Merry Quintet、控えめながら前のめりなキラキラ

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名古屋発のMerry Quintetが待望の1stアルバムをリリース。クルクルと目まぐるしく表情を変えるボーカルとメンバーのルーツが絶妙に混ざり合って生まれた楽曲、彼らの初のアイテムとなる1stアルバムをリリースしたばかりだと言うのに「もう次の事を考えている」と言い切る、新人とは思えぬ力強い眼差しにハッとさせられ、温もりに満ちた力強い歌声に心を優しく包み込まれる。

時々つまずきそうになっても軽やかにスキップして駆け抜ける、そんな景色が目に浮かぶような全9曲を収録。2月からスタートする大規模なレコ発ツアーを控えたアイコ(Vo)、まえしー(G/Cho)に話を訊いた。

   ◆   ◆   ◆

──ついに1stアルバムが完成しましたが、率直な感想は?

アイコ:興奮します。嬉しいです。これが素直な感想です。まえしー覚えてないかもしれないけど、ずっと前に「バンドやっていこう」ってなった時に「どうなったら一番初めに泣くかなぁ」って話した事があって。そしたらまえしーが「CD出してお店にポップ並んでたりするのを見たらまず泣くよね」って言ってたのを覚えてて。

──そうだったんですね。まさにそれが叶ったわけですが、まえしーはいかがですか?

まえしー:自信がないわけじゃないし、決して「これどうだよー!」って感じもないわけじゃないですけど、初めて反応がダイレクトに分かるわけじゃないですか。ちゃんと反応が分かるのでみんなに早く聴いてほしいです。それがどういう結果であろうと早くみんなの反応が見たい。そしてまた次を。

──もう次の作品の事を考えているんですか?

まえしー:次の事しか考えてないんです。レコーディングの時も「これで要領掴んだから早く次をやりたい!」って。

──「次やりたい」っていうのも漠然とじゃなくて、もうすでにアイデアもどんどん思い付いているんですか?

まえしー:曲はもうあるし、早く次をやりたいですね。

アイコ:そうですね。ちゃんとしたレコーディングはやった事なかったし、最初は「どうなるかな~」と思ってたけど。決められた滞在期間で9曲っていうのもプレッシャーはあったけど何とかやれたので。練習だとかライブだとかでやってると後ろのバッキングがないし、まえしーのソロがレコーディングで初めて入ったりすると全然違う曲に聞こえたりして。「大人のポリシー」とか「とんぼレンゲ」とかキラキラしてて。「キラキラサウンドだ~」って。

まえしー:うん。“キラキラ”って、やっていきながらこの音が自分の目標にあるんじゃないかなって。

──トモフミ君のベースも軽やかに跳ねるようなフレーズが所々に出てくるし、“キラキラ”っていうのはMerry Quintetのキーワードの一つですよね。「緑黄色」もキラキラした可愛らしい部分や伸び伸びとした部分など、アイコちゃんのボーカルも1曲の中でだいぶ変化してますよね。PVにもなってるし、ある意味アルバムの代表曲的なポジションなのかなって。

まえしー:「緑黄色」に関してはPV撮る事になった時に、表題曲にするわけですから自分達が一番「Merry Quintetです」って納得する曲ですね。

アイコ:他にも「いいな~」って曲もあったけど、やっぱりMerryQuintetの条件を満たして、且つ耳に残って一番最初のPVだから楽しい曲がいいな~ってのもあって。それに可愛いとか聴きやすい、だけじゃないのも分かってもらえたら。この曲はちょっとまっすぐじゃないですね。

まえしー:Merry Quintetもちょっとひねくれてるんだぞっていう。それもある意味Merry Quintetのコンセプトですね。こっちも自由にやってるから自由に聴いてもらえれば嬉しいですね。

──色々なタイプの曲があって私も自由に聴かせていただいてますが、朝起きてから寝るまでの日常のどのシーンにもピッタリはまってる。自分の平熱に近い温もりを感じて。

アイコ:それは嬉しいです。

まえしー:もっと理想を言えばその時の気分によって「とんぼレンゲ」からスタートして自分で曲順を選んで最終的にアルバムを聴き終えちゃった、みたいなのが一番理想です。

──来月からツアーが始まりますがアルバムを初めて聴く人、ライブを初めて見る人にどんな物を残したいですか?

アイコ:「なんかいいかな」くらいで…。ちょっとでもいいから引っ掛かりたいかな。良く取ってもらえればもちろん嬉しいけど「よっしゃー!」ってならなくてもいいので「ちょっと変、ちょっと気になる、ちょっと楽しい」くらいで。

まえしー:まずはツアーに出て、何かに引っ掛かってもらうために精一杯出していけば。やっぱりその先が大事ですよね。引っ掛かってもらってその先があって。スルメ的な感じで「良く見ると、良く聴くと、もっと楽しかったんだ」とかそうやって入り込んでもらうためにまずは結果を出していこうと思ってます。とにかくお客さんと楽しみたいです。


──バンド名もMerry Quintet(Merry=陽気な Quintet=五重奏)と名乗ってるわけですからね。

まえしー:そうですね、お客さんは5人目のメンバー。本当にそう思ってるけどね。

アイコ:うん、バンドにとっていないといけない人。ある意味メンバーですね。自分達だけじゃなくて聴いてくれる人がいないと何も成り立たないと思うので。

まえしー:行く行くはお客さんもそう思ってくれると嬉しいですね。

(TEXT:松本裕子)

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▲Merry Quintet『SKiP』
Merry Quintet『SKiP』
2010年1月27日発売(PFCA-0020 税込2,000円)
01. 風の音
02. 緑黄色
03. 仲良しのカフェオレ
04. 大人のポリシー
05. マシュマロ
06. とんぼレンゲ
07. 爪先
08. どしゃぶり金曜日
09. 虫眼鏡にハチミツ
※タワーレコード(一部店舗を除く)および@TOWER.JP(タワーレコードオンラインショッピング)にて発売


<Merry Quintet first live tour “SKiP”
~緑黄色って何色ですか?知りません!だからあなた色に染め上げて2010~>
2/05 (金) 名古屋 CLUB UPSET
2/08 (月) 博多 Be-1
2/09 (火) 黒崎 MARCUS
2/11 (木) 米子 BELIER
2/12 (金) 松山 SALONKITTY
2/13 (土) 徳島 JITTERBUG
2/15 (月) 岡山 PEPPER LAND
2/16 (火) 神戸 Mersey Beat
2/17 (水) 大阪 LIVE SQUARE 2nd LINE
2/18 (木) 京都 MOJO
2/22 (月) 長野 CLUB JUNK BOX
2/23 (火) 新潟 CLUB JUNK BOX
2/25 (木) 郡山 CLUB#9
2/26 (金) 仙台 CLUB JUNK BOX
2/28 (日) 青森 Quarter
3/02 (火) 宇都宮 HEAVEN'S ROCK
3/03 (水) 熊谷 HEAVEN'S ROCK
3/04 (木) 渋谷 La.mama
3/05 (金) 浜松 MESCALIN DRIVE
3/14 (日) 名古屋 ell.SIZE <ファイナルワンマン>

◆Merry Quintet オフィシャル・サイト
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