ジェフ・ベックが愛用した、オックスブラッド・レスポールを完璧に再現した「Jeff Beck 1954 Les Paul Oxblood」が発売となることが発表された。50+100=150本限定でのリリースとなる。

◆Jeff Beck 1954 Les Paul Oxblood詳細写真

これまでヒスコレで1954 Les Paul Oxbloodは発売されてはいたものの、あくまで54レスポールにハムバッカーを搭載しOxbloodカラーに仕上げたモデルであり、そこにジェフベックの冠があったわけではなかった。その点、今回のモデルは、世に一本しかないジェフ・ベック本人のOxbloodを完全プロファイリングし、そこから制作した“インスパイヤード・バイ・シリーズ”である。

発売される最初の50本は、本人のOxbloodを限りなく再現したAgedモデルだ。写真で確認できる通り、既に傷や凹みなど百戦錬磨の形相を呈している。おそらく本人のOxbloodにクラック(ウェザーチェック)が入っていないのだろう、そういった塗装割れのフィニッシュは施されていないが、よく見ると中央左寄りに縦に大きな塗装クラックが走っている。これは54レスポールによく見られるメイプルの継ぎ合わせ部分のクラックを再現しているものと思われる。センター合わせではなかった当時の仕様がリアルに再現されているあたりは、なんだかぞくぞくするマニアックさだ。

この限定50本は、ジェフ・ベック本人が一本一本実際に演奏し、直筆のサインと製造番号が施されて出荷となるという、実にプレミアムなもの。憧れの人と握手した後に手を洗わない心理同様、ジェフ・ベックが実際に弾いたことが約束されているギターとなれば、ちょっと後光がさしているような気がしてしまいそうだ。そんな“語れる”初期50本は、2,400,000円(税別)なり。ちなみにAged処理はトム・マーフィーによるものではない。

その後順次リリースされる限定100本は、カスタム・ショップのV.O.Sフィニッシュ。こちらは741,000円(税別)だ。もちろプロファイリングは活かされているので、お買い得感はこちらのほうが上かもしれない。ことネックに関しては、ジェフ・ベックが入手した時点でOxbloodはネックはスリム化されていた事実がある。完全プロファイリングが売りの「Jeff Beck 1954 Les Paul Oxblood」は、通常の54レスポールと比べ、細めである可能性が非常に高い。

そもそもレコーディングのためにテネシー州メンフィスを訪れていたジェフ・ベックが、地元で有名な楽器店「Strings and Things」に立ち寄った時に出会ったのがOxbloodだ。ジェフ・ベックの目にとまったギターは、ひとりのユーザーがモディファイのためにお店に持ち込んでいた1954製レスポールだった。そのギターは、オリジナルのゴールド・トップのフィニッシュを濃い焦げ茶色にリフィニッシュされ、光の加減ではOxblood(くすんだ濃赤色)に見えた。さらに、オリジナルのP-90ピックアップはハムバッキングPUへ、50年代初期のラウンド・ネックはよりスリム化され、ペグも新しいものに交換された。ピックアップはリアPUの上部ラインを基準に下方向ザグリ加工を行なったために、通常よりもブリッジ側によるという特異な仕様となっており、リアPUとピックガードにすきまができるという見た目の特徴も生まれた。当然サウンド面でもトレブリーにシフトし他のレスポールにはない独自のトーンを持つことになる。このあたりの特徴はPRSのサンタナ・モデルにも見られる稀有な共通点だ。

この改良された54レスポールを一目で気に入ったジェフ・ベックは、すぐに持ち主から買取り、その後自身の多くのレコーディングやツアーで使用、その後の活躍は皆の知るとおりだ。

数々の歴史的名演を生み出したOxbloodが、今ここに来て始めて完全再現を見せた。ベックが長年愛用したレスポールに敬意を表し、オリジナルに忠実且つ正確に再現されたというJeff Beck 1954 Les Paul Oxblood。軽量な1ピース・マホガニー・バックから正確なアーチを描くメイプル・トップ、軽量アルミニウムを使用したバーブリッジ・テイルピース、そしてベック仕様のディープ・ジョイントの1ピース・マホガニー・ネックに至るまで、そこには、当時のサウンド、フィーリング、フィニッシュと共に、オリジナルのレスポールのヴァイブが注入されたようだ。

Gibson Jeff Beck 1954 Les Paul Oxblood
限定50本Aged/Signed:2,400,000円(税別)
限定100本VOS:741,000円(税別)

◆ギブソン・ウェブサイト