GYPSY QUEEN『ユメノトビラ』が開くとき

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2008年1月に発売された『ユメノトビラ』。私が、耳にしたのは発売から1年近くも経ってのことだった。ライブで出会ったGYPSY QUEEN。タイトル曲でもある「ユメノトビラ」が、ぐっと胸に刺さった。

さっそく、CDを購入し聴いた。アジアを中心活動している彼ららしい、メッセージ色の強い楽曲が並ぶ。それぞれの曲に愛があり、考えさせられることがある。

「ユメノトビラ」の<がむしゃらだけでは / 何も答えは出ないと分かった>という部分。20代には書けない歌詞だ。そう、でもがむしゃらを経験していないと書けない歌詞。そして、そうなんだと思わされる言葉。

「Endless Wall」の<人の創った国境 / その意味を問うても知ることはない>。10ヵ国もの国に行っているから書くことができ、本当だと思わされる言葉。国境を意識することなく生きている自分を知った。

また、ラオス語で歌われた「Dan Hang It Sa La ~The Land Of Freedom~」。そして、コラボレート実現前に自ら命を絶ってしまった韓国のシンガーU;Neeへの追悼歌「BRAVE」も収録されている。

聴けば聴くほど、日本で安穏と暮らしている自分が恥ずかしくなる。今の自分の不安や不満なんて、地球規模、アジア規模でみたら、ほんの小さなこと。でも、すぐにそれを忘れてしまう。そんな時に、このアルバムを聴く。そうすると、自分にできることは精一杯、必死でやろうと思わせられる。自分の中で勝手に絡んだものがリセットされる。

本当に、彼らのライヴ活動はアクティブだ。2008年末には<日越外交関係35周年記念公演>でベトナムへ。そして2009年2月には「日本メコン交流年」として、タイ、ラオス、カンボジアをまわるツアーへ。そして、4月10日~13日までは、ベトナム・ハノイ市で開催された<日本さくら祭り>に参加している。2ヵ月に一度はアジアに出ている。アジアに行くことはすでに彼らの日常なのかもしれない。

『ユメノトビラ』は、日本という島を飛び出し、アジアで歌うGYPSY QUEENの名刺代わりになる1枚だ。

※写真は、ベトナム・ハノイで行なわれた<日本さくら祭り>でのGYPSY QUEEN。

<GYPSY QUEENライヴ>
2009年5月23日(土)
@四ツ谷 Outbreak
2009年6月20日(土)
@池袋 LIVE INN ROSA

『ユメノトビラ』
ONER-1001 \2000(税込)
◆GYPSY QUEENオフィシャルサイト

[寄稿] 伊藤 緑:http://homepage1.nifty.com/koyo-mido
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