<第3回Music Revolution>JAPAN FINALで、現役女子高生 山﨑葵がグランプリ獲得

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次世代のミュージックシーンに革命を起こすべく始まった音楽コンテスト<Music Revolution>が2009年で3回目を迎えた。音楽好きの23歳以下なら誰でも応募資格アリ。スタイル、音楽ジャンル、コピー、オリジナルを一切問わないフリーでスロウな感じが人気のコンテストである。

12月6日、その第3回決勝大会=ジャパンファイナルが、第1回と同じ品川ステラボールで開催された。2009年は、全国5409組の応募の中から、予選大会、全国5ヶ所(札幌、東京、名古屋、大阪、福岡)のエリアファイナル(地区決勝大会)を勝ち抜いた16組が一堂に会することになった。

◆<第3回Music Revolution>JAPAN FINAL、受賞者画像

冬に一歩足を踏み入れ、凛とした空気感が心地よい師走の昼下がり、午後1時半に開演。2009年の司会は、マッピーこと松本ともこさん。今までに様々な音楽番組を担当し、数々のアーティストを見守ってきた彼女が、今日は、全身でアマチュアアーティスト16組を温かくサポートした。

オープニングを飾ったのは、名古屋エリア代表の痛快ロックンロールバンド『ビレッジマンズストア』。グルーヴ感あふれるロックンロールは、客席の温度を一気に上昇させた。エレキでの弾き語りの音色に哀愁がにじみ出ていた『植田章敬』、スカビートがカラダに心地よいフロント2人が女の子の3ピースバンド『THE★米騒動』、ミュージカル仕立ての演出で未来へのポテンシャルを感じさせてくれた14歳の『久枝しずく』と、色とりどりのエッセンスを個性豊かにアピールするエントリーが続々と登場。バンドサウンド、ポップユニット、弾き語り等々、実力派ぞろいの16組は甲乙つけがたい印象だった(出場エントリーは次回じっくり紹介するのでお楽しみに)。

そんななか、16組の頂点・グランプリに輝いたのは、札幌エリア代表の高校1年生『山﨑葵』(写真:上)。高校生女子の胸のうちを、アコギを抱えて素直に歌い上げたさわやかさが印象的だった。されに、彼女は特別審査員として参加した秋元康さんが選ぶ特別審査員賞にも輝いた。

優秀賞には、大阪エリア代表の3ピースバンド『tailless dog』(写真:中)と、東京エリア代表の4人組バンド『ROTH BART BARON』(写真:下)が。そして会場の人気投票で決まるオーディエンス賞にも同じく『ROTH BART BARON』が輝いた。

今大会は、誰が賞に輝いても不思議ではないくらい実力が伯仲していたが、詞の物語性とそれを演じる表現力が決め手となったようだった。そして、2009年も2008年のThe coridrasに引き続き、札幌エリアからの代表バンドが栄冠を持ち帰った。北海道日本ハムファイターズは残念ながら日本一に輝くことはできなかったが、道産子パワーは2009年も健在だった。

ゲストとして、Music Revolutionの第1回JAPAN FINALに出場した舞花が、同じステージでライブを披露してくれた。彼女は、来春にメジャーデビュー予定だ。今後も続々とMusic Revolution発のアーティストが輩出されることを期待したい。

3回目を迎えて、エントリーの実力とイベントの円熟味も増してきた<Music Revolution>。今日からまた4回目にむけて新しい音楽シーンを提案していくための一歩を踏み出した。

<第3回Music Revolution>受賞者

◆山﨑葵(グランプリ&特別審査員賞受賞)
『ユメノナカ』 作詞:山﨑葵 作曲:山﨑葵
Vo&AG 山﨑葵(16)
等身大を素直に表現した言葉とメロディ

YUIの映画『タイヨウのうた』を見て、ギターを始めたという少女は、みるみるその才能を発揮して、現在オリジナルの楽曲レパートリーはなんと96曲。今、この瞬間にも増え続けているかもしれない。なかでも、一番自分が共感できて、歌うたびにせつなくなるという楽曲『ユメノナカ』を引っさげて、見事Music Revolutionのグランプリを勝ち取った。実は、2008年の第2回は、札幌エリア大会で敗退。そのリベンジの気持ちもあったという。今回のステージでは演奏終了後「すっきりしました!」と笑顔を見せた。グランプリ受賞後の再演では、さらにすっきり度が増したご様子。昼下がりの公園でひなたぼっこをしている、そんな感じの楽曲のイメージだが、詞の内容は実はせつない胸のうち。メロディは通学途中に浮かび、詞は寝る前に書くという。高校生としての日々の生活をフツーに送り、饒舌になっている頭の中のあれこれを日記に書き留めるように、自然と言葉やメロディに置き換えているのだろう。高校1年生という今の等身大を、てらうことなく素直に表現している言葉とメロディは、きっと同世代の心をつかむはず。

◆tailless dog(優秀賞受賞)
『ストーリーテラー』 作詞:内田心晴 作曲:内田心晴
Vo&AG 内田心晴(21)/EB 加藤喬彦(22)/Dr 中山智晶(22)
しっぽのない犬の表現法は、饒舌な楽曲とパフォーマンス

演奏後、感極まって涙を浮かべていたヴォーカルの内田。ポップなチューンにのせた詞は、とても哲学的であり、示唆に富んでいる。07年5月に結成。テレビ朝日の『The Street Fighters』にも出演したこともある実力派である。音楽的にはポップだが、ブルースやパンクの精神を伝えていきたいという彼らは、常に何かに対する問題意識をメッセージとして発信していきたいと話す。tailless dog=しっぽのない犬は、表現の拠り所がない。だからこそ、声やしぐさ、音、表情で伝えることが大切。そんな思いをこめたバンド名通り、多くは語らないが、饒舌な楽曲とパフォーマンスは見どころ十分。

◆ROTH BART BARON(優秀賞&オーディエンス賞受賞)
『ジョウガ一号』 作詞:三船雅也 作曲:三船雅也
Vo&AG 三船雅也(22)/EG 平塚幸太(22)/EB 大坂哲生(22)/Dr 松村鉄也(22)
卓越した詞の世界と楽曲、パフォーマンスは必見

2007年12月に結成された、幼なじみ4人組のバンドROTH BART BARON(ロットバルトバロン)。バンド名といい、曲名(中国初の人工衛星か?)といい、謎めいているが、様々な映像がフラッシュバックするように見えてくる卓越した詞の世界と楽曲、そして、パフォーマンスは一度触れたら、とりこになること必至。現在は、渋谷のLamamaで月に1回程度ライブを行っているという彼ら。オーディエンス賞にも輝いたとおり、根強いファンも獲得しているようだ。できるだけ自分たちのペースを崩さないで活動していきたいという信条どおりに、自然体で次々にハイクオリティな楽曲を届けてほしい。今後が楽しみなバンドなのだ。

さて、<第3回Music Revolution>JAPAN FINALに出場した16組のアマチュアミュージシャンの音源(スタジオ収録音源)が12月16日(水)より配信リリースされる。PCはiTunes store、moraより。携帯はマスト買いMySound、そして21日週からmusic.jpよりも配信。
タイトル:「The 3rd Music Revolution JAPAN FINAL」
収録曲数:全16曲
配信価格(税込):
【PC】単曲150円/AL価格2,000円
【mobile】着うた105円/着うたフル315円

◆Music Revolutionオフィシャルサイト
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