眺める、さする、匂いをかぐ(?)…ジャズ専門誌「JAZZ PERSPECTIVE」登場

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ジャズ・ファンにとって朗報だ。ジャズ専門誌「JAZZ PERSPECTIVE」が株式会社ディスクユニオンから11月24日に創刊となる。趣味人の持つコレクター気質を心地よくくすぐる「眺める、さする、匂いをかぐ(?)」といった桃源郷の世界が、オーディエンスに至極のときを味あわせてくれる、そんな雑誌になるようだ。

◆JAZZ PERSPECTIVE表紙画像

下記は、編集長からのメッセージ。是非ご注目を。

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創刊の辞

今から100年以上も前、宮武外骨という人物がいた。『頓智協会雑誌』、『滑稽新聞』、『スコブル』、『早晩廃刊雑誌』などという新聞、雑誌を発行した。多くはパロディー精神に満ち溢れ、発禁となるものもあったようだ。西欧諸国との対面という状況下に於いて、宮武は実に自由闊達に多くのものを生み出した。生涯に発刊した雑誌、新聞、美術書は1,000点を超える。

今、書籍の電子化とかいうテクノロジーの波がやってきて、紙の本がなくなると叫ばれている。本当にそうだろうか。紙でしか味わえないものってあるのではないか。外骨は、明治、大正の絵葉書コレクターでもあった。その数30万。それらをあらゆるテーマに分類、整理、編集し数百冊のアルバムにした。興味のない人にとっては無意味なものを、体力と気力と精神力でコレクトした。或る意味コレクターの原点な人でもあった。

ジャズという領域にも、そんな部分が結構あるんじゃないか。EP(Extended Play)を収集していくと、販売促進用のアイテムも欲しくなり、スウェーデンのポテトチップス会社がかつて販促用に配った、モニカ・ゼタールンドのソノシートにまで手を出す、とか。チェット・ベイカーのジャケットに感化されて、写真家ウィリアム・クラクストンにのめり込んでしまうとか。倉橋由美子の『暗い旅』を読んでいて、オーネット・コールマンに興味を持つ、とか。

ジャズの周辺には、どんどん些細な対象へと繋がる興味の連鎖がある。それを理解できるのは、ジャズを解する人の「特権」だと思っている。そんな、こんなを紙の束である本という物体を通して、眺める、さする、匂いをかぐ(?)、などという行為を、提供していきたいとこの本は考えている。

そういうジャズへの興味、醍醐味ってものを、この本では大事に取り扱いたいと考えている訳です。ひとつご期待ください。

JAZZ PERSPECTIVE 編集長 山本隆

JAZZ PERSPECTIVE
【創刊】2010年11月24日
【体裁】B5判/132頁
【発行】年2回刊
【定価】1,000円(税込)
【発行部数】3,000部
【販売】全国ジャズレコード店/amazon/一部書店
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