ドイツ音楽の神髄を表す指揮者、フルトヴェングラー

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2011年はフルトヴェングラーの生誕125周年となるアニバーサリー・イヤーだ。死去後56年を経過した今もなお、その音楽を求めるファンは世界中に広まっている。

アニバーサリーを記念し、アビイ・ロード・スタジオのエンジニアによるオリジナル素材からの最新リマスター音源を使用したベスト・オブ・フルトヴェングラー『永遠のフルトヴェングラー』がリリースされた。

フルトヴェングラーをリスペクトする音楽家は、現役指揮者にもサイモン・ラトル、ダニエル・バレンボイム、ダニエル・ハーディング…と枚挙にいとまがないが、『永遠のフルトヴェングラー』リリースに際し、坂本龍一からコメントが寄せられている。

「子供のときにフルトヴェングラー指揮のベートーヴェン交響曲第5番と第7番を好きでよく聴いていたのですが、子供心にテンポが独特で、良い意味でひっかかりを感じてました。それから随分後になってフルトヴェングラーの指揮している映像を見て、背の高く、姿勢のよい、あの独特の立ち姿に強い存在感を覚えました。たくさんのすばらしい指揮者がいると思いますが、フルトヴェングラーは、どこか特別なんですね。存在としては、ドイツ文学の神髄を表すゲーテのように、ドイツ音楽の神髄を表す指揮者と言ってもいいでしょう。そのような存在だと思います。」──坂本龍一

CDブックレットには、上記コメントが特別掲載されているほか、その生涯がわかるライナーノーツや各曲解説、「第九」の歌詞対訳を収録。『永遠のフルトヴェングラー』は、改めて巨匠フルトヴェングラーがクラシック界に遺した名演を辿るファン必携のアルバムだ。もちろん名演揃いゆえに、初めてフルトヴェングラーに触れる人にとってもお薦めできる決定盤でもある。

『永遠のフルトヴェングラー』
2011年1月19日発売
TOCE-56377 2枚組 2,000円(税込)
CD1
1.ワーグナー:「ワルキューレの騎行」 / ウィーン・フィル(1949年録音)
2.ワーグナー:「タンホイザー」序曲 / ウィーン・フィル(1952年録音)
3.ワーグナー:「ニュルンベルクのマイスタージンガー」第1幕への前奏曲 / ウィーン・フィル(1949年録音)
4.ワーグナー:「トリスタンとイゾルデ」愛の死 / ベルリン・フィル(1938年録音)
5.J. シュトラウスII:皇帝円舞曲 / ウィーン・フィル(1950年録音)
6.ヨーゼフ・シュトラウス:ピッチカート・ポルカ / ウィーン・フィル(1950年録音)
7.ウェーバー:「魔弾の射手」序曲 / ウィーン・フィル(1954年録音)
8.スメタナ:交響詩「わが祖国」よりモルダウ / ウィーン・フィル(1951年録音)
CD2
1.モーツァルト:交響曲第40番第1楽章 / ウィーン・フィル(1949年録音)
2.ブラームス:交響曲第3番第3楽章 / ベルリン・フィル(1949年録音)
3.ブラームス:交響曲第4番第1楽章 / ベルリン・フィル(1948年録音)
4.ベートーヴェン:交響曲第3番「英雄」第4楽章 / ウィーン・フィル(1952年録音)
5.ベートーヴェン:交響曲第5番「運命」第1楽章 / ウィーン・フィル(1954年録音)
6.ベートーヴェン:交響曲第7番第4楽章 / ウィーン・フィル(1950年録音)
7.ベートーヴェン:交響曲第9番「合唱」第4楽章「歓喜の歌」 / バイロイト祝祭管弦楽団、エリザベート・シュワルツコップ他(1951年録音)

◆フルトヴェングラー生誕125周年記念サイト

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