LM.C、星絡みナンバーの始まりが、この「88」

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──3月に行なった全国ツアーでも、いち早く披露していた最新シングル「88」。じつは以前にも一度、ライヴで演奏したことがあるそうですね。

Aiji:2007年の2月3日、渋谷AXでライヴを演ったときに演奏しました。そのときは、「この曲は、まだ今のLM.Cとして出すべきタイミングじゃない」と何となく思いまして、「楽曲が似合う時期が来たらまた演ろう」と思い、一度しまうことにしたんです。

──封印した理由、もうちょっと深く教えてください。

Aiji:あの時期は、ライヴで映える楽曲を軸に据えて表現していた頃。今でこそ多様な楽曲スタイルを提示しても、みんなライヴならではの楽しみ方をしていけるようになったし。こういうストレートにポップな歌モノ楽曲を演っても、みんな違和感なくノッてくれるけど。あの時期はまだ、演奏をすると耳を傾けてしまい、盛り上がっていたライヴのノリを止めてしまう恐れがあった。だからこそ「本当にこの楽曲が、違和感なくやれるようになったときに演ろう!」という想いから、ベストなタイミングを待っていたんです。でもね、楽曲自体はすでに6年前からあったんですよ。まだmayaが、地元の長野で純粋に夢を見ていた頃からね。(笑)

maya:ちょうど、前に演っていたバンドが解散して。それまで曲作りなどしたことなかったんだけど。「これからは自分で楽曲も作っていこうかな」という想いから、何曲か制作。その中の1曲として、この「88」もありました。

──「88」って、星に絡んだ数字なんですよね。

maya:そう。「88」とは、"国際天文学連名が世界共通の星座の数"として決定した数字。長野に住んでると、とにかく星が綺麗なんですよ。とくに山あいの明かりのない場所まで行くと、ものすごく輝いて見えるんです。LM.Cには"星絡み"の歌詞が多いのも、長野県に生まれ住んでいたという影響は絶対に外せないことだし。そんな星シリーズを生み出した、最初のきっかけとなった歌でもあります。

──「88」の歌詞は、自分自身へ向けて書いた歌なんですか?

maya:もともとギタリストとして活動していたので、その時点では、まだ自分で歌うとは思っていなかったんです。まして、誰に向かって歌えば良いのかさえ見えてなかったので、自然と自分自身へ向けて書いた内容にはなりましたね。それこそ、「こうありたいな」と思っていた当時の理想の気持ち。それを書いたのが、この「88」でした。

Aiji:今回「「家庭教師ヒットマンREBORN!」のオープニングテーマを、ふたたびLM.Cにお願いしたい」という話をいただいたときに、そんな秘蔵の楽曲を聴かせたところ。制作側の方々に気にいっていただき、「88」を出すことになったんですけど。“こういう楽曲が似合うと思えるような環境にLM.Cもなっていた”ことが、大きかったんだと思いますよ。

──mayaさん自身、「家庭教師ヒットマンREBORN!」のファンだと聞きました。

maya:4thシングル『BOYS & GIRLS』を「家庭教師ヒットマンREBORN!」のオープニングテーマとして使っていただけるという話をきっかけに、原作を読んだり、その後アニメも見るようになったんですけど。かなりハマッてしまいました。なんと言っても、あのキャラクターたちの存在感が素敵ですよね。今は「10年後の未来編」をやってるんですけど。漫画を読んだり、アニメを観たりしていると、すっごく惹きつけられてしまいます。

──この「88」、今回“遊び心満載の5バージョン”でリリースになるわけですが。初回REBORN!盤には、“未来編”とシンクロした、「88」を使った「家庭教師ヒットマンREBORN!」の新オープニング映像の新カットによるスペシャル・バージョンがDVD特典として収録になります。

maya:まさに、「家庭教師ヒットマンREBORN!」とLM.Cが「88」を通してコラボレートした映像になってます。この前代未聞な挑戦。LM.Cファン/「家庭教師ヒットマンREBORN!」ファンともに、かなり気になる内容になってると思います。

──そして、それぞれ約20分の異なる映像“LM.C 2007works”を収録した初回盤A.B.C.の3枚、そして通常盤と。

Aiji:2007年は、隔月リリース&全国ツアーを半年以上かけて演ったり、海外でのライヴも行なったりなど、いろんな経験をした1年だったんですけど、初回盤A.B.Cの特典DVDへは、その歴史を3つに分けて収録しています。

maya:しかも「88」を含む、これまでに制作した9曲のPVを収録したMUSIC CLIP集『THE MUSIC VIDEOS』も同時発売します。ジャケットのアートワークはもちろん、PVなどの映像にもLM.Cはすごくこだわりを持って作っているので、是非観て欲しいですね。

Aiji:じつは9本のPVを制作していただいた監督さんは、全部同じ人なんです。こんなに長く同じ監督さんとPVを撮るのは、普通ではあり得ないこと。そのぶん、1作ごとに異なる世界観を描きつつも、同じスタッフ陣で臨んできたからこそその完成度の高さも感じれると思うので、ぜひその辺も注目して観てもらいたいですね。

──7月19日(土)には、渋谷C.C.Lemon Hallにて「☆Rock the PARTY☆’08」を開催。ついに、ホールへ進出ですね。

Aiji:ライヴハウスとはいえ、これまでもホール規模並の演出をディテール細かく施してきたんですね。スタンディングならではの揉みくちゃ状態でのライヴって、なかなか演出の細部まで全部観せるのって難しいんですけど、今回はホールなので、その辺はしっかり観せれると思うので楽しみにしていてほしいですね。

──じゃあ最後に、メッセージをお願いします。

maya:ベストなタイミングで、この「88」を出せるのが嬉しいですね。自分の伝えたかった想いも、聴けばスーッと響いてくと思うので。ぜひこの曲がキッカケとなってライヴに足を運んでもらいたいですね。

Aiji:また大事な楽曲が一つ増えたなって感じです。聴いた人それぞれの人生にとって大切な楽曲になってくれたら、とても嬉しく思います。

TEXT:長澤智典
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