YOSHIKAの復帰作は女性への癒やし

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電撃妊娠&結婚、そして子育てのための活動休止。約2年間の沈黙を経て、活動復帰アルバム『World』を12月24日にリリースするYOSHIKA。現在、iTunesなどの配信サイトでは、このアルバムの先行配信が行なわれている。

YOSHIKAといえば、2004年、m-flo lovesのプロジェクトの中でも名曲と名高い「let go」のリリースによって、R&Bシンガーとしての力が広く認知された実力派。さらに同曲が携帯電話会社のCMソングとして大量オンエアーされたことなどが重なり、一躍メジャーシーンへと登りつめた。メジャーデビューシングル「Call Me」はBONNIE PINKが制作と、そのヴォーカリストとしての実力に見合うだけの期待度と注目度で迎えられていた。

しかし2006年、電撃妊娠&結婚。自身の音楽的キャリアよりも大切なもの=芽生えた新しい命を最優先した彼女。そんなYOSHIKAが、約2年ぶりにリリースする作品が『World』だ。このアルバムは、2008年に入ってiTunesで配信されていた3作の復帰シングルとは異なり、“今” のYOSHIKAが詰まっている(復帰シングルは、活動休止前にレコーディングされていたものの、リリースが延期されていた作品)。

このアルバムで彼女の歌声を聴くと、明らかに2年前と違うことに気づかされる。確かに「let go」の頃から彼女のヴォーカルは突出していた。表現力が抜群に素晴らしかった。しかし今回のアルバムを聴いてわかるのは、表現力というよりも、“リアル” で歌っているということ。

技術力ももちろん持ち合わせている彼女だが、それを全面に出すのではなく、むしろありのままのYOSHIKAが、その曲を歌う際に思ったことや感じた気持ちをそのまま声にしている。そんな印象を受ける。なので、余計なひっかかりや不要な刺激もなく、すっとリスナーの身体に彼女の歌声が気持ちよく入ってくる。

いうなれば、これはひとつの癒しだ。

母となったYOSHIKAの歌声が、まるで羊水のようにリスナーを包み込み、いっぱいに満たす。全曲生バンドでレコーディングされ、オーガニックな仕上がりとなったオケとともに、心地よさはこの上ない。まるで母親に抱かれているかのような、そんな安心感を与えてくれる。

ジャジーな曲あり、シンプルなバラードあり、ポップな曲あり。当時、R&Bという枠を取り払ったYOSHIKAの成長とともに、彼女の2年間の活動のブランクが、決して音楽的な “ブランク” ではなかったということを気づかされる1枚だ。

なお、このアルバムについてYOSHIKAは、“コントロールなんてしなくていい。化粧を落とし、泣いて、叫んで!” と、特に、女性に向けて応援する気持ちを込めたよう。そんな想いもあってか、オフィシャルサイトでは、アルバム『World』のモバイル限定着アカペラを無料で配信している。

毎日の生活にお疲れの女性の皆さん、同じ女性だから、そして母だからこそ同じ気持ちを共有できる。そんなYOSHIKAの歌声に癒されてみてはいかがですか。

◆iTunes Store YOSHIKA(※iTunesが開きます)
◆YOSHIKAのMyspace(「World」の試聴あり)
◆YOSHIKA オフィシャルサイト
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