Jazztronik、圧巻の東京公演3時間

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北は札幌から南は沖縄まで全国12ヵ所を廻るライヴ・ツアー。既に公演が終了した各地で賞賛の嵐が沸き起こっている中で迎えた東京公演。

開演前からファンの期待感がひしひしと伝わってくるような熱気で、会場となった赤坂BLITZは完全に沸騰寸前。それに呼応するかのように、野崎良太を中心としたお馴染みのJazztronikライヴ・メンバー、ストリングス・カルテット(東京、大阪、名古屋のみ参加)、そしてゲスト・アーティストを含む総勢の16名による大所帯のスペシャル・ライヴは、まさに圧巻であった。

アルバム『JTK』でも1曲目を飾る為岡そのみをフィーチャーした「Oneness」でライヴは幕を開ける。立て続けに「SweetRain」「Real Clothes」「Peche Mignon」と最近の人気曲を披露。そのまま「Black Dragon」の荘厳なSEが流れ、まるで竜を表現するかのようなゆらりゆらりとした練り歩きでスペシャル・ゲスト、ロバート・ギャラガーが登場。そこからインスト楽曲「BRA Step」で一気にディープ・ゾーンに展開。

後半にもずらりと登場するが、こうしたインスト楽曲群は、Jazztronikが“クラブ・ミュージック”という言葉だけでは括ることのできない多様な音楽性を持ち合わせたアーティストであることを体現する欠かすことのできない一面である。

その後は、盟友SOIL&“PIMP”SESSIONSの社長も登場し、一気に会場は最高潮に。そして今やJazztronikにはかかせないシンガー、有坂美香によるポップかつアッパーな楽曲オンパレードで早くもクライマックスへと盛り上げていく。一呼吸おいて気鋭の女性シンガー、Emi Meyerが登場し、しっとりと名曲「Reminiscing」を歌い上げる。そこからたたみかけるかのように怒濤の流れ。ポップな楽曲、ディープなインスト楽曲が入り乱れて展開されていく様は、まさにJazztronikにしかできないワン・アンド・オンリーなパフォーマンスで、「LOVE TRIBE」のイントロが鳴った瞬間はとてつもない盛り上がりをみせた。

「お客さん次第で僕らはやれるところまでやります!」という野崎の言葉通り、本編終了後、まさかのダブル・アンコール。ラストは、キャッチーなメロディとリフレイン、そして“混沌”が同居した新たな代表曲「JTK」から、世界規模のヒット曲「SAMURAI」に流れて終了。約3時間強の圧倒的パフォーマンスを集まったファンに見せつけた。

月並みな言葉ではあるが、まさに“本物”であることを改めて認識させられる素晴らしいライヴであった。印象的だったのは野崎本人の「10年続くと思っていなかった」という発言。“活動10周年”という言葉の重みは、我々以上に本人が一番噛み締めているのだろう。ブログやインタビューで本人が語っているように、これまで数々の名曲達を生み出してきたにもかかわらず、「10年たって、ようやく自分が頭の中で思い描くものが形にできている」という言葉は、逆にいえば計り知れないほどの可能性を秘めたアーティストであることを物語っている。これで11年目以降の活動もますます目が離せなくなった。

そんなJazztronikは、2009年も早速リリース攻勢を仕掛けていくとのこと。まずは2月18日に、野崎良太がこれまでに携わった日本人アーティストの楽曲、いわゆる“外仕事”をひとまとめにした作品集『Jazztronik Works』のリリース。そして3月18日には自身の人気レギュラー・パーティー「Jazztronica!!」と「LOVE TRIBE」から発する形のミックスCD『Lovetronica!!』のリリースが予定されている。

<Jazztronik 10th Anniversary「JTK」Live Tour>
2009年1月30日(金)@赤坂BLITZ
M1.Oneness
M2.Sweet Rain
M3.Real Clothes
M4.Peche Mignon
M5.Black Dragon
M6.BRA Step
M7.Dust to Dust
M8.L.E.A.P.
M9.Sancutuary
M10.Mista Swing
M11.Reminiscing
M12.ユメノツヅキ
M13.LOVE TRIBE
M14.Hayabusa
M15.MEGURU
EN1-1.Pathways
EN1-2.七色
EN2-1.JTK
EN2-2.SAMURAI
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