Line 6のPOD HDにラックマウント版が登場、HDアンプ・モデルとMクラスエフェクト搭載の「POD HD Pro」

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Line 6は、ラックマウント・マルチエフェクト・プロセッサー「POD HD Pro」を発表した。

「POD HD Pro」は、フロアタイプのPOD HD 500/400/300、デスクトップタイプのPOD HDに続く次世代HDアンプ・モデリング&エフェクト・テクノロジーを搭載した2Uラックマウント・タイプの新モデル。スタジオやステージでの使用を考慮し、デジタル&アナログI/Oをフル装備しての登場となった。

22種類のHDアンプ・モデルと、100種類以上のモダン&ビンテージ・エフェクト、充実したデジタル&アナログI/Oを搭載するため、あらゆるプロの現場に対応可能。Line 6モデルのコンプリートなコレクションが、おなじみのわかりやすいPODパッケージで実現している。

先行モデルでも高い評価を得たHDモデルは、前世代と比較すると10倍ものアンプ情報をキャプチャー。クラシックなFenderやVOX、Marshallアンプ、BognerやDr.Z、Divided by 13によるブティック製品などをベースとしたHDトーンを実現している。

多彩なエフェクトも魅力。同社のM13やM9 Stompbox Modelerで広く知られるMクラス・エフェクトも100種類以上搭載。ディレイ、モジュレーション、フィルター、ディストーション、コンプレッサー、リバーブまで充実したMシリーズクオリティのエフェクトが装備される。

入出力の充実はProならでは。たとえば、デジタル入出力はPOD HD 500がS/P DIF出力のみだったのに対して、POD HD ProではAES/EBU入出力、S/P DIF入出力も備えられる。また、マイク入力にファンタム電源が搭載されるのもProのみのアドバンテージだ(POD HD 500はファンタム電源なし)。

このほか、48秒のルーパー機能、USBオーディオインターフェイス機能、MIDI入出力の装備、Line 6 LinkによるDTアンプ・ファミリーとの統合性、ライブでの使用時にパワーアンプモデルをバイパスできるためスタジオだけでなくステージにも対応する点など、多くの魅力を備えている。

国内での発売は2011年10月下旬を予定、価格はオープンプライスで、73,800円前後になる見込み。

●イベントではPOD HDシリーズとDT50アンプとの統合環境をアピール

9月12日に行われたディーラー/プレス向けイベントのデモでは、Line 6のギター「James Tyler Variax」と、真空管アンプDT50、そしてPOD HDの組み合わせを「Dream Rig」と称して、その優位性がアピールされた。

「James Tyler Variax」は、25種類のギター・モデルと11種類のチューニングを実現した、ジェームス・タイラー氏デザインによるギター。ライブ中に異なるギターサウンドが欲しい場合でも、ギターを取り替える必要はなく、常に同じフィーリングでまったく違うギターの音色が出せるのがポイント。DT50は、ダイナミックに変更できる真空管を含むアナログ回路とHDアンプ・モデリング・テクノロジーを融合したアンプだ。この組み合わせではサウンドのバリエーションは驚くほどの数となり、セッティングの再現も大変な作業になる。しかし、Line 6 LinkおよびVDI(Variax Digital Interface)でこれらを接続すれば、POD HDのボタンを押すだけでDT50を含めたリグ全体をリコール可能。PODのプリセットでアンプ、アナログ回路を変更することさえ可能なのだ。

●Spider Valve、DT50、ギターワイヤレスRelayシリーズもデモ

イベントではこのほか、Line 6製品を使用しているアーティストによるデモンストレーションも披露された。

7弦ギタリストとして国内外で活躍するISAO氏は、同社のモデリングアンプSpider Valve+ワイヤレスギターシステムRelay G30の組み合わせで超絶プレイを披露。以前はBognerのアンプを使用していたというISAO氏は、Spider Valveについては「ものすごいパワーがある」と評価、エフェクターも内蔵しており足元に多くの機材を置く必要がなくなるので「セッティングもシンプルになる」とお気に入りの様子。Relay G30については、「どんな小さいライブハウスでも使う」「足元がすっきりする」「(従来の製品のような)電波干渉がない」といったトラブルレスの利点が挙げられた。

sacraのギタリスト加藤拓也氏は、DT50アンプ+ワイヤレスギターシステムRelay G50によるデモンストレーションを披露。ずっとBognerのアンプやPODを使っていたという加藤氏は、今回初めて触れたというDT50について「すごい使いやすい。独立で2chでクリーンと歪みが使えるのがいい」「別々にキャラクターが選べるのでレコーディングにも」と評価。普段から使用しているというRelayシリーズについては、「ゲイン調整がいらない、差すだけでいい」「音色が変わらない」というメリットが語られた。

◆POD HD Pro
価格:オープン(市場参考価格 73,800円)
発売日:2011年10月下旬予定

◆POD HD Pro 製品詳細ページ
◆Line 6 Japan
◆BARKS 楽器チャンネル
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