闇に焔が体躯を縁取る。暗転したステージに浮かび上がるシルエットはさながら不死鳥を思わせた。yukihiroがまとっていた衣装には無数の羽根が編み込まれていたのだから、あながち的外れな連想でもないだろう。むしろ短絡的? それでもいい。なにしろ2006年以来、実に3年半ぶりのワンマン・ライヴだ。そしてyukihiroソロ・プロジェクト=acid androidはいよいよ四たび始動する。いや、今日という圧倒的な夜を体感した今となっては、これこそがacid androidの本当の意味でのスタートかもしれないとさえ思う。

予感は2009年末からあるにはあった。イベント<JACK IN THE BOX 2009>でのゲリラ出演、紗幕に覆われたまま新曲3曲だけを演奏して去るという衝撃の登場は、明らかにこれまでの佇まいとは一線を画していて、否が応でも“何か”を期待させた。それでもまだ予感は予感でしかなかったのだけれど。

2010年2月13日、SHIBUYA-AX。記念すべきこの夜、この場所にacid androidはたしかに立っていた。チケット発売即日ソールド・アウト、フロアを埋め尽くした1500人の前に。誰もが待ちわびた確信を連れて。

4人になってアンサンブルはいっそう殺傷力を増した。過剰なものはとことん過剰で、無駄なものは一切合切削ぎ落とされて。ハードかつエッジィ。不敵で不遜な無二性は相も変わらず、どころか、さらに孤高を極める勢いで、なのになぜこんなにも巻き込まれてしまうのか。冷たい熱と唯我の怒濤が渾然一体としてオーディエンスを煽る。近く2月28日の大阪BIG CATでの<#2>が控えているため、ここで詳細は明かさない。だが、何より新曲が群を抜いてすごいとだけは書き置きたい。曲数が増えてなおyukihiroの、acid androidの、目指す先がクリアにソリッドに伝わってくる。まだ彼が見せていなかった本質がそこにある、そんな気がしてならなかった。

5月13日・赤坂BLITZ、同月19日・大阪なんばHatchにてそれぞれ<#3>、<#4>が開催されることも告知された。acid androidの本領、その核心は今こそ目撃されるべきだ。

文●本間夕子
写真●三島タカユキ

<#2>
2月28日(日)大阪BIG CAT(SOLD OUT)

<♯3>
5月13日(木)赤坂BLITZ
OPEN/START 18:00/19:00
チケット:1F立見/2F指定・ドリンク代別 ¥6,000
一般発売:2010年4月3日(土) *未就学児童入場不可
(問)キョードー東京 03-3498-9999
http://kyodotokyo.com/

<♯4>
5月19日(水)なんばHatch
OPEN/START 18:00/19:00
チケット:1F立見/2F指定・ドリンク代別 ¥6,000
一般発売:2010年4月3日(土) *未就学児童入場不可
(問)キョードー大阪 06-7732-8888
http://www.kyodo-osaka.co.jp/

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