最新シンセ&ソフトウェア大集合の『シンセサイザーフェスタ2008』リポート その3

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国内のシンセが勢ぞろいするイベント「シンセサイザーフェスタ2008」が池袋アムラックスホールにて11月28、29日に開催された。レポート第三回。

◆デジデザイン/エムオーディオ ──────

デジデザインは間もなく登場する「ProTools 8」を展示。プロ用レコーディングスタジオの定番であるProToolsシリーズの最新版には、新たな膨大な数のプラグイン、5種類のバーチャルインストゥルメント、よりパワフルになった楽譜作成機能、MIDI編集機能がウリ。

エムオーディオはハイコストパフォーマンスのオーディオインターフェイスを中心に展開。

USB 2.0接続の「Fast Track Ultra」はバランスライン入力6系統・出力6系統、アナログインサート2系統、独立したボリュームコントローラーを備えたヘッドフォン出力2系統を備える。プリアンプは4系統。FireWire接続の「ProFire 610」は入力6系統、出力10系統を備えたモデルで、プリアンプは2系統となるが、こちらも2系統のヘッドフォン出力を装備。いずれもS/PDIFデジタル入出力、MIDIに対応、DSPミキサー搭載で柔軟なルーティングが行える。

このほかエムオーディオ製品では、リニアPCMレコーダーの「MicroTrakII」やカナル型イヤフォンの「IE」シリーズ、セミウェイテッドUSB MIDIコントローラー「Axiom」などが展示されていた。

◆デジデザイン オフィシャルサイト
◆エムオーディオ オフィシャルサイト

アビッドテクノロジー社のビジネスユニットであるデジデザインとエムオーディオ。Digidesignは登場間近のProTools 8ソフトウェアを展示。

USB MIDIコントローラ、イヤフォン、オーディオインターフェイスなどコンシューマー向けプロダクトを取り揃えたM-AUDIOブランド。

◆コルグ ──────

メインのシンセに加え、ガジェット系の製品を多数出展していたのがコルグのブース。中でも注目を集めていたのは話題のnanoシリーズ3モデル。5,000~6,000円という低価格でキーボード、パッド、コントローラーをラインナップするところにコルグの勢いが感じられる。ほかにも「KAOSSILATOR」やNintendo DS用シンセ「DS-10」など小さいながらも目立つ製品が並ぶ。シンセのイベントながらバーチャルギターアンプの「JamVOX」がデモされているのもユニーク。

シンセでは人気モデルの後継機「microKORG XL」が参考出品。アナログモデリングに加え、PCM音源の追加といった音源仕様の変更、同時発音数の増加などより広範囲に使えるモデルに生まれ変わっている。正式発表が待たれるところ。

ワークステーションではタッチビューディスプレイや大容量PCM搭載の「M50」、新音色が追加された「M3 XPand」が試奏者を集めていた。

◆KORG オフィシャルサイト

USB接続のPC用MIDIコントローラnanoKEY、nanoPAD、nanoKONTROLはやっぱり人気。USBハブ経由でバスパワーで動作していた。左端の黄色いのはKAOSSILATOR。

参考出品のmicroKORG XL。ビンテージシンセを思わせるシルバーのボディが魅力的。ボコーダー用マイクも健在だ。

ワークステーションのM50、M3。「M50」のロゴあしらったガムも配布されていた。

イベント唯一のゲーム機用ソフト、DS-10。最も小さいマシンで動くシンセサイザーだ。

◆ローランド/エディロール ──────

ローランドは「SONAR V-STUDIO 700」をメインに展示。DAWソフト「SONAR 8 PRODUCER」を核に新開発のコントロールサーフェスVS-700C、高性能音源Fantom VS内蔵のI/OユニットVS-700Rを統合したシステムで、プロ仕様のスタジオ環境が構築できる。9本のタッチセンス付きモータライズド・フェーダー、20基のロータリーエンコーダーや19イン24アウトの入出力など充実した内容だ。

このほか、DTM関連ではUSBオーディオインターフェイス「UA-25EX」、MIDI鍵盤/コントローラーの「PCR-300」、音源&オーディオインターフェイスの「SonicCell」がスタンバイ、DAWソフトでの使い心地を試せるようになっていた。

シンセでは「V-Synth GT」、「Fantom-G8」、「JUNO」など同社の主力モデルがずらりと並び、弾き比べをする来場者がひしめきあっていた。

◆ローランド オフィシャルサイト

SONAR V-STUDIO 700はコントロールサーフェスとI/Oユニット、DAWソフトウェアSONARからなるシステム。2ディスプレイでの展示は圧巻。

エディロールブランドのDTM関連製品も多数出品。MIDIコントローラーでSONARの操作ができる。

会場のちょうど角に設けられたシンセスペース。照明を落とした空間に鮮やかな液晶パネルが光る。

◆ヤマハ/スタインバーグ ──────

「MOTIF XS」「MM8」「S90」などのシンセをはじめ、Steinberg「Cubase」関連製品を中心に展示。ヤマハとスタインバーグ製品のとの統合機能が味わえる内容となっていた。

DAWソフト「Cubase」は、SteinbergブランドのCubase専用コントローラー「CC121」、オーディオインターフェイス「MR816 CSX」「MR816 X」と併せて展示。CC121によるCubaseの操作は直感的で快適そのもの。手前にはヤマハのMIDI鍵盤/コントローラー「KX」シリーズを配置、バーチャル音源の試奏も同時にできるようにセッティングされていた。

「AUDIOGRAM6」、「AUDIOGRAM 3」はヤマハブランドの小型のオーディオインターフェイス。DAWソフトの「Cubase AI」付属ですぐにDTMが始められるパッケージになっている。AUDIOGRAM 6は簡易ミキサーとしても使用可能、コンプレッサーも搭載しているのでアコースティックギターやボーカルのレコーディングに向いている。

シンセ関連以外ではリニアPCMレコーダー「POCKETRAK CX」も来場者の目を引いていた。名前のとおりポケットに入る小ささと、サイズからは想像できない音質で、楽器やボーカルの録音だけでなくさまざまな場面で活躍してくれる製品だ。

◆ヤマハ オフィシャルサイト

Cubaseを核としたシステムの展示。オーディオインターフェイスにMR816 CSX、コントローラーにCC121、キーボードにはヤマハKXをセッティング。

CC121はCubaseのトランスポートやチャンネル設定、EQセクションをそのままハードウェアで再現したノブ構成。頻繁に利用するパラメータの変更が直感的に操作できる。

MOTIF XS7やS90 ESといったシンセサイザーは、来場者がヘッドフォンでじっくり音を確認できるようになっている。

USB接続のオーディオインターフェイスAUDIOGRAM。上のAUDIOGRAM6はモノ×2、ステレオ×2入力を装備、下のAUDIOGRAM 3はモノ・ステレオともに1系統のシンプルモデル。

◆最新シンセ&ソフトウェア大集合の『シンセサイザーフェスタ2008』リポート その1
◆最新シンセ&ソフトウェア大集合の『シンセサイザーフェスタ2008』リポート その2
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