鈴木祥子、たっぷり4時間、おおいに歌う

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2009年5月16日。鈴木祥子、おおいに歌う。<SYOKO SUZUKI SINGS “SHO-CO-SONGS collection1~2/.complete”>の<SINGS“SHO-CO-SONGS collection1”>が南青山マンダラで開催された。そう、このライヴは、彼女の1枚目から4枚目までのオリジナルアルバムの全曲を曲順に歌うという、壮大な、ある意味すごい試みのライヴなのだ。

1stアルバム『VIRIDIAN』7曲。2ndアルバム『水の冠』9曲。3rdアルバム『風の扉』10曲。そして、4thアルバム『Long Long Way Home』10曲。計36曲を歌ってくれる。とにかく楽しみなのだ。

18時、客電が落ちる。彼女は、春をイメージする、とても明るいピンクのストンとしたワンピースとピンクのサンダルで登場。口紅もピンク。ペディキュアもピンク。そして、左手だけにピンクのマニキュア。まるで華が咲いたよう。私は、幸いとても良い整理番号を手にしていので、ギターを弾く彼女の真正面。その距離50cmないんじゃないですか? って位のところで、ギターの指の動きや、歌う表情を見ていました。

「今日は長丁場なので」という発言に会場が、ちょっとどよめく。「端折ってやろうか?」なんて言葉もでるけど、私たちはそんなことは望んでいません。何時間だろうが、全部しっかり聴きたいのです。

デビュー曲でもある「夏はどこへ行った」から、ライヴはスタートした。そして、タイトル曲でもある「ビリジアン」では、「とても今っぽい歌」とコメント。「葉書がメールだったら今、とても共感する」と。そして、去年20年ぶりにやったという「悲しい青空」。この頃の、彼女の曲の歌詞は、川村真澄さんが手がけている。そして、とても内容が大人っぽい。それについて、彼女は、「今の方が理解できる」なんてことも言っていた。

続いて、『水の冠』へ。まだ、この時点では、彼女も私たちも余裕。ギターとピアノを往復する彼女を見ながら、時間を20年前に戻していた人も多いのでは? そして、「水の冠」では、「原キーで歌うのがプライド」と言いながら、カポを1フレットにするか2フレットにするか迷って、でも、もちろん、原キーで聴かせていただきました。そうじゃなくっちゃ!(註:カポ=カポタスト。簡単に移調させるためのギターに取り付ける工具。)

曲順に歌うと、なぜか明るい曲と、暗い(いや、しっとりとした曲)がサンドイッチ状態になったりして、盛り上がった空気を落とすみたいで、なんて言ってましたが、でも、そんなことさえも彼女の魅力です。「最後のファーストキス」で明るくなって、「月の足音」でしっとりして、「Sweet Basil」で明るくなって、って感じです。で、このころの曲って、不倫の歌が多いなぁ~なんて、私は思ってました。

そして、2枚のアルバムを歌い終えたところで、1部終了19:20。しばしの休憩です。

19:50、2部の開始。
さっきまで、はいていなかった網タイツをはいて、ちょっとセクシーさを増してました。これ、近いから分かっちゃったことです。

「Sweet Sweet Baby」では、あの頃発売されたスコアブックを買って、一生懸命練習した自分を思い出してました。そういう方、多いんじゃないかな? そして、いつもはピアノだけど今日はギターでということで「夢の庭で」をギターで演奏。曲目が多いせいか、MCが少なく、淡々と曲が続いていきます。でも、どの歌も歌えちゃうから楽しい。そして、「雪の夜に」で大団円。うっ、違います。まだ、もう一枚、アルバム残ってますから。

そして、4枚目のアルバム『Long Long Way Home』へ。ちょうとこのアルバムは、25歳になったばかりの頃だと。「メロディ」は、伴奏なしでみんなで歌い盛り上がります。しかし、その後は、真冬の歌「Little Love」。「飛ばす?」なんてことも言っていたけど、ダメです。全部聴きたいんですから。そして、「BBQよりも、このころは青森が好きで」と。そして「冬の歌が多いですね」とコメント。「Down By The River」を終えると、ここで「LPなら、B面へひっくり返すところです」と。そして、告知タイム。

カセットデンスケを購入した彼女は、今日のライヴを録音しているとのこと。希望者には、おわけします。「欲しい」の声に、「有料になっちゃうけど」と。有料、当たり前じゃないですか? 欲しいです。やっぱり、CDの音とライヴは違います。それに、カセットデンスケで録音された音にも興味あります。

続いて、大貫妙子さん作詞の「青い空の音符」。この曲は、今の方が心に入ってくる。そして、ラストは、「どこにもかえらない」。みんなで歌いながら、盛り上がった状態でライヴは終了した。

ちょっとだけ、アンコールを期待したけど、36曲を歌い終えたあとは、すぐに客電がつき、日常が戻ってきた。20~15年前を旅した、そんな時間だった。終演は22:00近く。実に、4時間に渡るとても素敵なライヴだった。

<SINGS“SHO-CO-SONGS collection2”>
2009年6月21日(日)@南青山マンダラ

<Le cinema de Juin~6月の映画~>
2009年6月4日(木)@浜離宮朝日ホール
◆チケット詳細&購入ページ

「I'LL GET WHAT I WANT」
2009年6月10日発売
※7inch EP & Cassette Tape

◆鈴木祥子オフィシャルサイト
[寄稿] 伊藤 緑:http://www.midoriito.jp/
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