DIR EN GREY、2008年最初のツアー開幕!5月1日@大阪なんばHatch

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5月1日、DIR EN GREYの今年最初のツアー<TOUR08 DEATH OVER BLINDNESS>が大阪・なんばHatchで幕を開けた。彼らはこの会場での3夜公演を経て5月4日には味の素スタジアムでの<hide memorial summit>に出演するが、5月5、6日の両日には岡山での公演も控えている。つまり丸4ヵ月ぶりにツアーを再開して早々、いきなり6日間連続のライヴというわけである。ちなみに筆者は4月29日には目黒鹿鳴館でメリーを観て、翌30日には渋谷O-EASTでサクソンの来日公演を堪能。GW中はほぼ毎晩ライヴで、ライヴのない日は取材ばかりというありさまだったりもするのだが、6日間連続でステージに立つ彼らのことを思えば、こんなのはまだまだ甘いと言わざるを得ないだろう。

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さて、そんな筆者自身のスケジュールなどはともかく、肝心なのはもちろん、ツアー初日の公演がどんなものだったかということ。例によって、まだまだ詳細について報告するには早すぎるから、具体的な情報は最小限にとどめておきたいところではあるのだが、まず、度肝を抜かれたのが、「DOZING GREEN」が初めてオープニングに据えられていたこと。まさに、これまでに味わってきたDIR EN GREYのどんなライヴとも異なった空気感を伴いながらの幕開けとなった。とはいえ、この曲が今後、1曲目を定位置とするわけでは、きっとないのだろう。まったく根拠はないのだが、このツアーでは、すでに揺るぎない存在理由をもった楽曲たちのいくつかが、ポジションや役割といったものを変えていくことになりそうな気がする。実際、僕にはこの夜、「DOZING GREEN」以外にも、“聴き慣れた楽曲が従来どおりのカタチで演奏されているはずなのに、感じられ方が違うもの”がいくつかあった。

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そして特筆すべきは、初披露となる新曲が、この夜のセットリストに2曲、組み込まれていたこと。ひとつは、きわめてカテゴライズするのが難しい混沌系チューン。そしてもうひとつは、敢えてベタな分類をするならば、美しいバラード。どちらについてもタイトルはまだ最終確定に至っていないようなので、明記することは避けておきたい。また、毎晩この2曲が確実に演奏メニューに組み込まれるということではないはずだし、公演によってはこれら2曲以外の新曲が顔を出すこともあるのかもしれない。が、ひとつ確かなのは、これら2曲が、これまでのDIR EN GREYのどんな楽曲とも違っているうえに、どちらもきわめて彼ららしいということだろう。

実は今回のツアー開始までの潜伏期間のうちに、5人は『THE MARROW OF A BONE』に続くニュー・アルバムの制作を着々と進めており、すでにいくつかの楽曲は完成形にごく近い状態にある。そしてこのツアー終了後、彼らはふたたびスタジオワークの日常へと戻っていくことになる。実を言えば、筆者は4月某日、彼らが潜伏していた某スタジオを訪ね、いくつかの新曲の断片を耳にしているのだが、そのときに抱いたのも、「間違いなく、過去のどんな作品とも違ったものになる」という確信と、「なおかつすべてが、きわめてDIR EN GREYらしい」という感触だった。そして言うまでもなく、このアルバムには今回のツアーで彼らが味わうことになる刺激や衝動が、さらに反映されることになるわけである。

余談ながら、この原稿を書いているのは5月2日の午後3時過ぎ。僕はなんばHatchの楽屋にいて、スタッフはさまざまな準備のために会場内を駆け回り、メンバーたちは間もなくサウンド・チェックに向かうところだったりもする。ツアー第2夜の開演まであと約4時間。きっと今夜も僕は、きわめてDIR EN GREYらしく、しかも昨夜とは明らかに異なった風景を堪能することになるのだろう。このツアーの経過については、今後もたびたびお伝えしていくつもりなのでお楽しみに。

増田勇一
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