のあのわ、チェロ弾きの歌姫と万華鏡のアレンジで歓喜の歌を聞かせるデビューアルバム『ゆめの在りか』特集

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のあのわ

2009.2.18 デビューアルバム『ゆめの在りか』リリース特集

絵本に描かれたクレヨン画のように 柔らかで暖かな色彩とタッチが混じり 物語りが奏でられていく
Yukko(Vocal&Cello)/ ゴウ(Guitar)/ nakame(Bass)/ 荒山リク(Keyboard)/ 本間シュンタ(Drums)

――いろいろな経歴のメンバーが多いからか、のあのわの音楽性ってすごく複雑ですよね。音響やポスト・ロックっぽいこともやっているし、ブロークン・ソーシャル・シーンやスターズのような、カナダのインディー・ロックの匂いもする。アイリッシュ・トラッドや、童話的な要素もある。みんなリスナーとして、超音楽オタクだったり?

荒山:メンバーで音楽オタクといえるのは、僕くらいかもしれないですね。「たてがみ」という曲でアイリッシュの要素を取り入れていますけど、もともとは全然違う雰囲気の曲だったんです。そこに僕が「こういうのどう?」と提案して、みんながそれに応えてくれて。そういう経緯で曲ができていくことが、結構多いですね。

ゴウ:あと、僕はYouTube巡りがすごく好きなんですよ。そこで得た新しい音楽にインスピレーションを受けて、すぐにメンバーで共有して取り入れたり。

nakame:基本的に、みんな飽き性なんですよ(笑)。だからこの『ゆめの在りか』は、ものすごくいろいろな音楽の要素が入っているアルバムになっていると思います。

――そういえば、Yukkoさんのボーカルが現在のようなポップな歌い方になったのは、どのような経緯で?

Yukko:最初は「男になりたい!」と思ってバンドをやっていたけど、ムームのような音楽性に出会って、女の子らしく歌うことに憧れたんです。それは大きいですね。あとは精神面での変化が大きくて、“モグラ時代”はかなり内省的で、暗い歌い方をしていたんですよ。でも今は、希望を見いだせるような、ポジティブなメッセージを外に向けて発信しようと思うようになったんです。聴いてくれた皆がポップになってくれたら、嬉しいなぁって。

nakame:Yukkoの考え方が変わって、歌い方も変わったことで、音楽性も徐々に変わってきて。その結果が、今ののあのわですね

ゴウ:「ハク」という曲は昔からある曲なんですけど、今と全然違って、もっと暗い感じだったんです。Yukkoの歌い方が違うだけで、聴こえ方が全然違う。

荒山:このアルバム『ゆめの在りか』は、活動の総括的な内容にしようと思っていたのですが、初めはすごく散漫なものになるかと思っていたんですよ。でも結果的に、全体的にキラキラした要素とかファンタジックな要素があって、まとまりも良かった。

nakame:このアルバムを一枚聴いてもらえば、のあのわがどういうバンドかわかってもらえると思います。「デビュー・アルバムにして集大成」的な内容ですね。

――その中でも、タイトル曲「ゆめの在りか」は、のあのわを代表する名曲ですね。

Yukko:ありがとうございます! この曲のメロディをゴウちゃんが持ってきた瞬間に、みんなが大騒ぎになっちゃって。「これはいい!」って(笑)。みんなの頭の中に、取り入れたいエッセンスやアレンジがどんどん組み上がっていって。

ゴウ:この曲は「のあのわを象徴する曲を作りたい」と思って作った曲だったんです。それまでにも持ち曲は何曲もあったけど、どれも「のあのわらしい」という感じではなくて。

nakame:何度も何度も何度も何度も、作っては捨てを繰り返していて。そんなある日、ゴウちゃんがこの曲を持ってきたんです。もう、目から鱗でしたね。今まで何やってたんだろうって、思っちゃうくらいに感動して。

Yukko:この曲があるから、このアルバムが出せたと言っても過言ではないくらいです。この曲ができて、初めて、自分達のプロモーション活動を始めたくらいなので。

――デビュー・アルバムとして、『ゆめの在りか』という最高のアルバムを完成させたのあのわですが、次の目標は?

荒山:今までの活動の集大成は今回出せたので、新しいアイデアを生かした、次のアルバムを早く出したいですね。

ゴウ:あとは、大きい場所でやってみたい。野外フェスとか、今年はやってみたいです。

nakame:あとは、全国ツアーですね!日本全国津々浦々を巡って、美味しい地酒と美味い食い物を……とか、夢は広がりますね(笑)。

取材・文●冨田明宏

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