藤井フミヤ、26年目に向けての意気込みを示した初のコラボ・アルバム『F's KITCHEN』リリース記念大特集

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藤井フミヤ 26年目に向けての意気込みを示した初のコラボ・アルバム『F's KITCHEN』リリース記念大特集

デビュー25周年記念アニバーサリーイヤー


──フミヤさんのデビューした25年くらい前は、今より「善と悪のライン」がはっきりしていたというか。だから、例えば不良になるのでも、ある種の覚悟が要ったでしょ?

藤井フミヤ:あの頃は、不良がモテたよね。今、六本木ヒルズとかにいるイイオンナ系の女性が一緒に歩いている男は、絶対に不良じゃないものね(笑)。明らかに仕事のできそうな男だもん。考えてみたら、チェッカーズの頃が、不良がちょっとモテた時期じゃないかな。

──だから「ギザギザハートの子守唄」とかが売れたんだよ!

藤井フミヤ:そうだね。何か、真面目な子も不良に憧れていたね。

──少し不良の道に行きたいんだけれど、根性がなくて行けない…とかね。

藤井フミヤ:うん。今、いちばん不良に見えるのは、洋服屋さんかな?

──フミヤさんは、昔“服屋さんになりたい”って言ってたじゃない?

藤井フミヤ:服に興味があったからね。デザインとファッション。

──その、フミヤ的ファッション・センスはとても大事で、今回の『F's KITCHEN』は、“楽曲を着こなす”って感じがする。

藤井フミヤ:確かにね。曲を作ってくれた作家陣としては、統一性がないというか、バラバラ(笑)。例えば、奥田民生くんと横山剣さんだったら、まだ共通項を見いだせるかもしれないけど、そこに財津和夫さんが入ると、バラバラになるね。俺としては、どの人の曲にも“良さ”を感じてるんだけど。

──じゃあ、ベンジー(浅井健一さん)と財津和夫さんの共通項は?

藤井フミヤ:うーん、“人間が頑固”ってところ。音楽性は、まるで違うし、たたずまいも違う。音楽性は違うけれど、出てくる楽曲の頑固さは、俺、けっこう好きなんですよ。

──逆に、今回曲を提供してくれたアーティストの中で、けっこう器用だと思われる人は?

藤井フミヤ:マッキー(槇原敬之さん)なんかは、器用な方じゃないかな? 打ち込み=プログラミングもうまいしね。あとはシンタくん(常田真太郎さん)とかね。やっぱり、二人とも鍵盤で曲を書く人だからかな。シンタくんは今回「ムスカリの花」という曲で、詞を書いてくれたんだけど、作曲は佐橋佳幸さん。佐橋さんの曲に、あんな難しい譜割りで詞を書いたのは、シンタくんだけだね。ある種、ヒップホップに近い譜割り。

──言葉の“詰め方”がね。

藤井フミヤ:うん。だから、マッキーやシンタくんは、“今どき”なのかもしれない。聴いてると、すごく簡単そうに聞こえる曲も、歌うとかなり難しい曲を書く。息継ぎもなければ、つばを飲み込む時間もない、みたいな(笑)。マッキーが作詞作曲の「着メロ」とシンタくん作詞の「ムスカリの花」を、カラオケでしっかり歌えたら「どうだ?俺!」って言えると思う。スゴイ大変だもん、歌うの(笑)。

──“今どき”かどうかの判断ができるのも、フミヤさんがキャリアを積んだからだと思う。

藤井フミヤ:そうかも。「25年前だったら、この位置で単語を切らないだろ?」みたいなことはわかる。その時代の譜割りとか、言葉遣いとか。「このフレーズ、日本語的にはどうなの?」って思えても「まあ、時代的にOKなのかな」とかさ。シンタくんにとってマッキーは先輩だから、意外と影響を受けている部分があるのかもしれないね。二人は、詞の中で韻とか踏まないしね。

──“今どき”とか“ちょっとレトロ”とかっていう感覚も、服に通じるね。

藤井フミヤ:ああ、そうだね。どっちも良さがあるし、それを認めて着ることができる。

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