スラッシュとダフ・マッケイガンの新作リリース、GN'R紙ジャケも

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11月11日、すでに巷で話題を集めているスラッシュのニュー・シングル、「SAHARA」がいよいよリリースされる。ご存知の通り、これは稲葉浩志をフィーチュアした楽曲。日本屈指のヴォーカリストによる圧倒的歌唱が、今後、世界からどのような反響を得ることになるかについても楽しみなところだ。しかもこの作品に同時収録されているのは、ガンズ・アンド・ローゼズの看板曲のひとつである「パラダイス・シティ」。ファーギーとサイプレス・ヒルを迎えて完成されたこちらの音源も必聴。ちなみにスラッシュ自身のソロ・アルバムについては、来年2月の発表を目指しながら、着々と完成に近付きつつある模様だ。

この作品と同時にリリースを迎えるのが、彼の同胞であるダフ・マッケイガンの率いるローデッドによる新作。『シック』と題されたこの作品は、2009年4月にはセンチュリー・メディアを通じて欧州でリリースされていたが、ようやくその日本発売が実現に至ったというわけだ。彼が<LOUD PARK 08>出演のためにかなり唐突な来日を果たしてから1年以上が経過しているが、実はあの時点ですでに完成されていたのがこのアルバム。同フェスの舞台裏で再会したモトリー・クルーのニッキー・シックスが彼の楽曲をいたく気に入り、その翌日に行なわれたローデッドの単独公演に姿を見せていた事実も記憶に新しい。ちなみにこの作品、『シック~デラックス・エディション』と銘打たれたヴァージョンはSHM-CDとDVDの2枚組仕様になっており、DVDには2008年9月に行なわれていたUKツアーのなかからグラスゴー公演の模様を収録。他にもローデッドというバンドの日常を垣間見られる生々しい映像がたくさん収められているので、是非そちらもお楽しみいただきたい。

こうしてガンズ・アンド・ローゼズ~ヴェルヴェット・リヴォルヴァーで活動をともにしてきた盟友2人の新作が、時を同じくして発売されることになるわけだが、同時にリリースを迎えるのはこれら2作品だけではない。12月に迫っているガンズ・アンド・ローゼズの来日公演に先駆け、ガンズ自体や周辺のさまざまな作品が一気に10タイトル、紙ジャケ仕様で登場するのだ。その作品ラインナップは下記の通り。

●『アペタイト・フォー・ディストラクション』ガンズ・アンド・ローゼズ
●『GN'Rライズ』ガンズ・アンド・ローゼズ
●『ユーズ・ユア・イリュージョン I』ガンズ・アンド・ローゼズ
●『ユーズ・ユア・イリュージョン II』ガンズ・アンド・ローゼズ
●『ザ・スパゲティ・インシデント?』ガンズ・アンド・ローゼズ
●『ライヴ・エラ'87~'93』ガンズ・アンド・ローゼズ※
●『イッツ・ファイヴ・オクロック・サムホエア』スラッシュズ・スネイクピット
●『ビリーヴ・イン・ミー+2』ダフ・マッケイガン
●『イジー・ストラドリン・アンド・ザ・ジュ・ジュ・ハウンズ+8』イジー・ストラドリン・アンド・ザ・ジュ・ジュ・ハウンズ
●『アティテュード・フォー・ディストラクション』V.A.※

すべての作品がSHM-CDによる紙ジャケ仕様となっており、※印の付いているものは2枚組。また、タイトルの表記からもお察しいただけるはずだが、ダフ・マッケイガンにとって初のソロ作品となった『ビリーヴ・イン・ミー』には「バンビ」と「気のふれた男優」(それぞれプリンスとデヴィッド・ボウイのカヴァーで、当時のシングルにカップリング収録されていた)の2曲が追加収録され、イジー・ストラドリン・アンド・ザ・ジュ・ジュ・ハウンズのデビュー作に至ってはライヴ音源を含む8曲ものボーナス・トラックが加えられている。また、『アティテュード・フォー・ディストラクション』は、アクセルやイジーがガンズ始動前に籍を置いていたハリウッド・ローズのデモ音源をはじめ、このバンドに所縁のあるさまざまなアーティストたちの音源が全28曲も集められたコンピレーション作品である。なお、これらの作品の発売元であるユニバーサルミュージックでは「ガンズ・アンド・ローゼズ2009来日公演記念スペシャル・キャンペーン」なるものを実施していたりもするので、詳しくは商品に貼られているステッカーをご参照いただきたい。

もちろん、残すところあと1ヵ月少々となったガンズ・アンド・ローゼズ来日公演に向け、いちばん聴き込んでおくべきは、発売からちょうど1年を迎えた『チャニーズ・デモクラシー』に他ならない。が、聴き始めると止まらなくなるのが、さまざまな記憶が染み付いたこうした旧作品群。1枚聴くと、その次の1枚が聴きたくなるというのがファン心理というものだ。そうした意味からも、こうして10枚同時にリリースされることは理にかなっていると言えるのだろう。余談ながら筆者は、今回再リリースされたアイテムのうち4作品のライナーノーツを書かせていただき、我が家の『アペタイト・フォー・ディストラクション』はこれでトータル6枚を数えることになった。

なんてことはさておき、とにかく気になるのは来日公演について。果たして12月、アクセルのまわりには誰がいて、誰がいないのか? 日本の前に一行が立ち寄ることになる台湾と韓国では何が起こるのか? そして1月に予定されているカナダ・ツアーの先にあるものは? 少しでも確かな情報が到着次第、続報をお届けしたい。

増田勇一
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