DEAD END、空前のリリース・ラッシュ、前例なきライヴも目前

11月11日、いよいよリリースを迎えるDEAD ENDの『METAMORPHOSIS』。改めてその基本情報を整理しておくと、「摩天楼ゲーム」と題されたナンバーで幕を開けるこの作品には、去る8月15日に幕張メッセで開催された＜JACK IN THE BOX 2009 SUMMER＞の際にも先行披露された「Dress Burning」、すでにビデオ・クリップを見たという読者も少なくないはずの「Princess」をはじめとする全10曲が収録されており、すべての作詞をMORRIE、作曲をYOUが担当。バンドとともにプロデューサーとしてクレジットされているのは、過去、『shambara』や『ZERO』といった作品でも手腕をふるってきた、第5のメンバーとも言うべき岡野ハジメ。まさに完璧な布陣で行なわれたレコーディング作業は、この夏、わずか10日間で完遂されている。作品自体はCDのみの通常盤、ビデオ・クリップ2曲が収められたDVDとの2枚組仕様による初回限定盤という2種のフォーマットでの登場となるが、初回限定盤が店頭から姿を消すのはおそらく時間の問題ということになるだろう。

そして同じく11月11日に新装仕様で再リリースを迎えることになるのが、インディーズ時代に発表された伝説的作品、『DEAD LINE』（1986年）と、メジャー進出後第1弾にあたる『GHOST OF ROMANCE』（1987年）、そして同じく第2弾の『shambara』（1988年）だ。

まず『DEAD LINE』は、『METAMORPHOSIS』と同様にデンジャー・クルーからのリリースになるのだが、音源はもちろんメンバーたちの監修のもとでのリマスターを経たものとなっており、格段の音質向上が確認できる。本来のアルバムには収録されていなかった「Replica」と「Worst Song」ももちろん収められているし、1987年1月11日、大阪・毎日ホールで行なわれたライヴ、＜四鬼夜行＞の模様を収録したDVD付きの2枚組仕様となっている。

『GHOST OF ROMANCE』と『shambara』については、オリジナル・リリース当時と同様にビクターからの発売となる。前者には、当時、非売品ソノシートとして一部で出回っていた「Grave Of The Shadow」が、そして後者には、シングルとしてリリースされオリジナル・アルバムには収録されることのなかった「Blue Vices」と、そのカップリング曲だった「Wire Dancer」がボーナス・トラックとして追加されている。これら双方の作品についても当然ながらリマスターが施されており、メンバーたちと岡野ハジメがその監修にあたっている。岡野氏はさらに、自身のプロデューサーとしての長いキャリアのなかでもごく初期に手掛けた作品にあたる『shambara』のブックレットに、当時のエピソードも交えながらのライナーノーツを寄稿。また、手前味噌ながら、この両作品に関しては僕が解説原稿を担当させていただいた。

結果、4枚もの作品が時を同じくして市場に出回ることになるわけだが、これに追い討ちをかけるように、12月23日には『ZERO』と『DEAD END』（2枚組ライヴ・アルバム）も復刻される。実際問題として、一気にすべてを買い揃えようとするとそれなりの出費にはなるが、80年代当時のオリジナル盤を所有している人たちには今回のリイシュー盤をかならず手に入れて欲しいところだし、当然ながら入門者たちにもお勧めしたい。とはいえ、もちろん最新作の『METAMORPHOSIS』をまず何よりも聴いて欲しいというのが本音ではあるのだが。

そして、あなたが『METAMORPHOSIS』を手にした翌週には、MORRIE（vo）、YOU（g）、“CRAZY”COOL JOE（ｂ）、そして真矢（ds：LUNA SEA／ゲスト参加）という、彼ら自身をも含めて過去に誰も体験したことのないラインナップでのライヴが控えている。あなたにも是非、“夢”が殺されて新しい現実に“変容”を遂げる瞬間の、目撃者であって欲しい。2009年11月、今しか触れることのできない極上の刺激がそこにあるはずだから。

増田勇一

＜DEAD END Tour 2009“Metamorphosis”＞
2009年11月17日（火）大阪・BIG CAT
◆チケット詳細＆購入ページ
2009年11月20日（金）東京・SHIBUYA-AX
◆チケット詳細＆購入ページ
※両公演とも開場18：00／開演19：00
◆DEAD ENDオフィシャルサイト