2CELLOS、ロック・コンサートさながらの盛り上がり

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日本でも話題になっているチェリスト2人組、2CELLOSが7月25日、ロンドンで開催された<iTunes Festival>に出演した。この夜は2011年唯一のクラシック・ナイトで、ヘッドラインは中国出身のピアニスト、ラン・ラン。2CELLOSはそのサポートで登場した。

◆2CELLOS画像

まずは、クラシック・ナイトに相応しく、ルカ・スリックと女性ピアニストによるチャイコフスキーの「Nocturna」でスタート。その後、やはり女性ピアニストを交えて、ステファン・ハウザーがピアソラの「Oblivion」を演奏した。マイケル・ジャクソンやガンズ・アンド・ローゼズのカヴァーで有名になった彼らだが、もともとは本国クロアチアや留学先の英国で若手チェリストの有望株として活躍してきただけに、その音色は逸品。オーディエンスに美しく切ない一時をプレゼントしてくれた。

そして3曲目からは雰囲気がガラリと変わり、彼らを一躍有名にしたチェロによるロック・トラックのカヴァーをプレイ。ネットで話題になったガンズ・アンド・ローゼズの「Welcome To The Jungle」に始まり、アルバムには収録されていないグリーン・デイの「Time Of Your Life」、レッド・ホット・チリ・ペッパーズの「Californication」と、幼いころから学びチェロを知り尽くした彼らにしか成しえないであろう見事なアレンジで、クラシック楽器によるユニークなカヴァーを披露した。

“ここにいる女性全てに捧げる”という「With Or Without You」、「Smooth Criminal」と続いた後、彼らの本領がさらに発揮される。パフォーマンスはどんどん激しさを増し、ニルヴァーナの「Teen Sprit」は、チェロだけでここまでエネルギッシュで混沌とした同トラックの世界観が表現できるとは驚きの、ノイズが炸裂する圧倒的なパフォーマンスを披露。すでに公開されているマイケル・ジャクソンの「Smooth Criminal」やガンズの「Welcome To The Jungle」のPVでその演奏がエネルギッシュなことは承知していたが、「Teen Sprit」はそれを上回る激しさ。優れたカヴァー続出の中でもこの夜のハイライトとなった。

さらにラストではドラムが登場し、サウンドはますますビッグに。「All Night Long」「Highway To Hell」といったハード・ロックのトラックに会場はロック・コンサートさながらの盛り上がりを見せた。

彼らのライヴの迫力と激しさは想像以上で、クラシック・ファンだろうがロック・ファンだろうが一度見たら、魅了されること間違いなし。最初は興味なさ気どころか、斜めに構えていた隣の若いカップルが後半からは熱心に身を乗り出して聴き入っていたのが印象的だった。

この夜のセットリストは以下の通り。

「Nocturna」(Tchaikovsky)
「Oblivion」 (Piazzolla)
「Welcome to the Jungle」
「Time of Your Life」
「Californication」
「With or Without You」
「Smooth Criminal」
「Teen Spirit」
「All Night Long」
「Highway to Hell」
アンコール
「When I Come Around」

2CELLOSは翌日、ロンドン、セント・パンクラス駅の構内でもパフォーマンス。こちらはアコースティックに近く、PVのようなストリート・ライヴの雰囲気で行なわれた。通りすがりの人が立ち止まらずにはいられない、そして意気揚々としてくるアップリフトなプレイを見せてくれた。

photo by Kumi Saito
Ako Suzuki, London

◆2CELLOSオフィシャルサイト
◆2CELLOSレーベルサイト
◆BARKS洋楽チャンネル
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