BULL ZEICHEN 88、高いスキルで緊張感に溢れるラウドでシャープなサウンドの「Prologue」リリース大特集

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BULL ZEICHEN 88 5thマキシシングル「Prologue」リリース大特集

高いスキルで緊張感に溢れる
ラウドでシャープなサウンド
その大爆音の向こうに見える
キャッチーな歌メロ

INTERVIEW

「Prologue」収録曲について

──タイトル曲の「Prologue」はどんなテーマを持って作った曲だったんですか?

IKUO:まず前作のヘヴィでエモいものは、だいぶいいところまで行けたというのがメンバー間にあったんですね。だから、今回は次へのPrologue、序章。ここからはBULL ZEICHENのよさを残しつつ、ちょっと新しい音楽性を取り入れようと。この曲ではいままでにないようなもの、スカのギターのリズムとかを入れて、軽いんだけどヘヴィ。その整合感を狙いました。ボーカルにはPerfumeがやってるオートチューンを入れてみて。栄二郎は熱いボーカルなんで、あえて無機質な歌にしてそこに熱いメッセージを込めるのも面白いかなと。そういう今風なアプローチがありつつ、サビに向かう疾走感でいつものBULL ZEICHENらしさを全面に出した冒険作です。

──2曲目の「Skin」はプログレッシブなファンク色を感じる楽曲でした。後半にはリズム隊の超絶プレイも出てくるわけですが、それを手拍子で楽しませちゃうというこのアイデア! キャッチーだなと思いました。

IKUO:そうそう、その通りです! あそこ、緊張感がほぐれる瞬間なんですよね。でもこの曲、やる側は相当難しいんです。

淳士:クリック聴いてやってるんですけど、そのクリックとは相反するバンド・アンサンブルを出さなきゃいけないところがあるので、それを身体に入れるために15年ぶりに僕、個人練(習)入りましたからね(笑)。

栄二郎:僕もこれは難しかったです。いろんなリズムが入ってるんで普通には歌えないんですよね。とはいえ、実はこれ、Aメロの出だしは僕じゃないんですよ。

IKUO:これは最初僕が歌って、次にSebastianが歌って栄二郎がスクリームするっていうパターン。コーラスは淳士君です。

淳士:僕、レコーディングでは“クリスタルJ”と呼ばれてました(笑)。キレイな声のハモリは僕だったりします。あと“DEATH J”と、“フレディー・さく・マーキュリー”(淳士の名字は佐久間)もいますね。

──3曲目の「No.1」は、イケイケのメロコアチューン! と思いきや。

淳士:リハスタでどうしようかって、みんなで作っていったんですけど。まず、僕が辛いんですよ。最初っから最後までズタズタズタズターのままだと。あと、やってて面白みも欲しいんで“2番のAメロで急に違う音楽になるの、どう?”ってことでレゲエになっちゃって。そこからまた元に戻るのかと思いきやメタルになっちゃって。

──そうそう(笑)。

淳士:っていうのがあって、エンディングはまたレゲエに行っちゃう? って。

──しかもその後に声、入ってますよね?

淳士:最後、ギターのアルペジオで終わろうとしたら失敗して“あっ”っていったときに、周りの観衆が“あぁあー”って。ため息まじりにね。

淳士:いままでの2曲をやってるヤツらとはとても思えないじゃないですか?

IKUO:そういうのが好きなんですよ。僕らだから許されるんじゃないかと。これがね、ヘタクソだったり曲もいいのかどうかもわかんないバンドだったら絶対やっちゃいけない。じゃなくて、誇れる音楽があった上で“こんな余裕も見せちゃうよ”ってういのって、すごくカッコいいと思う。

淳士:笑えること、大好きだからね。

IKUO:この曲の高速2バスのパートとかキックしか入ってないんですよ?(笑)。ベースもペラペラバカみたいにやってますけど、でも「これ、やれるか?」ってことですよ。技術を頭堅くやるんじゃなく面白くみせる。

淳士:そういうのをBULL ZEICHEN用語では“愛おしい無駄”と呼んでます!

──そんなブルハチが今後目指すところというと?

淳士:ありきたりですけど、10年後も存在するバンドでありたい。だから、逆にいまはどこも目指してない。それこそが最大の目標。僕らは勝負感はいま持ってないんで。かといってお気楽になってるわけではないんですが。いまは地道な活動を続けていく。そうすれば、時代がきっと僕らに巡ってくる。そのタイミングさえ見極められればいい。だから、なにも心配してないです。楽しく音楽やってるだけです。

取材・文●東條祥恵

 
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