鈴木祥子、時を越え昭和歌謡を熱唱

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2010年2月28日、2月最後の日。南青山MANDALAで行なわれた『The Pianist&me』の第2夜。ピアニスト、ライオン・メリィ氏を迎えてのライブだ。

ライブは2部構成で行なわれ、1部ではオリジナル曲とカバー曲、2部では昭和20年代から40年代にかけての昭和歌謡が歌われた。

19時過ぎ、肩周りが広く開いたカットソーに、ロングスカートの鈴木祥子が登場。ウォーリッツァーで「本当は哀しい関係」。そしてピアノに移動。私の席からはピアノに座った彼女の後ろ姿が見える。「この愛を」に続き久しぶりに歌う「イケナイコトカイ」。後ろ姿を見ていると、肩胛骨がまるで天使の羽のように時々キュっと動くのが印象的だ。特に「イケナイコトカイ」では、鬱積した熱情がこぼれるような感覚を覚える。

彼女のライブは、ハコごとにいろんな顔を見せる。12月の超アクティブなライブとは違い、大人(?)、色気(?)そんな様相がある。

続いては、ライオン・メリィ氏のアコーディオンを借りての演奏。ライオン・メリィ氏と鈴木祥子は、共に獅子座のB型という話題にも。ライオン・メリィ氏の作品である「12階の一番奥」。そして新曲「Is my love wrong?(仮)」。“私の愛は間違ってる?”と自問自答するような歌い方が、なんとも彼女らしい。

あっという間に一部が終わり、休憩を挟む。

髪がアップにされ、赤い花飾り、花柄のロングスカートに黒のタンクトップ。これは昭和の匂い!?ここからは、昭和歌謡だ。1曲目は、歌謡曲をテーマにして書いたというオリジナル曲「いつかまた逢う日まで」。そのあとに披露されたのは、昭和の女性歌手の歌たち。渡辺はま子さん、美空ひばりさん、高峰三枝子さん、二葉あき子さん、江利チエミさん、弘田三枝子さん。かわいらしい曲もあり、アダルトな曲もあり。平成のライブハウスが、昭和の歌声喫茶にタイムスリップをしたよう。

戦争が終わり、自由に歌を歌えるようになった時代の華やかなる世界。今よりもっと生きることに必死だった人たちを支えただろう歌。時を越え、色褪せることがない楽曲に、昭和生まれの自分が誇らしくなる。

そして、気づけばアンコール。ざっくり編みのセーターにジーンズ。再び髪を下ろして、カジュアルな彼女が登場。“40代と30代は違う”と語りつつ「まだ30代の女」。ラストは、ドラムに移動し、ライブ当日に発売されたSHIBUYA-AXでのライブ盤にも収められている「Rock and Roll」を熱唱。

今日も、鈴木祥子は自由だった。新しいものを見つけ、果敢にチャレンジする姿を美しいと思った。そんな姿に力をもらった。

『SYOKO SUZUKI WITH JACK-TATI & SHINOBU KAWAI Live At The SHIBUYA-AX』
2010年2月28日発売
BECD-003 ¥2,500(税込)
※BEARFOREST RECORDS Presents鈴木祥子オフィシャル・ブートレッグ・シリーズ第1弾
※限定1,000枚プレス
1.Rock and Roll~HAPPINESS?
2.月とSNAPSHOTS
3.きのう夢の中で
4.Sulky Cat Strut
5.恋のショットガン(懲りないふたり)
6.エコロジーバッグ
7.苦しい恋
8.夜の中へ 
9.きみの赤いシャツが
10.TRUE ROMANCE
11.海辺とラジオ
12.Angel
13.GOOD OLD DUSTY ROAD

◆鈴木祥子オフィシャルサイト
[寄稿] 伊藤 緑:http://www.midoriito.jp/
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