中しまりんと景山聖子による真夏の箏語り

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2011年4月に行われた<箏語り>、その第2回目が前回と同じ川崎市立日本民家園で行われた。箏語りとは、景山聖子の語りと中しま りんの箏で物語を聴かせるもの。そこに、高井城治のギターが心地よく絡む。女性二人は浴衣に身を包み、夏らしさを演出。

◆<箏語り>画像

題目は、前回と同じ山本周五郎著「鼓くらべ」だが、その前に怪談が…。マジですか!私、恐がりなんですって思ったのですが、怪談と言っても身の毛がよだつような怖いものではなく人情怪談。

今回語られたのは、京都・東山の話で「子育て幽霊」。簡単にストーリーを書くと、毎夜女が飴屋に飴を買いに来る。不思議に思っていたら、その女がすでに死んでいる女だと分かり墓場に行くと、飴を食べて生きながらえていた赤子が居た。助けられた赤子は、後に3000のお寺をまとめる素晴らしい僧侶になったという話。幽霊話ではあるが、心温まる話だ。

Wikipediaによると、東山には幽霊に飴を売ったという飴屋「みなとや」が現存しており、「幽霊子育飴」を販売しているらしい。気になりますね、この飴。

続いて語られたのは「鼓くらべ」。これは、音楽は人と優劣を争うものではなく、美しいものであるという話。この話は、何度聞いても音楽の在り方を考えさせられる。音楽の世界に身を置くものとして、大切なことを思い出させてくれる話だ。

語りと箏の約40分。「和」の舞台になったのは、国指定重要文化財になっている千葉県山武郡九十九里町に17世紀後半に建てられた作田家。前回の会場だった原家とは、また違った趣。この日は、真夏にもかかわらず気温が少し低く室内も気持ちよい。まるで江戸時代にタイムスリップしたような時間を過ごすことができた。

◆東風-TONFU-オフィシャルサイト
◆中しま りんBlog「My life as a cat」
◆景山聖子オフィシャルサイト
◆景山聖子Blog
◆川崎市立日本民家園サイト

伊藤緑 http://www.midoriito.jp/
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