ピーター・ガブリエル、最新作はオーケストラでカバー作

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2月17日発売の数あるアルバムの中で、ぜひ紹介しておきたい作品がある。ピーター・ガブリエルの通算8枚目となるスタジオ録音アルバム『スクラッチ・マイ・バック』だ。

1975年にジェネシスを脱退後、7枚のスタジオ・アルバムの他、映画のサントラも含め幅広い音楽活動を行なってきた彼が、『UP』以来約7年ぶりとなる今作に与えたコンセプトは“カヴァー”だった。

もちろんただのカヴァー企画ではなく、他の優れたアーティストたちと互いの楽曲を交換してカヴァーし合うというアイディアを実行したものだ。ちなみに、他アーティストによるピーター・ガブリエル楽曲カヴァー作品はiTunesにて順次配信されていく予定となっている。

「アーティスト同士がコミュニケーションを取り合い、互いの曲を交換し合うという、新しいタイプのプロジェクトを創出した方が面白いんじゃないかと思ったんだ」──ピーター・ガブリエル

この特別企画シリーズの第一弾アルバムとなる今作は、トーキング・ヘッズ、デヴィット・ボウイ、レディオヘッドらの楽曲をピーター・ガブリエル流に解釈したカヴァーの数々を収録。カルト的な人気の知る人ぞ知るナンバーから、誰もがうなずく定番の名曲に至るまで、多岐にわたる収録曲の数々を巧みに仕上げていくため、今回ガブリエルが協力を仰いだのは、作曲家/編曲家でありプロデューサーとして熟練の技を持ちピンク・フロイドの『ザ・ウォール』などを手掛けたボブ・エズリン、エンジニア兼ミキサー兼プロデューサーであるチャド・ブレイクであった。

全12曲はすべてオーケストラの楽器と歌声のみで構成され、壮大で重厚かつ緻密な音像が描かれているが、そこには一切のギターやドラムスが用いられていない。バラエティ豊かで多彩なサウンドは、これまでにないドラマティックさと馴染みやすさに満ち溢れているのだ。

『スクラッチ・マイ・バッグ』
2010年2月17日(水)
TOCP-66925 ¥2,500(税込)
日本盤特典:セルライナー・ノーツ和訳&解説付
1.ヒーローズ(David Bowie)
2.ザ・ボーイ・イン・ザ・バブル(Paul Simon)
3.ミラーボール(Elbow)
4.フルーム(Bon Iver)
5.リスニング・ウィンド(Talking Heads)
6.ザ・パワー・オブ・ザ・ハート(Lou Reed)
7.マイ・ボディ・イズ・ア・ケージ(Arcade Fire)
8.ザ・ブック・オブ・ラヴ(The Magnetic Fields)
9.アイ・シンク・イッツ・ゴーイング・トゥ・レイン・トゥデイ(Randy Newman)
10.アプレ・モア(Regina Spektor)
11.フィラデルフィア(Neil Young)
12.ストリート・スピリット(フェイド・アウト)(Radiohead)

◆ピーター・ガブリエル・オフィシャルサイト
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