攻撃力に溢れたメッセージとハードでタフなサウンドが合体した2ndシングル「マスターボリューム」リリース特集

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UNISON SQUARE GARDEN 2ndシングル「マスターボリューム」リリース特集

攻撃力に溢れたメッセージとハードでタフなサウンドが合体し彼らだけの“ロック”が作られる

INTERVIEW 1

――2009年の話に入る前に、ひとこと聞かせてください。メジャーデビューイヤーの2008年はどんな年でした?

鈴木貴雄(以下、鈴木):いろいろ状況が変わってゆく中で、「それでいいのか?」と思って立ち返って、また「これでいいのか?」と思って立ち返って…の繰り返しでしたね。「いい音楽を作りたい」という気持ちだけは変わらずに、グッとこらえることの重要性に気づいた1年でした。

田淵智也(以下、田淵):楽しくやるのと同時に、真剣に音楽と向き合わなきゃいけないなと痛感した1年でしたね。もっと高い志を持って、体の中にあるものを全部搾り出してやらなきゃいけないと思ったし。2008年はそういう人たちをいっぱい見てきたので、得るものは多かったです。

――手応えは感じている?

斎藤宏介(以下、斎藤):手応えと言われると正直わからないですが、充実した音楽生活だと思います。大きく言うと、僕らの音楽で日本の音楽をもっと盛り上げたいとか、リスナーを、自分たちの思う「音楽ってこういうものだよ」というところまで連れて行ってあげようとか。今回のシングルが、その答えにつながる道の一つになればいいと思ってます。

――では、そのシングル「マスターボリューム」について聞きます。今まで田淵さんの書くUNISON SQUARE GARDENの詞の特徴は、空や星や自然の描写などがたくさん出てくるロマンチックな面と、内面的な感情を吐き出す面とが共存していたと思うんですね。それがこの曲では、後者の割合がグッと増えた感じがしたんですよ。「描いていけ時代の彼方」という歌詞が象徴しているように、すごくメッセージの強い曲だなという印象です。曲調もメロディも、非常にアグレッシヴでエモーショナルですし。

田淵:こういうことを考えて詞を書くんだ、と思って詞を書くことはあんまりなくて、メロディがあって、それに呼ばれた詞をふくらませていく感じなので。たぶん自分の中の深層心理みたいなものが一番出ていると思うんですね。なので、どういう変化があったのかは、自分の深層心理の一番深いところに聞いてみないとわからないんです…。たぶん今の僕が腹の底で考えていることが、現実があって、自分があってという…そう言われて見ると、最近書く歌詞は、そういうものが多いかもしれないですね。

鈴木:田淵はさ、夢のある歌詞を書いても、現実の延長線上にあるというか、何かをイメージしてそれに向かって努力していくことを、常に考えている感じがするけど。

田淵:やっぱり、世の中を生きる上で、現実を受け止めることから始まるじゃないですか。その中で、現実の対義語に理想という言葉がありますけど、それもすごい大事なことで、両方持ってなきゃいけないなと思うんです。そういう意味では、いろんな現実と自分が向き合ってきて、その中で生まれた曲と歌詞なのかなと思います。

――なるほど。わかりました。

田淵:インタビューとかを読んでいると、「俺の書く歌詞はリアリティが命で…」と言う人もいますけど、僕はあまりそういう気持ちでもなくて。そういうふうに訴えるものでもないなと思うんです。自分に嘘はついていないという事実はあるんですけが、そこだけにとどまらずに、口では言えない何かを表現したいから、こういうバンドというものに携わろうと思ったんだと思うし。僕は物書きではないから、文章で人を感動させることはできないけど、音楽でそれをやろうとしているんだと思うし、どんな歌詞を書いても、どこを切り取ってもUNISON SQUARE GARDENだというバンドに、ゆくゆくはなりたいので。

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