BUMP OF CHICKEN、感性や記憶を刺激し寄り添う「宇宙飛行士への手紙 / モーターサイクル」大特集

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BUMP OF CHICKEN 「宇宙飛行士への手紙 / モーターサイクル」2010.10.13 Release

感性や記憶を刺激し寄り添う リスナーが自らの思いや物語を投影できる “親密な普遍性”を宿した歌の完成形

INTERVIEW

――3人が最初にこの曲のデモを聴いたときの感想は?

直井由文:さっき藤くんが話していた、バンド4人で過去と向き合っていけることの喜びは、メンバーそれぞれが同じように感じていることで。そんなときにこの曲が上がってきたので、いろいろな記憶が鮮明に蘇りましたよね。リスナーのみなさんにも自分の曲のように聴いてもらえれば最高ですね。

升秀夫:スッと自分のなかに入ってくる感じがありました。僕ら4人が共有している記憶が多いからそういう現象が起きるんだと思うし。でも、(藤原が書く曲は)いつもそうだけど、いろいろな人にも届く普遍性がこの曲にもあると思います。

増川弘明:こういう曲を4人で鳴らすことができること、それをリスナーに届けることができることがすごく幸せです。

――「モーターサイクル」は、シニカルな視線や感情が、変則的なビートともに疾走していく。BUMP OF CHICKENというロック・バンドのクリエイティヴィティが、ダイナミックに、キャッチーに響いてきます。

藤原:この曲は2009年の4月に『魔法の料理~君から君へ~』が書けて、それから1週間もしないうちに書けた曲なんです。なので、さきほどお話した、新しい曲作りのやり方を始める前に書いた曲なんですね。ずっと『魔法の料理~君から君へ~』の濃厚な匂いのなかにいた時期だったんですけど、一気に切り替わってそのときに思っていたことがポロポロと出てきて曲になったんだと思います。この曲の歌詞に関しては、特にあれこれ言えないなぁという気持ちが大きいですね。

――3人はどうですか?

直井:デモを聴いてすぐにもう、カッコよすぎるだろうと。まずドラムを聴いてもリズムの頭がどこにあるかよくわからないし、和音もよくわからないし、それでいてメロがしっかりしている点もよくわからない(笑)。そういう意味でも衝撃を受けたし、早く音を鳴らしたいと思いました。

升:僕も初めて聴いたときは“カッコいいな!”のひとことでしたね。しばらくしてから“あ、このドラム、俺が叩くのか!”と(笑)。

全員:(笑)。

升:でも、これを生で叩けたら絶対カッコいい曲になるなってデモの段階で確信しましたね。

――レコーディングも苦労した?

升:そうですね。やっぱり理解するのに時間がかかりました。でも、一度理解するとメロディアスなビートなんですよ。

直井:キャッチーなんだよね。

升:うん。ただ変則的というよりは、唄えるビートだなって。ライヴで演ったら僕らもお客さんも盛り上がれる曲だなと思います。

――増川さんはどうですか?

増川:ふたりが言うようにとにかくカッコいい曲だし、早く音を鳴らしたいと思いましたね。かなり難しい曲ですけど、それだけにやりがいのある曲です。デモと最終的な音源の形はあまり変わってなくて。リフとかも含めてデモの段階からあったものをそのまま採用しているんですね。デモを聴いて“カッコいいな、よし、やってみるか”って耳コピして、そのあとスタジオで藤くんを除いた3人で合わせる機会があって。そしたらまったくできなかった(笑)。なぜかというと、この曲って歌がないと自分がどこを弾いているかわからなくなるんですよ。

藤原:なるほどね(笑)。

増川:だからこそ、すごく挑戦しがいのある曲です。

――アルバムに向けて制作は順調に進んでいますか?

藤原:はい。順調にいままで書き続けてきた曲をレコーディングしています。その合間に新しい曲も書いています。僕らとしては、早くみなさんに届けたい気持ちでいっぱいです。

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