ビリー・ボーイ・オン・ポイズン、極上のジャンキー野郎たち

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ビリー・ボーイ・オン・ポイズンが、フジロックに出演決定だ。しかも、いきなり25日(土)ホワイト・ステージである。デビュー・アルバム『ドラマ・ジャンキー・クイーン』はUS発売7月7日、日本国内盤のリリースは9月2日とまだ先であるが、フジロックのパフォーマンスで、その評価は急上昇することだろう。

平均年齢18歳のLAからやってきたビリー・ボーイ・オン・ポイズンにとってのロックは、流行りのエモでもエレクトロではなく、純粋でド・ストレートなガレージ・パンク・ロックンロールだ。フロントマンのデイヴィス・ルデュークは英ケラング!誌にアクセル・ローズ、イギー・ポップを彷彿させるスター性を絶賛され、ギターのライアン・ウォレングレンはエアロスミスの申し子と称す、オールド・ロック・フリーク。もう一人のギターのグレッグ・ウェストはバークレー音楽大学に身を置く学生だったが、「ホット、ワイルド、攻撃的、汚らわしく、毛が逆立つ、尻をたたかれたような、枕をかじるほど、うめき、うなり声、ものすごいセックスだ」というマイスペースに記載されていたサウンドの紹介に魅了され、大学を中退しバンドに加入してしまった。

そこにデイヴィスは従姉妹のジェシ・カルカトゥッラをドラムスに採用することで彼女を田舎から引っ張り出してきた。ジェシは女の子とは思えないパワフルで、グルービーなリズムを叩き出す。

ビリー・ボーイ・オン・ポイズンを見出したのは、『24』のジャック・バウアーこと俳優のキーファー・サザーランドだ。彼はジュード・コールと共同でレーベルを経営、ビリー・ボーイ・オン・ポイズンに対する信頼を次のように語る。

「自分たちのパフォーマンスに自意識過剰なバンドたちと我々は丸10年も付き合ってきた。しかしデイヴィスとBilly Boy On Poison は違う。彼らはパンクの時代を思い出させるのだ。そして文字通りクラブを引き裂く、これこそがロックンロールである。」──キーファー・サザーランド

その直球なサウンドは、ハイヴスやストロークス、ヴァインズを彷彿とさせ、同時にニューヨーク・ドールズ、ストゥージズなど、70年代のパンク・ロックのニオイもプンプンと漂わせる、純度高きささくれ立ったロックンロールの芳しき香りを放つ。

デイヴィス・ルデュークは語った。「成長が早かったのは、幼い頃から俺の中に年老いた魂があるからだと言われた。12才で既に問題をいくつも起していたよ。マリファナを吸い、麻薬をやり、セックスだってした」。13才でロックにその魂を売り渡したというデイヴィスは、そのアルバム・タイトルどおり『ドラマ・ジャンキー・クイーン』のようだ。

「ドラマチックではないかもね。でも確実にジャンキー・クィーンだ。まだ若かったから、そこまでの悪党にはならなかったけれど、学校では暴れたし、両親をいつも怒らせていた。逮捕されるほどじゃないが、すべに対して反抗的だったんだ。神なんて信じなかったし、今でもそれは変わっていないけれどね。とにかく人生の裏側を歩いていた感じさ」。デイヴィスは笑って話す。ビリー・ボーイ・オン・ポイズンが空気を切り裂いて、ロック・ジャンキーの増殖を開始させるのも、もう目前となった。

『ドラマ・ジャンキー・クイーン』
2009年9月2日 発売予定 (US:7/7 UK:10月予定)
UICU-1192 \2,500(税込)
1. On My Way  オン・マイ・ウェイ (USリード・シングル)
2. Saturday's Child  サタデイズ・チャイルド
3. Happy Valentines Day  ハッピー・ヴァレンタイン・デイ
4. 4 Leaf Clover  フォー・リーフ・クローヴァー
5. Angry Young Man  アングリー・ヤング・マン
6. Drive Me Insane  ドライヴ・ミー・インセイン
7. Higher Power  ハイアー・パワー
8. You're Too High  ユアー・トゥー・タフ
9. Standing Still スタンディング・スティル (UKリード・シングル)
10. Another Lonely Heart  アナザー・ロンリー・ハート
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