Singer Song Writer 9 Standard 特集

充実のアレンジ機能で多彩なジャンルの伴奏を一瞬で完成 音楽の経験のないユーザーでも超簡単に楽曲ができる

パソコンはいまや音楽制作に欠かせないツールの1つ。楽器を買うよりも先に、パソコンで曲づくりを手軽に始めようという人も増えている。その際に重要なのが音楽制作ソフトの選択だ。音楽制作ソフトはいずれも多機能だが、ソフトによってはやはり楽器の経験や知識が必要だったり、自分がイメージしたような曲としてカタチになるまでの作業が多すぎて挫折してしまうケースも多い。しかし、インターネット社の「Singer Song Writer」(以下、SSW9)ならそんな心配は無用。「Singer Song Writer」は、オーディオ&MIDIのレコーディング・編集、ソフトウェアシンセサイザーなどの機能を備えたいわゆるDAWソフトだが、ほかのDAWと比べて際立った特徴を持っている。経験のないユーザーでもさまざまなジャンルの楽曲が「手早くカタチになる」、それが「Singer Song Writer」。初心者はもちろん、バンドマンやアレンジを勉強したいという人にもオススメの機能が揃っている。

本特集ではシンガーソングライターのタイナカ サチさんを迎えて「Singer Song Writer」の魅力に迫る。ボーカル&コーラス+ピアノによる伴奏まではこなせるが、本格的なアレンジは未経験、というサチさんがどんな感想を持つかもお楽しみに!


こんな人におススメ

1.楽器ができないけど曲作りをしたい
2.自作映像・投稿用動画のBGMが作りたい
3.ボーカロイドを極めたい
4.バンド用オリジナル曲のデモを作りたい
5.楽器練習のバッキングトラックが欲しい
6.歌がうまくなりたいからカラオケが欲しい
7.音の出る楽譜が欲しい
8.メロディは思いつくんだけど……

SSW9が持つ際立った特徴

・とにかく手早く曲の形ができる
  →多彩なジャンルの伴奏を一瞬で!充実のアレンジ機能
・楽器が弾けなくてもOK
  →鼻歌でメロディ入力、コードはコード名で入力
・MIDIデータ入力がやりやすい
  →譜面入力ほか各種エディタを用意、譜面のデータ化に威力を発揮
・楽器特有の演奏表現もカンタンに実現
  →MIDIプラグインで演奏情報に繊細かつ豊かな表現力

Singer Song Writerラインナップ

「Singer Song Writer」の最新バージョン9には「Standard」と「Professional」のラインナップがある。本特集では「Standard」を使用。上位版「Professional」は、「Standard」の全機能に加え多くのプラグイン(シンセ、エフェクト)をはじめ、同時使用可能なプラグイン数の増加、より柔軟なトラック構成などさらなる機能を追加したものとなっている。おもなものとして、トラック構成では、トラックのグループ化・フォルダー化/バーチャルトラック/INPUTトラックのINSERTIONエフェクト/各トラックのINSERTIONエフェクトおよびSEND数が4から8へ増加/ミキサーパネル数1から4へ増加/VSTi使用可能数8から64へ増加など。付属プラグインではエフェクトがSonnox EQ/Sonnox Limiter/Sonnox Reverb、インストゥルメントはLinPlug RM V/LinPlug OCTOPUS/Roland Hyper Canvasが追加されている。

・Singer Song Writer 9 Standard
 価格:オープン(店頭予想価格 32,000円)
・Singer Song Writer 9 Standard アカデミック
 価格:オープン(店頭予想価格 25,600円円)
・Singer Song Writer 9 Standard -First Studio Pack -
 ※TASCAM US-144 MK IIを同梱
 価格:オープン(店頭予想価格 39,800円)
・Singer Song Writer 9 Professional
 価格:オープン(店頭予想価格 65,000円)
・Singer Song Writer 9 Professional アカデミック
 価格:オープン(店頭予想価格 52,000円)
・Singer Song Writer 9 Professional -First Studio Pack -
 ※TASCAM US-144 MK IIを同梱
 価格:オープン(店頭予想価格 69,800円)
 

コード進行を入力するだけで多彩なジャンルの曲が作れる

曲づくりの第一歩はコード進行の組み立てから、という人は多いはず。ギターやキーボードを弾きながら作ったコード進行をメモする感覚で入力。あとは内蔵されたアレンジデータを貼り付けていくだけで、さまざまなジャンルの伴奏が作れるのが「Singer Song Writer」最大の特徴だ。コード進行さえ決まってしまえば、自分が弾けない楽器のパートも含め、あらゆるジャンルの伴奏がすぐにスタンバイできるというわけだ。

曲構成全体が見渡せるソングエディタのChord位置でコード入力。ダブルクリックしてテキスト入力の要領でコード名を入力。拍単位でも入力可能。
コード名入力ツールも使用可能。ルート、ベース、コードタイプ、テンションなどを個々に指定可能。

コードはメジャー/マイナーはもちろん7th/aug/sus4/dim/add9などが指定可能。さらには分数コードや9/11/13といったテンションも指定できるようになっている。ユーザーの指定に合わせてアレンジデータの構成音が自在に変わるのは、アレンジデータがオーディオデータではなく演奏情報であるMIDIデータで構成されているから。オーディオデータを並べていくだけのソフトではとても真似のできない芸当だ。

アレンジデータは、なんと60ジャンル、6,500パターン。これらを試聴するだけでも楽しめるし、データの内容を見れば演奏表現の勉強にもなるはずだ。ベーシックなロック、バラードから、往年のヒット曲を髣髴とさせる思わずニヤリとさせられるようなパターンや最新のR&B・ダンスミュージックまでほとんどのジャンルがカバーされている。1つのコード進行を、カンタンな操作でさまざまなジャンルのアレンジで聞き比べられるのは、ほかのソフトでは味わえないもの。また、伴奏がここまでできてしまえば、オリジナル曲の完成は目前といったところだ。

<アレンジデータ数>

60ジャンル/6500パターン

<おもなジャンル>

ハードロック/ヘビーメタル/ロックバラード/ファンク/ロックシャッフル/ロック8ビート/ロック16 ビート/ヒップホップ/ジャングル/ユーロビート/テクノ/ラップ/ハウス/ジャズトリオ/ ニューエイジ/フュージョン/レゲエ/バラード/カントリー&ウェスタン/演歌/ジャズ/ラテン/トラッド/シャッフル/ニューミュージック/オーケストラ/ベーシック ほか

コード進行が決まったらアレンジパネルからアレンジデータをドラッグ&ドロップで入力していく。Windowsのエクスプローラのようなフォルダを開けば各ジャンルごとのアレンジデータのファイルが見える。
ファイル名のダブルクリックで各パートの内容を表示。任意のパートのON/OFFも可能。右側に表示されるアレンジデータの譜面(スコアビュー)。

アレンジパネルから貼り付けたい小節をクリック(またはドラッグで範囲指定)して、画面上のソングパネルにドラッグ&ドロップする。アレンジデータはそれぞれ独自のコードを持っており、「パターン&コード」「パターンのみ」のいずれかを選んで貼り付けていく。自分でコード進行を入力したなら「パターンのみ」で。
アレンジデータは「スコアを折り曲げ表示する」ボタンで、より多くの小節が一覧できるようになる。アレンジの確認は音だけでOKならこっちが便利。

各アレンジデータは、曲の流れに合わせてIntro/Vari-A/Vari-B/Endingから選択することになる(アレンジデータによって各小節数は異なるが、多くは8小節単位)。パートとしては、ドラム、ベース、その他(ギターやピアノ、ホーンなど)×3の計5パートで構成される。

自分で作ったコード進行に合わせて、曲の頭はIntroを4小節、AメロはVari-Aを2回繰り返し、サビはVari-Bを使用。サビ直前はあえてパート数を減らす(ピアノだけ)、Vari-AのドラムだけVari-Bのものに差し替える、といったことでさらにバリエーションを広げられるのもポイントだ。

オーディオサンプル
タイナカ サチ アレンジ機能をチェック!

タイナカ サチさんにSinger Song Writerで最初に試してもらったのがこのアレンジ機能。MIDIキーボードでSinger Song Writer付属のソフトシンセによるピアノ音色を鳴らしながら、即興でコード進行を作成、メモ。これにアレンジデータをはめこみながら試聴してもらった(掲載オーディオサンプルはこの際に作成したコード進行から生成したもの)。さまざまなジャンルのアレンジが即座にできあがるのに、サチさんは驚きつつも感激した様子。気になるコメントはビデオで。



オーディオ&MIDIフレーズでよりリアルなサウンドも
オーディオ、MIDI多数のフレーズの選択が可能なフレーズパネルでは、ジャンルや楽器での絞り込みも可能。ガイド代わりのリズムパートはこれを利用するのがてっとりばやい。フィルやソロにも。

フレーズパネルから選択・貼り付けできる、MIDIフレーズデータ/オーディオループデータも伴奏作成の強い味方。5パートがセットになったアレンジデータと異なり、単楽器のパート演奏を収録したデータで、ソロ演奏やオブリガート、リズム楽器やフィルインなど、一味足したい時に重宝する。およそ65ジャンル・6,000種類とこちらも膨大な数が揃っている。

MIDIフレーズは、アレンジデータと同様、作成中の楽曲で指定したコードのタイプやオンベース、テンションを反映したうえで展開される。一方、オーディオループは指定したコードのルート(C/D/E/F/G/A/B)に合わせピッチシフト、テンポにあわせタイムストレッチ/エクスパンドされる。オーディオはコードタイプやテンションの変更はできないわけだが、MIDIデータの入力では表現がむずかしいものなど、リアルなサウンドが多数揃っている。適材適所うまく使い分けたい。


オーディオサンプル

<記事有効期限:2010.9.3~2010.9.16>
原稿:高松靖博 撮影:藤井慎