中国で日本語のアニソンが大合唱、<アニサマ>上海公演開催

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日本が世界に誇るアニソン・シンガーたちが一堂に会する音楽フェス<Animelo Summer Live>(以下<アニサマ>)の海外版<Anisama in Shanghai -Only One->が上海で開催された。

2011年で7回目の開催を数える<アニサマ>の、初めてとなる海外公演。海外事情などの関係で、開催までに紆余曲折あった上での公演開催ということもあり、会場には<アニサマ>を待ちわびた上海のアニソンファンたち約8000人が集結した。

イベントは、日本の伝統芸能である太鼓の激しい演舞からスタート。その太鼓とコラボレーションする形で、JAM Projectが「VICTORY」を披露する。会場が一気に沸騰したような熱気に包まれると、JAM Projectのリーダー・影山ヒロノブによる「聖闘士神話(ソルジャードリーム)」へ。会場はいきなり大合唱となった。

次は女性アニソン・シンガーの新星、飛蘭の登場。小柄な体ながら、激しく情熱的なヴォーカルで会場を魅了する。石田燿子は往年の名曲「乙女のポリシー」で会場を柔らかく包み込み、きただにひろしはお馴染み『ONE PIECE』の主題歌「ウィーアー!」でオーディエンスをひとつにまとめ上げる。福山芳樹は「真赤な誓い」で絶唱。続くKimeruは、海外で高い人気を誇るアニメ『テニスの王子様』の主題歌を会場の黄色い声援の中、歌い上げた。

そして今回、驚くほど大きな歓声を生み出していたのが、初音ミクだ。日本が生んだ超人気ヴャーチャル・アイドルのステージで、オーディエンスは完全に“みっくみく”にされてしまった。

続いて登場したのは、超人気声優陣で結成された、おれパラ。岩田光央、小野大輔、鈴村健一、森久保祥太郎による「おれパラップ」で絶妙な一体感を見せると、続けて森久保祥太郎のワイルドな魅力がほとばしるソロパートへ。小野大輔は清涼感に溢れるセクシーなパフォーマンスでダンスとラップを披露すると、会場からは「小野D」の声援が飛び交うほど、圧倒的な人気を誇っていた。鈴村健一はエレクトロポップ・サウンドに乗せて、満面の笑みを上海のファンにお届け。岩田光央はパンキッシュなパフォーマンスでオーディエンスを沸かせつつ、MCでは温かく迎え入れてくれた上海のファンに感謝の気持ちを伝える。おれパラとオーディエンスによる、言葉を超えて繰り返されるコール&レスポンスは、上海での男性声優人気のすごさを目の当たりにできたと同時に、アニメ、アニソンという日本が誇るべき文化が世界を魅了していることを改めて認識させられた。

ドラァグクイーンを引き連れた、デカダンスなステージ。そう、ALI PROJECTの登場だ。背徳感に満ちた映像と相まって、その衝撃度はかなりのもの。上海のアニソンファンは始めての経験に胸を躍らせていたようだ。退廃的なステージのあとには、栗林みな実が姿をみせる。栗の子は、「Precious Memories」や「Shining☆Days」等、上海でも知名度の高いアニソン・アンセムを披露し、そして<アニサマ>恒例のコラボレーションへ。最初に奥井雅美を招き入れると、代表曲「翼はPleasure line」をふたりで熱唱。会場は揺れるような盛り上がりを見せる。さらに、飛蘭、石田燿子とともに、全世界的に人気のアニソン楽曲のひとつ『新世紀エヴァンゲリオン』の主題歌「残酷な天使のテーゼ」を披露。4人の歌声の上に、会場から大合唱が重なる。

奥井雅美は自身の代表曲「輪舞-revolution-」で、堂々と貫禄のパフォーマンスを見せつけ、“アニソン界の勇者王”こと遠藤正明は「勇者王誕生」。熱唱を超えた“爆唱”で会場全体揺らすと、コール&レスポンスでオーディエンスを圧倒した。喉を枯らすほどの絶叫で応えるオーディエンスに間髪を与えず、影山ヒロノブ。世界が欲している影山ヒロノブのナンバーといえば、「CHA-LA HEAD-CHA-LA」。会場はSparkingだ。

さらに、「俺の歌を聴けー!」の掛け声と共にステージに躍り出たのは、“熱気バサラ”こと福山芳樹。そして「私の歌を聴けー!」で登場したのは、『マクロスF』の歌姫・シェリル=ノームことMay'nだ。ふたりは「突撃ラブハート」をデュエットで歌い上げた。

日本と同様、もしくはそれ以上かと錯覚するほどに巻き起こるMay'nコールの中で披露された「ダイアモンド・クレバス」では、オーディエンスの歓声が歌声に変わり、大合唱に。壮大なサウンド、メロディーとあいまって、感動的な光景が眼前に広がる。流暢な中国語でMCをこなし、ステージ上を縦横無尽に駆け回るMay'nの姿に、アニソンの未来を重ねたファンもいたはずだ。

そして最後に登場したのは、やはりこのアニソンのために集まった5人、JAM Projectだ。「TRANSFORMERS EVO.」、「レスキューファイヤー」では、塊のようにぶつかってくるJAMの歌声に、それを打ち返すオーディエンス。灼熱のコール&レスポンスが展開される。JAMの5人は中国語でMCを行ない、さらに上海万博のテーマソングにもなった「Only One」を中国語でパフォーマンス。そして「GONG~SKILL」の重厚なメドレーを聴かせた。恒例の「MOTTO! MOTTO!」のコール&レスポンスでは、出演者全員をステージに呼び入れ、よりダイナミックさを増大させた。爆発的なテンションで、最後の最後まで盛り上げ続けたJAMと出演者たちの勇姿は、中国のアニソンファンの目にしっかりと焼きついたことだろう。

そして、鳴り止まないアンコールに応え、再びステージ上に集まるアニサマ出演者たち。ひとりひとりが上海のオーディエンスに感謝の言葉を口にする。そして影山ヒロノブは、「アニソンの力で、中国と日本がもっと仲良くなれるように」というメッセージを発信した。

アンコール最後の曲として歌われたのは、日本語での「Only One」。“国境を越えて、言語を越えて、価値観を超えて、お互いを認め合い、尊重しあう世界が来ることを願おう”という想いが込められたこの曲を、会場にいる皆で大合唱したのは、あまりにも感動的な光景だった。

中国・上海における日本のアニソンの大合唱。これは、現代日本が誇るべき音楽文化・アニソンのシーンを支えてきた<アニサマ>が、世界へと羽ばたいた瞬間だ。

(C)アニサマ上海実行委員会
◆Anisama in Shanghai -Only One- オフィシャルサイト
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