後藤真希、ファンの気持ちに触れて、涙

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年内いっぱいで活動休止を発表している後藤真希が、11月3日、アルバム『愛言葉(VOICE)』のリリース記念イベントをラゾーナ川崎で開催した。リリースイベントとしては休止前最後とあって、ステージ上では感極まり、涙を浮かべながら歌う後藤の姿がそこにあった。

◆後藤真希 画像@2010.11.03 ラゾーナ川崎

開始時刻を過ぎ、バンドセットの中、収録曲「YOU」のイントロで後藤真希がステージに姿を見せる。「ごっちん!」という女の子たちの歓声を受けて、後藤真希は、集まった1万人の観客の顔をひとりひとり確認するように見回し、手を振りながら、歌い始める。しかしながら、自分のために集まってくれた多くの人たちの笑顔、そして同時に、活動休止を悲しむ女の子たちの涙を目にしてしまい、早くも歌のパフォーマンス途中から、後藤の目が潤んでいくのがわかった。

「ラゾーナ川崎にお集まりのみなさん、後藤真希です。昨日ですね、『愛言葉(VOICE)』がリリースされました。ありがとうございます。今回のアルバムは、いつもすごく大事に大事に作っているんですが、さらに時間をかけて、みんなのことを想いながら……ちょっと……泣けてきた。」

今、自分の愛の99%はファンの人に向いている、という後藤真希。そんな後藤の今の気持ちを言葉に乗せた「YOU」を歌い終え、ファンへの想いを口にした途端、涙が一気に言葉を遮る。顔を背ける後藤に、多くの観客からは「真希、泣くな!」「ごっちん!」「頑張れ!」「これからこれから!」と激励の言葉が飛ぶ。そんな言葉を受けて「あー、びっくりした。ひとりでちょっと感極まっちゃって。」と、再び笑顔を見せると、本作が、支えてくれたファンのことを想いながら、大事に作ったアルバムであることを語った。

さらに、タイトル曲「愛言葉」を披露。<わがままは言えないけど / あと少し傍にいて><あなたに贈る 最後の歌に / 伝えきれない愛を込めて><どんな時でも 笑顔を見せたい / サヨナラの途中でも>と、今の状況を踏まえた上でファンのことを歌ったこの曲を、後藤は涙を振り切って歌いあげる。最後まで声を少し震わせながらも、熱唱でパフォーマンスを終えた。

  ◆  ◆  ◆

握手会前に行なわれた囲み取材で、後藤は、前の方の女の子たちが自分より早く泣いているのを見たり、ファンのみんなと会うのが久しぶりだったりして、こういう場で想いを伝えられちゃうと気持ちが昂ぶって感極まってしまった、と、照れたような表情でイベントを振り返る。一方、握手会に向けては、「私は、ファンの人たちとは、ある意味、友達くらいに思っていて、久しぶりに見る顔もあったし、もちろん、いつも来てくれている方もいて。会話ひとつひとつ大事にしたいなって思います。」と、ファンとのふれあいに心を弾ませていた。

被災地支援のチャリティーオークションといった形でも復興支援を続けている後藤真希は、翌11月4日から、全国のドン・キホーテを回る<レジツアー>を実施。中でも、「被災地のみなさんのところに一番早く行きたいって思った」ということで、初日は被災地・仙台を訪れる。被災した方への想いを訊ねられると、後藤は、「いや、でもすごく気持ちわかるんですよ。ホントに……まただ。」と、再び大粒の涙をこぼす。突然、肉親を失った悲しみが痛いほどにわかる彼女は、発する言葉のひとつひとつに気持ちそっと沿わせるかのように、とても丁寧な口調で「だから、言わずとも通じあえてるような気持ちも自分の中ではあるんで。でもホントに、一緒に頑張っていきたいってことは伝えたいし、思っています。」と、しっかりと胸の内を語った。

また、先日サプライズ出演をはたしたドリームモーニング娘。の話を振られると、後藤は、「自分にとって(ドリムス。は)故郷的な場」と表現し、「この間、中澤裕ちゃんから『アルバム聞いたよ。』とか『ごっつぁんが勝手に、やたらめったら決めたことじゃないはずなので、私は陰でちゃんと応援しているよ。』ってメールいただきました。」と、中澤裕子とのメールのやりとりを明かす。「中澤さんから結婚の相談とか受けてないです?」と、報道陣から少し横道にそれた質問を受けるものの、「結婚の相談? 受けてないですー!(笑) 私も早くしたいわーって思って。目指せ……あと2、3年のうちに。運良くいたら、ですよ。」と、これを否定。ちなみに自身の恋愛については「今は12月のことしか考えていないので、あんまり恋愛という気にもなれなくって。それが終わって、一息ついたくらいから「なんか寂しいなー」って気持ちになってくるんじゃないかなって(笑)」だそうだ。

さらにリリースされたばかりのアルバムについて、「『愛言葉』と書いて“VOICE”って読むんですけど、愛の言葉が詰まったアルバムです。それは恋愛とかじゃなくて、もっと大きな愛をみんなに伝えたくて、作りました。歌詞にもすごいこだわって作りました。「YOU」って楽曲は、春過ぎくらいからずーっと大事に大事にしてきて。いつかみんなの前で歌いたいって。作詞のこともずっと考えてきて。……みんなのこと好きだな、って思います。」と、コメント。作詞は得意ではないそうで、制作中には、夜も寝ないで朝9時、10時まで歌詞を書いてることもあった模様。「でもそのぶん気持ちがこもっています。」とのこと。

「ホントに今は12月4日にむけてのことしか考えていないくらい。みんなに、今まで見たこともあるけど、新しい後藤真希を見せたいなって気持ちがあります。『愛言葉(VOICE)』からもたくさん歌うので、みなさんちゃんと聴いて、遊びに来てください。」── 後藤真希

ところで、「活動休止ライヴ<G-Emotion FINAL>で一旦燃え尽きる」との宣言が飛び出した後藤真希から、活動休止後の予定について発言があったので、最後に紹介しておく。後藤からの回答は以下のとおり。

「悩んでいるんですよ。『ファッション系やったら?』とか『スキンケアとか得意なんだからやったら?』とか、普通に『旅行行ったら?』とか言われるんですけど、まったくお金を使うことを考えていないんですよ。とりあえず自宅にいてゆっくりしてて。何かしたくなったらすればいいかな、って。ノープランなんです。普通に近所に散歩したいし。普通の生活をしたい。(近所は)全然、歩いてますよ。最近も、お休みの日に酒屋さんに駄菓子買いに行ったり。知らないおばあちゃんに声かけられて「引退しちゃうんだって?」って言われて「いや、休業ですよ!」って言い直したり。最近そういうの多いです(笑)。」

今後の予定はノープランという発言とともに、サラっと紹介された、知らないおばあちゃんとのやりとり。しかし、後藤の口から直接出たこの発言も、ファンが聞きたい言葉のひとつだったのではないだろうか。

text and photo by ytsuji a.k.a. 編集部(つ)
◆後藤真希 オフィシャルサイト
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