【D.W.ニコルズ・健太の『だからオリ盤が好き!』】 第2回「いとしのレイラ様」

ポスト

D.W.ニコルズの鈴木健太です。

「だからオリ盤が好き!」第2回目。前回は初めましてということで、オリジナル盤=“オリ盤”とは何か、僕がなぜオリ盤を集めるようになったか、などについて書きましたが、今回からはいよいよ、僕のお気に入りのオリ盤について色々と語っていきたいと思います。

今回取り上げるのは、ロック史に燦然と輝き続ける大名盤、DEREK AND THE DOMINOSの『LAYLA and other assorted love songs』(邦題:いとしのレイラ)です。


Eric Clapton、Duane Allmanという2つの才能の出会いにより起こったマジック。それが余すところなく詰め込まれた、1970年発表のLP2枚組。南部臭漂う、ロック・アルバムの金字塔。僕は高校生のときに、CDで初めてこのアルバムを聴きました。ふたりの競演と楽曲のよさに心を奪われ、僕の大好きなアルバムのひとつとなり、もう数え切れないほど聴いてきました。

それだけに、初めてこの『LAYLA』のオリジナル盤を手に入れ、聴いたときの衝撃はとても大きなものでした。ひとつひとつの楽器の存在感が全然違う。それぞれの音にしっかりとした意思が感じられるのです。CDでペケペケだと思っていたギターの音も、オリ盤では太く、ふくよかで、張りがあり、芯がある。そして、粘る。粘るといえば、一番の衝撃だったといっても過言ではないのが、リズム隊の粘り。これは本当に凄くて、リズム隊だけを聴いていてもまったく飽きないほど。Carl RadleとJim Gordon。この名コンビは色々なアルバムに参加していますが、僕の知る限りではこのアルバムでの演奏がズバ抜けていると思います。

EricとDuaneに触発された腕利きミュージシャン達のスリリングかつ躍動感に溢れる演奏。すべてが一体となった、うねり。それはCDの平坦な音ではなかなか伝わってこなかった部分で、このアルバムの本当の魅力のひとつでした。
この記事をポスト

この記事の関連情報