カミーユにみる、人の声が持つ魅力と引き込む力

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フランスで絶大な人気を誇っている、個性派歌姫“カミーユ”が日本に舞い降りた。

彼女はフランス最高学府のひとつであるパリ政治学院出身の才媛。パリ郊外の音楽を愛する一家で生まれ育ち、独創的な音楽感性が高く評価され、2003年にデビュー。ヒューマン・ビート・ボックスを使った、世界でも類を見ないシンガーとして高い評価を受け、現在フランスを中心に全世界で活動を行なっている。

来日直前の9月26日には初の英語アルバムとなる『ミュージック・ホール』を発売。ピアノとパーカッション以外の楽器はほとんど使わず制作され、ミックスはあのビョークの作品を手がけるヴァルギア・シガードソンを起用した意欲作。人間の声の持つ可能性をテーマに、進化し続けるカミーユのオリジナリティあふれる作品として話題を集めている。

今回の来日では、10月2日に日仏学院でのイベント、10月3日には渋谷クラブクアトロでの公演、そして10月4日には富士宮市で行なわれた野外イベント<朝霧ジャム>への出演と、様々なライヴ・パフォーマンスを披露したが、どのライヴにおいても観客・スタッフ関係者から、大絶賛の高い評価を受けた。一体、彼女が高い評価を受ける秘密は何なのか?

その答えは、ステージを観客と一緒に作り上げようとする、カミーユの自然体の姿にある。

ライヴはパーカションと人間の声だけ。自分の声とバック・コーラスの声、さらに観客の声が加わって、初めてライヴが完成する。観客と一緒にステージを創りあげようとするカミーユ姿に、人々は一体感を感じ、誰が演奏者で誰が観客か分からなくなる不思議な感覚を味わう。カミーユの自然体のパフォーマンス・スタイルに共感を覚え、観客が心からライヴを楽しむ事ができる所に彼女のライヴの魅力が隠されているのだ。

残念ながら今回の来日公演はすべて終了してしまったが、音の不必要な部分すべてをそぎ落とし、人間の声の可能性をとことん追求したカミーユの世界感は、アルバム『ミュージック・ホール』からも十分に味わうことができるので、是非聴いてみて頂きたい。

カミーユの魅力に引き込まれ、気付くと思わず声を出して自分もそこに参加したい、そんな気分になってしまうこと請け合いだ。

<カミーユ@渋谷クラブクアトロ>
2008年10月3日
1. CANARDS SAUVAGES
2. LA JEUNE FILLE
3. HOME
4. BABY C.
5. WAVES
6. PISCINE
7. LA OU JE SUIS NEE
8. KATIE'S TEA
9. TOO DRUNK
10. JEANINE 3
11. CATS AND DOGS
12. GOSPEL
13. PALE SEPTEMBRE / WINTER'S
14. TA DOULEUR
15. MONEY NOTE
16. PETIT VIEUX (アカペラ)
17. VOUS (アカペラ)
Photo By Kenji Suzuki
◆iTunes Store カミーユ(※iTunesが開きます)
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