アルバムが出るんだ。
――マジですか？ いつ頃聴かせてもらえるんでしょうか？
リック：用意ができたとき（笑）。
――真面目に答えてください。
リック：イヒヒヒヒ！ もうさほど長くはかからないと思う。実は今回、俺はシカゴから東京に飛んできたんだけど、その前はフロリダにロビン（・ザンダー／vo）と一緒にいた。そこでアルバムのレコーディングをしてたんだ。もうかなり作業は進んでるよ。
――その新作には、武道館公演で得られるであろう新たなインスピレーションも反映されることになりそうですね。
リック：いいこと言うね。おまえは意地悪だけど、いいことも言う。
――お褒めの言葉として受け止めておきます。最後に読者にメッセージを。まずは30年前にも武道館の客席にいた人たちに向けて。
リック：30年前にもあそこにいたんであれば…是非、孫を連れてくるように（笑）。冗談はともかく、当時から素晴らしい音楽ファンだったそういう世代の人たちが、今も音楽ファンであってくれてることを願っているよ。そんな人たちのために演奏できるのは、俺たち自身にとってもとてもエキサイティングなことだ。
――そして今回、生まれて初めてチープ・トリックを観ることになる若いファンに対しても一言。
リック：まず爺ちゃんか婆ちゃんの家に行って、金をせしめてポケットに詰め込み、チープ・トリックのチケットを購入してくれ（笑）。ずっと聴いてくれてるファンだけじゃなく、そういった若いファンも大歓迎だ。武道館で会おう！
増田勇一
＜チープ・トリックat武道館AGAIN！＞
4月24日（木）東京・日本武道館
開場：18時／開演：19時
[問]H.I.P. http://www.hipjpn.co.jp/pc/
この記事の関連情報
スティーヴ・モーズ「サイモン・マクブライドのほうがディープ・パープルに適合している」
ザ・ビートルズの映画『レット・イット・ビー』、修復版が配信
トニー・アイオミ、最も好きなディープ・パープルのアルバムと曲を挙げる
ジョン・レノンとポール・マッカートニーの息子たちがコラボ
ポール・マッカートニー、ザ・ビートルズでのリードギターは無理
ビヨンセの「ブラックバード」、参加アーティストがお揃いのタトゥー
ポール・マッカートニー、ビヨンセの「Blackbird」カヴァーを称賛
ヒューイ・ルイス、ボブ・ディランが彼のために作ってくれた曲を紛失
ザ・ビートルズ、『ハード・デイズ・ナイト』60周年Tシャツ＆トートバッグ登場