Hundred Percent Free、前代未聞の全100種類ジャケットで登場1stフルアルバム『JET!JET!!JET!!!』特集

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Hundred Percent FreeHundred Percent Free

1stフルアルバム『JET!JET!!JET!!!』(ジェット) 2011.04.06リリース

INTERVIEW

――フルアルバムは自分たちのことを一番わかってもらえるものだとも思うんですが、この作品ができるまでの間には、メジャーデビュー直前にベーシストが脱退して音楽性を再び模索したり、バンドとしてのドラマもありましたよね。制作しながら、アルバムに対しての思いも変わっていったんじゃないかと思うんですが、どうでしたか?

SIG:僕たちが音楽を作っていくコンセプトは、自分たちの等身大を出すということなんですね。自分たちが夢を追いかけている姿や、その中での出会いと別れっていうか。そういう部分を大事にしてきたので、それが詰まったという感じです。始めからアルバムが見えていたわけではなくて、シングルを切るタイミング、タイミングで自分たちのコンセプトがあって。もっと言うと、インディーズの頃の曲も入っている。いつかはアルバムを出すんだろうとは思っていましたけど、たどり着けるのかなと。そういう気持ちで作っていました。始めからアルバムを出せるとは思っていなかったから、嬉しいですね。

――出せると思っていなかったのはどういう理由で?

SIG:何が起こるかわからないなっていうのがあるし、ここまでバンドがきた中にもメンバーが脱退したり、そういうことも含めて。今の時代、音楽業界で、絶対にアルバムを出せるというのはないと思っているんです。デビュー当時、シングルを1枚出したときは2枚目も出せるかな。2枚目を出したときは3枚目出せるかなって、出すたびに緊張感を持ってやってましたから。

KAZ:だから、曲を聴くと、いろんな紆余曲折を思い出します。

――このアルバムに収録するための曲はどれくらいあったんですか?

SIG:アルバム3枚作れるくらいのデモはありましたね。そこから自分たちを出すために足りないものを入れていくのをどうしようかって話し合いをして、作った曲もあります。「ほうき星」と「LIFE+RIGHT+LIE=ゼロ」とかは特にそうですね。

――この2曲って、同じような時期に作られているんですよね。でもまったく違うパターンっていうのが、アルバムを見据えているという感じがしますね。

SIG:まさにその通りで、振り切らなきゃいけなかったから。もともと振り幅は広いバンドなので、やりたいことが多いんですよね。メンバー5人とも聴いている音楽が違うので。僕が曲を作っているんですけど、“こういうのをやりたい”という話を聞いた上で作る方なので。自然とふり幅は大きくなっちゃうんです。

――5人それぞれの好みも違うということは、このアルバム曲の中でも好みが違いますか?

KAZ:僕はロックが好きなんですけど、シングルに入っていない曲でこの中から好きなものは「Willing boy Willing girl」かなぁ。昔からあった曲で、当時からメロの作りが好きで、リアレンジをしていくうちに、こうしたいああしたいっていうところがすごく出た。最終的にここに落ちついた曲。一曲について、携わっていた時間が単純に長かったというのもあるのかもしれないけど、個人的に好きですね。

Ko-KI:僕は「247〜タイセツナモノ〜」ですね。インディーズのころからの楽曲なんですけど、それがアルバムに収録されるのが嬉しい。

――この曲はすごくピースフルな雰囲気で、ライヴでも盛り上がりそうだなと思いました。

Ko-KI:最近ではライヴではやってないんですけどね。この曲を改めて聴き直すと、“こんな風にラップしてたのか!?”って思うんですよ。ラップでも一辺倒ではなく、いろんなスタイルでやっていた。今、またこの曲のラップをライヴでやったら、どう変化するんだろうって楽しみですね。

Tack:僕は「JET」か「十五夜クライシス〜君に逢いたい〜」かな。「JET」はメロディをもらった時点で、単純に“かっこいいな”って思って。言葉が乗っていく段階で勢いも出て来て、どんどん好きになった。アルバムのタイトルのきっかけにもなってますし、バシッときた一曲なんですよ。一番聴いてほしい曲でもあります。「十五夜クライシス〜君に逢いたい〜」に関しては、単純に難しかったんですよ。ファルセットだったり、ブレスの位置だったり、レコーディングで苦戦した部分がたくさんあるので、印象的でしたね。

――何テイクも録り直したんですか。

Tack:何度も歌いましたね。苦労したぶん、記憶に残っています。

B-BURG:僕は3枚目のシングルの「ROCK CLIMBER」ですね。今の自分につながっているきっかけを与えてくれた曲だったなぁって。

――どういう部分が今の自分につながっているんですか?

B-BURG:僕は、一番最後にこのバンドに加入したんですね。DJとしてバンドに加入して、どういうプレイヤーになっていったらいいんだろうって考えていたときに、この曲は今まで触ったこともなかったアナログシンセサイザーに触れるきっかけをくれて。そこから音作りとか、どういう音を選んで作っていったらよいのか、今の自分自身のヒントにも、きっかけにもなった。

――自分の立ち位置の原点のような曲?

B-BURG:そういうことですね。

SIG:僕は「ほうき星」ですね。うちのバンドってうるさいバンドなので、“夜、聴けねぇよ”って友達に言われたんですよ(笑)。そんなことねぇよと思ってたらできた曲で。あるようでなかったなって。うちのバンドにはない部分が出せた。作れないとは思ってなかったけど、夜に聴けないって言われたときに、変な悔しさがあって。“作れるはずだ”って思ってたときにできたから。その友達がアルバムを買ってくれたら気づいてくれるんじゃないかな。ぜひ夜寝る前に聴いてほしい。この曲は夜の曲ですからね。夜の雰囲気の曲を作りたいと思ってたら、それもできたし。こういうのはアルバムじゃないとできなかったんじゃないかな。そういう意味では嬉しいです。

――アコギ1本で弾き語りもできそうなくらいの新境地ですもんね。

Tack:この時期は、こういうタイプの曲をいっぱい試していたんですよ。歌に対しても、優しく歌おうとか、いろんな挑戦をしましたね。座って歌ってみたりとか。最終的には立って歌いましたけど、気持ちをどうやって歌に出すのかとか。

SIG:友達には、夜に聴けないと言われつつも、バンドとしては、たくさん楽器が鳴っているなかで、どうやって歌を立たせるのかっていうのを常に考えて作ってきたんです。バンドの音の中で、歌を立たせるそのバランスって本当に難しいので、シングルを作ってきたなかで、ずっと試行錯誤を重ねて、その後にできたのが「ほうき星」だったんですよ。歌を際立たせるということに関しては、自分なりの答えというか、そういうものが出せた曲かなとも思います。

――作り手としても今後につながる一曲になったというわけですね。

SIG:そうなんですけど、うちの場合、「ほうき星」を作ったと思ったら、「LIFE+RIGHT+LIE=ゼロ」ができちゃったりとか。いつかは「ほうき星」で得たものもまた生かすことはできると思うんですけど。

KAZ:ふり幅がデカイから、どうやってまとめようかっていうのもあるよね。僕自身、このアルバムを1枚聴いたときに、いろんなジャンルの曲があって楽しいなぁって、自分で思えたらいいなって思うんですよ。そういう作品になったと思うし。

SIG:曲調はさまざまでも、Tack、Ko-KIが歌えば僕らの音になるっていう自信もあるし、わかりやすい共通項もあるよね。

――歌詞に関しては、背中を押してくれるものが多くて、自分が悩んでるなかから出た答えを正直に歌にしていますよね。

Tack:現時点で、自分たちが夢を追いかけている立場ですから、そういうことを書くことがみんなに伝わるし、リアリティも生まれるのかなと思って書くことが多いですね。これからももっとそういうことを広げていきたいという目標もありますね。自分にも問いかけている部分も多いです。

――さて、「JET!JET!!JET!!!」をタイトルにしたのは?

SIG:収録曲の「JET」とアルバムのタイトルはまったく別物なんですけど、先に曲があったんですね。去年、僕ら、すごい反省会をしたんです。バンドって、別々の人間が集まってやるものじゃないですか。だから、ひとつに向かって、より高いモチベーションで進んでる人に合わせるというのがうちのバンドのルールなんです。そこで、気持ちをひとつにするために、みんなで話し合ったんですよ。俺らは幼馴染で結成したわけでもないし、かと言って寄せ集めでやってるわけではないから、ぶつかったり意見を戦わせて、時間がかかって。無駄だと思われたとしても、そうしないとダメなんです。臭い言い方すると、そうやって絆を作ってきてる。メンバーそれぞれ人間味あるやつが揃っているからこそ、余計に時間がかかるんですけど、そういうやり方が一番良いんですよね。でも、それをやっていくうちに、どんどん凝り固まっていく部分もあって。その中で、“ぶっ飛ばしていこうよ”っていうコンセプトがあった。迷ったら、前にぶっ飛んでいこうぜって。だったらアルバムタイトルも“JETってわかりやすくて良いんじゃないかって”。

――今年の決意表明のようなタイトルだったわけですね。いろんな意味でドラマティックな作品ですね。

SIG:昔からアルバム、アルバムって言ってたんですよ。でもミニアルバムしか出したことなかったし。シングルを出したときもそれはそれで嬉しかったんですけど、アルバムじゃないと僕らの音楽は語れないよねっていうのはずっと話していて。アルバムを出すことで、それぞれが納得できたこともあると思うんです。シングルだけで表現できるものじゃないから。それはもうどのタイミングのインタビューであっても言ってきたことで。1曲や2曲では俺たちについてはわからないからって。やっとこの瞬間が来たかなって思っています。たくさんの人に聴いてほしいです。

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