DIR EN GREY、衝撃が衝撃を呼ぶ秋季ツアーを薫が語る独占緊急インタビュー<前編>

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DIR EN GREYにとって今年2度目となる国内ツアー<THE UNWAVERING FACT OF TOMORROW TOUR2010>が快調な滑り出しをみせている。しかも、その衝撃度も半端ではない。ツアー初日、10月15日の東京・品川ステラボール公演(FC限定ライヴ)では、いまや熱心なファンですら瞬時にその曲だとは判別できないかもしれない「Unknown…Despair…a Lost」(インディーズ時代最初のシングル、「JEALOUS」のカップリング収録曲/1998年発表)が飛び出し、さらにその翌日、さいたまスーパーアリーナで行なわれた<LOUD PARK 10>のステージでは、4年前に同フェスに初登場した際とはまるで種類の異なる熱狂を作りあげてみせた。そんな刺激的ツアーが各地を侵攻しつつあるなか、薫が緊急インタビューに応じてくれることになった。“ツアー序盤の声”を<前編/後編>の2度に分け、まだまだ熱いうちにたっぷりとお届けしよう。

◆DIR EN GREY、衝撃が衝撃を呼ぶ秋季ツアーを薫が語る~画像~

――ツアー初日から、選曲面などで驚きの連続でした。

薫:ただ極端に古い曲がいくつかあるというだけのことではあるんですけどね(笑)。実際、いつもリハーサルの前に各自が“やりたい曲”のリストを出して、そこから選んだ曲について改めて5人で合わせてみたときに、今の自分たちとして、しっくり来るかどうかで決めているんです。もちろんなかには違和感をおぼえる曲というのもあるわけですけど。

――サウンドの質感とか傾向以上に、その曲の姿勢のようなものに現在と重なるものがあるかどうか。そういうことですよね?

薫:そうですね。曲を作るときの具体的なイメージの膨らませ方というのは今と昔とではかなり違ってきてますけど、「自分たちにしかやれないもの」とか「うまく言葉では説明できないけども、とにかくカッコいいと思えるもの」を求めているという意味では、昔も今も同じことだし。それに、過去の曲を過去の形のまま再現しようとしてるわけじゃないですからね。今の自分たちがやっていること、これからやろうとしていることを踏まえながら、それでも外れていないと思える状態で演奏しているわけで。あと、海外での経験によって古い曲を演奏することへの抵抗がなくなってきた、というのも実はあるんです。

――どういうことでしょう?

薫:アメリカとかヨーロッパの場合、なかにはどんな時代の曲でも知り尽くしているようなファンもいますけど、オーディエンスの大多数はやっぱり『Withering to death.』(2005年発表)以降に俺らのことを知ってくれた人たちなわけですよ。そこでそれ以前の曲を演奏すると、最初のうちは耳に憶えのない曲にみんな戸惑っているんだけど、徐々にその曲自体に反応してきて、なかには暴れ始める人も出てくる。そういった純粋な反応をステージの上から見ているうちに、昔の曲を演奏することへの抵抗が軽減されてきたというか。

――なるほど。加えて今回のツアーでは、「OBSCURE」(2003年発表のアルバム『VULGAR』収録曲)がまったく新しいヴァージョンにリニューアルされていたりもしますよね? 6~7月に行なわれた前回の国内ツアーや先頃の北米ツアーの際、この曲はかつての形のまま演奏されていたのに、今回からいきなり変わっていて。そこにも非常に驚かされました。

薫:「OBSCURE」については新たにアレンジし直して、みんなで一から作り直して。実を言うと、この新しいヴァージョンでの録音も済ませているんですよ。それをいつ頃、どんな形で聴いてもらうことになるかは、まだわからないんですけど。もっと言うと、あの曲を録り直そうというのは、去年の段階で決めていたことでもあるんです。それから徐々に少しずつ変わってきて、今回のようなアレンジに辿り着いて……。

――水面下でそんなことが進んでいたとは。ところで今回は、そのツアー初日の公演翌日に4年ぶりの<LOUD PARK 10>参戦を果たしていたりもするわけですが、ステージ上での感触というのはどんなものでしたか?

薫:こんな言い方をすると誤解されるかもしれませんけど、なんだか思いのほか、あたたかく感じられたんですよね。正直に言うと、やっぱり4年前に<LOUD PARK 06>で幕張メッセのステージに立ったときの感覚とか、LINKIN PARKのさいたまスーパーアリーナ公演に出演させてもらったときの印象というのがすごく残っていて、ステージに上がる前はちょっとカタくなっていたんですよ。ステージの袖で待機しているときから歓声がすごくて「どうしたんだ?」と思ったけども、それでも「いや、まだ実際に演奏し始めるまではわからないぞ」と思っていたくらいで(笑)。

◆インタビュー 次ページに続く
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