米良美一、「松田聖子は自分の唄の師匠」

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映画「もののけ姫」の主題歌の大ヒットで知られるカウンターテナー歌手の米良美一が、1994年10月にバッハ・コレギウム・ジャパン定期公演で歌手活動をスタートさせて以来、2009年でデビュー15周年を迎えた。10月17日、21日には記念リサイタルを開催する。

◆米良美一、「松田聖子は自分の唄の師匠」 ~写真編~

記念公演前に本人に話を伺うと、知る人ぞ知るあのエピソードが飛び出してきた。あの美しいファルセット・ボイスは松田聖子で鍛えたという話だ。クラシックの声楽家は一般に、小中学生の頃から本格的なレッスンを始めるが、意外にも米良は大学生から、しかもお手本は松田聖子である。

そもそも出会いは中学2年生。病弱だった米良は入院中、看護師から1本のカセットテープを貰った。中には松田聖子の曲が入っていたという。

「ベッドの上で退屈な時間を過ごしていた僕に、「時間の国のアリス」と「Sleeping Beauty」(いずれもアルバム『Tinker Bell(1984)』収録曲)は衝撃でした。この2曲ではじめて聖子さんを知り、なんとか同じキーで歌いたいと、一生懸命、裏声(ファルセット)を出す練習をしてたのが、今に繋がりました(笑)」と語り、松田聖子を「自分の唄の師匠」とまで言い切る。実際に米良美一にとって、「Sleeping Beauty」は自身のコンサートでのレパートリーの1曲である。

その後、高校3年生の時にヘンデルの「メサイア」の歌曲と出会い、アルト歌手になりたいと、音楽大学に進学を決意したという、声楽家としては異色の経歴の持ち主だ。

アニバーサリー・イヤーの2009年4月には、宮本亜門演出の舞台「音楽劇・三文オペラ」で、初めての役者にも挑んだ米良美一だが、日経ホールでの記念リサイタルでは、従来のクラシック曲や、近来取り組んでる日本の唱歌に加え、ゴスペルや昭和30~40年代の歌謡曲にも挑戦するという。

「これからはジャンルにとらわれず、聴く人が元気になるような唄を歌っていきたい。大げさですが、米良美一というジャンルを築いていければと思ってます」と抱負を語った。

<米良美一 デビュー15周年記念リサイタル>
10月17日(土)15:00 開演@大手町日経ホール
10月21日(水)19:00 開演@大手町日経ホール
[問]ジャパン・アーツぴあ 03-5237-7711
http://www.japanarts.co.jp

※主な演奏予定曲目
[クラシック曲]
「メサイア」より、彼は軽蔑され(ヘンデル)、バロック期のピアノ作品 他
[ゴスペル曲]
誰も知らないわたしの悩み、深い河 他
[日本唱歌]
月の沙漠、サッちゃん、たき火、七つの子 他
[昭和30~40年代の歌謡曲]
四季の歌(芹 洋子/昭47)、寒い朝(吉永小百合/昭37)、見上げてごらん夜の星を(坂本九/昭38)
[他楽曲]
花~すべての人の心に花を(喜納昌吉)、アシタカせっ記~もののけ姫

◆米良美一オフィシャルサイト
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