ロンドン暴動、ソニーの倉庫炎上で音楽業界にも打撃

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ロンドンで起きた暴動により、火曜夜(8月8日)エンフィールドにあるSony DADCの倉庫で大規模な火災が発生した。その場所にはUK最大のインデペンデント・ミュージックの流通業者であるPiasの本社もあり、そこと契約を交わすインディ・レーベルの在庫が多数焼失、レーベルに大きな損害を与えることになった。

Piasは150以上のレコード・レーベルをクライアントに持ち、その中にはXL Recordings(アデル、レディオヘッド)、Domino(アークティック・モンキーズ、フランツ・フェルディナンド)、Warp(エイフェックス・ツイン)なども含まれている。

具体的にどれだけの被害が出るのかまだはっきりしないが、保険に入っていないレーベルもあると見られ、在庫を失ったことでビジネスに多大な影響が出るのは必至だと考えられている。

暴動は土曜日(8月6日)、その2日前にロンドン北部のトッテナムで黒人男性が警官により射殺されたことに抗議するデモが発端となった。最初は穏やかなデモ行進だったものの、次第に暴動化。略奪や放火が繰り広げられようになり、近接するウッドグリーンやエンフィールドだけでなく、南部のブリクストン、さらにはバーミンガムやリバプールまで飛び火した。

黒人男性はギャングのメンバーでドラッグ・ディーラーだったといわれるが、彼のほうから先に発砲したとの確かな証拠がなく、抗議のデモが開始された。4日間で500人以上が逮捕され、死者も出ている。

英国でありがちなのだが、抗議や政治的意図はなく、暴れることを目的に集まった若者も多く、事態を悪化させている。

この暴動により、市内では一部の交通機関に支障をきたしているほか、サッカーの試合が中止されたり休演する劇場も出てきた。

Ako Suzuki, London

◆BARKS洋楽チャンネル
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