【短期集中連載】増田勇一のサンフランシスコ日記(2)

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オークランドのオラクル・アリーナで観たKISSのライヴは、相変わらずの素晴らしさだった。というか、演出面でも、演奏面での充実ぶりでも、近年の彼らのライヴのなかではベストに近かったと言っていいのではないか。それが率直な感想だ。

ご存知の通り、全米チャート初登場2位に輝いた彼らの最新アルバム、『SONIC BOOM』は、今のところ日本盤のリリース予定がない状態。先週のオリコン・チャートでは輸入盤がランクするという珍事(素直には喜べないから、敢えてこう言わせてもらう)も発生している。それゆえ、今回のライヴ鑑賞は特定の媒体のための取材としてではなく、あくまで勝手にチケットを手配して観に来た(便利な時代ですね。チケットマスターのサイトで購入しました)のだが、「現地に到着したその夜にライヴという無理矢理なスケジュールを組んで良かった!」と思えた。ちなみにライヴ・レポートは、日本のKISS FCの会報に書かせていただくことになっている。

▲アメリカのコンサート会場では、ちっちゃなデジカメ(プロ仕様じゃないもの)については、大概の場合、撮影が黙認されている。だけどもこの場では、終演時と退場時のステージの写真を掲載するにとどめておくことにする。
詳しい公演内容については敢えて触れずにおくが、そのナカミが、オールド・ファンにはヨダレものであると同時に、KISS未体験世代にも充分すぎるほど訴えかけるはずのものであることだけは伝えておきたい。すごく乱暴な言い方をすれば、曲なんか知らなくても楽しむことができ、曲を熟知していればその100倍楽しめるのがKISSのライヴ。アリーナのやや後方のブロックに一人で混入していた僕のまわりは、同世代と思われるアメリカンおっさんでいっぱいで、曲が始まり、終わるごとに知らない者同士がハイ・タッチを繰り返すという盛り上がりよう。終演後、僕の両手のひらは真っ赤。電車でホテルに戻った頃には(途中でちょっと呑みに寄ったりもしたため)日付も変わっていたが、サンフランシスコ滞在初日は100%の充実度だった。

そして、時差ボケで眠れない僕は、11月23日、フィルモアでのDIR EN GREY全米ツアー最終公演を目前に控えながら、深夜の原稿書きを続けるのだった。

あ、ひとつ忘れてた。KISSのオープニング・アクトを務めていたBUCKCHERRYのステージも、なかなかの充実ぶりだったことを付け加えておきたい。ただし場内が最大級に盛り上がったのは、DEEP PURPLEのカヴァー、「ハイウェイ・スター」が演奏されたときだったのだが。

増田勇一
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