Acid Black Cherry、想像力の限りを尽くした華麗なる物語が幕を開ける2ndアルバム『Q.E.D.』リリース大特集

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Acid Black Cherry 2ndアルバム『Q.E.D.』リリース大特集
yasuがすべての音をプロデュースした
究極のコンセプトアルバムが完成

INTERVIEW-01

「罪深い人間が人間を裁いていいのか? というテーマから始まったコンセプト・アルバムなんです」

──2ndアルバム『Q.E.D』、シングルではまったく気づかなかった仕掛けがここで明らかになる。これには驚きました。

yasu:今回はコンセプト・アルバムなんですよ。ジャンヌダルクのときもやってるんですけどね。

──本作と前作、テーマ自体にリンク性はあるんですか?

yasu:前作は“7つの大罪”をテーマに作ったもので。映画の『セブン』をモチーフにして。“すべての人間は必ず罪を犯すもの”、だから“すべての人間は神様のBLACK LISTに載ってる”というテーマで作ったんですけど。今回はそのテーマがあった上で、じゃあ“そんな人間をなんで人間が裁いていいんだ?“というテーマから始まって。そもそも、去年出した「ジグソー」っていうシングルは、人間のいろんな矛盾点をつきまくった歌なんですね。で、これを軸にアルバムを作っていこうと。そこで実際にアメリカであった事件で映画にもなった”ブラック・ダリア事件“というのがあって、僕自身、すごく興味があったんです。犯人は捕まってるんだけど、その人は冤罪じゃないかという説があって。真実は明らかになってないんです。また別で調べてる人が他に真犯人がいるという説を唱えたり。いろんな説が飛び交う、ミステリー・マニアのなかではけっこう有名な事件なんですね。その事件をモチーフにして、もう1回お話を作りあげたんです。

──シナリオは自分で考えたんですか?

yasu:制作の人と一緒に考えました。その殺人事件を軸に物語が展開していって。それをアルバムにリンクさせて、その物語のなかで起こる人間模様だとか、人間の汚い部分、イヤな部分を歌詞にしていって作ったわけです。

──てことは、そのお話に合わせて歌詞を作っていったってことですよね?

yasu:じつは、曲も歌詞も先にある程度作ってたんですよ。なので、先にあった歌詞のなかにお話に出てくるエピソードを後から入れ込んでいったんです。だから、スーパーこじつけなんです(笑)。だから、大変だったんですよ。特殊なやり方なんで。でも面白かったですけどね。お話を一緒に作った人も、元々漫画家になりたかった人で。漫画って妄想話をしながらストーリーを作っていくじゃないですか。それにちょっと近い作業で。

──かなり地味というか、地道な作業風景が目に浮かびますが……。

yasu:そう。全然ロックじゃない! でもね、元々すごいオタク気質なんで、あんまりロッカーっぽくないんです。

──yasuさんって“俺はスターだ! 俺を見ろ!”的な感じでは。

yasu:全然ないと思いますよ。“汚れ”のほうが楽しいし。。

──ああ、だからPVでいろんなコスプレやっちゃう自分も平気で出せちゃうとか?

yasu:そうですね! あれに関して言えば、もうカッコつけるだけってのは嫌やったんですよ。カッコいい自分だけを見せようとしてる自分が嫌だったんです。これは僕の“美学”なのかもしれないですけど、カッコつけてるカッコよさを僕はあんまりカッコいいと思わないんです。例えばお笑い芸人さんとかは、別にカッコつけてもないのにカッコよく映る。そういうのが響くんです。洋服一つとっても、カッコよさげな服を着てカッコいいよりも、Tシャツ1枚とジーパンで汚れててもカッコよく見えたりすることってあるじゃないですか? そういうところに美学を感じるんです。だから、自分から率先して自分を見てくれっていう発想は僕にはないですね。

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