革新・最尖端のレディオヘッドは、エコでも最先端

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レディオヘッドの日本ツアーの全公演は、全ての電力をグリーン電力でまかなうという。

10月1日~8日に大阪市中央体育館、さいたまスーパーアリーナ、東京国際フォーラム・ホールAで70000人を動員する<RADIOHEAD JAPAN TOUR 2008>は、全公演中に35000kWh相当消費する見込みだが、「グリーン電力証書システム」を導入することで、今回の来日の全公演で14721kg(※)の二酸化炭素排出量削減に寄与することになる。これは一般家庭3035世帯が一日に消費する電力量に値するものだ。

これまでもレディオヘッドは、国際環境NGO“Friends of the Earth(FoE)”の地球温暖化防止を訴えるキャンペーンを支援し、トム・ヨークが英The Observer誌にて地球の気候変動に関する特集を組むなど、環境問題に高い関心を持ち、実際に取り組みを行ってきたアーティストだ。『In Rainbows』では、ジュエルケース使用を廃止し環境負担の少ない紙ジャケットを使用したのも本人らの意思によるものである。

現在世界ツアーの最中だが、そもそもツアー開始前に二酸化炭素排出量を調査会社に依頼し、その結果を元に様々な側面からあらゆる試みが行なわれているという。2008年5月に行なわれた北米ツアーでは、ステージ上の大掛かりな照明には通常の照明よりも省エネなLEDを使用し、さらには各コンサート会場が購入・供給するグリーン電力を使用していた。

また、バックステージのケータリング等から排出された生ゴミは、会場のグラウンド整備チームや地元のガーデニングクラブによってリサイクルを行ない、各会場のコップはLive Nationの協力により、すべて堆肥利用可能なとうもろこしから作られたコップを起用していた。ちなみにメンバー自身も用意された飲み水はペットボトルではなく、各々のマイ水筒を使用している。

今回の日本ツアーのみならず、世界的なツアーで一貫して環境問題に対する実践的な試みをここまで徹底的に行なっているアーティストは、現在のところレディオヘッドくらいのものだ。

彼らの姿勢や試みに賛同し、その事実に触れることで少しでも多くの人達が環境問題に興味を抱くことを、レディオヘッド及び関連各所スタッフは願っている。

※青森県所在の風力発電所から発電されたグリーン電力28000kWhおよび山梨県所在の水力発電所から発電されたグリーン電力7000kWhのCO₂削減量は、それぞれ、東北電力公表の排出係数0.441kg-CO₂/kWhおよび東京電力公表の排出係数0.339kg-CO₂/kWhより算出。
※グリーン電力とは、風力・水力・地熱・バイオマス(生物資源)などといった発電の際CO2をほとんど排出しない自然エネルギーにより発電された電力の事をいい、今回のレディオヘッドが行なう来日公演では、株式会社自然エネルギー・コムが提供をする「グリーン電力証書システム」といった自然エネルギーにより発電された電力の環境付加価値(CO2排出量削減・省エネルギー等)を証書化して取引するシステムを導入し、青森県の風力発電所「社会福祉法人つくし会風力発電設備」と山梨県の水力発電所「山一発電所」で発電されるグリーン電力を使用したとみなされる。
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