[楽器フェア2011レポート] あらゆる楽器が見られる!触れる! 多彩な製品が勢ぞろい

ポスト
11月3日~6日にかけて行われた2年に1度の楽器の祭典「楽器フェア」。本レポートでは、速報でお伝えしきれなかったメーカーのブースやイベントを中心にお届けする。

■プロ・オーディオ・ジャパン

プロ・オーディオ・ジャパンはAKAI professionalのエフェクターやウィンドシンセ、AlesisのiPad用ドッキングステーションiO Dockや各種ドラム/パッド製品、ALTO professionalのミキサーやスピーカー、ION AudioのiPodドック搭載可能なPAシステムBLOCK ROCKER、TRAILGATERなどを展示した。


▲ギタリスト向けには、ルーピング・レコーダー搭載の多機能ディレイE2や、金属ボディにクラシカルなデザインのノブを持つコンパクトエフェクターのAnalog Custom Shop、10モデルをラインナップ(左の写真)。右の写真上がiPad用ドッキングステーションiO Dock。オーディオ、MIDI入出力を備え、録音・再生が可能。ギター入力やファンタム電源も搭載、さまざまなソースに対応する。その左はALTOの5chミキサーZMX52、下はAlesis Q25。


▲ウィンド・シンセサイザーのEWI4000sはスペシャルカラーバージョンが参考出品(写真左)。デモ演奏も随時開催され多くの来場者が足を止める。右の2製品は、ION Audioのラジオ・チューナ内蔵、iPodドック搭載可能なPAシステムBLOCK ROCKERとTRAILGATER。前者はキャリングハンドルとキャスター搭載。


▲電子ドラム叩き放題コーナーにはAlesisのDM8 USB KIT(写真左)、DM7 USB KITといったドラムキット、ドラムパッドのPERCPAD(中)、PERFOMANCE PAD PRO(右)、E-PRACTICE PADなどがずらり。

■コルグ

ギター関連製品では、展示ホール内のブースにVOXのギター、アンプ製品を展示。さらに奥のハーバーラウンジではPRS、LAG GUITARSのアコースティックギター、Warwickのベースを大量に展示。また、展示ホール内には後付の消音ピアノ・システムであるコルグ・ハイブリッド・ピアノの独立したブースを設けている。


▲VOXからはスピーカー内蔵のAPACHEやHDC-99などの新製品が登場(写真左)。別会場では、Warwickのベースや2本のネックを持ったアコギをラインナップするLAG GUITARSの展示が。


▲ハーバーラウンジAにはPRSのギター大量展示。アーティストモデルや、レアなモデルも多数ラインナップ。ギターのボディ、ネックの塗装工程がわかる興味深い展示も。


▲手持ちのピアノに後付けできる消音ピアノ・システムのコルグ・ハイブリッド・ピアノ専用のブース。新製品のグランド・ピアノ専用KHP-5000をはじめ、アップライト専用モデルもラインナップ、それぞれその効果が実際に試せるようになっている。

■ヤマハ

ヤマハのギター関連の新製品はいずれも大人気で試奏者が絶えない。エレクトリック・アコースティック・ギターのAシリーズや、サイレント・ギターの10周年記念モデル、アンプモデリングにオーディオインターフェイスまで搭載した小型ギターアンプTHR5/THR10はまさに注目の的。


▲写真左からAシリーズ、サイレントギター10周年記念モデルのSLG110S QM CMB(スチール弦仕様)、SLG110N QM CMB(ナイロン弦仕様)、THR5&THR10の試奏コーナー。「ずっと弾きたくなるアンプだね」というコメントが掲載されたTHRのポスターにはチャーを起用。サイレントギターは特別なカラー仕上げの限定モデルとなっている。

■ティアック

▲TASCAMブランドの各種レコーダー、録音機器に加え、軽くて持ちやすい女性向けギターブランドDaisy Rock Girl Guitars/デイジー・ロック・ギターのギター&ベース、beyerdynamic、KOSSのマイク、ヘッドフォンなども展示。

■フックアップ

▲iCONから発表されたばかりの8基のチャンネル用モーター式ムービングフェーダー搭載のコントロールサーフェスi-CONTROL PROやDJ-TechのiPodドック搭載PAシステムiCube90/55、DJコントローラーなどを展示。

■オーディオテクニカ

▲オーディオテクニカは、ヘッドフォンのATH-TAD300、ATH-TAD500、ATH-900X、ATH-A500X、インイヤータイプのATH-CKM1000、ヘッドフォンアンプAT-HA2など新製品を多数展示。マイクも多数用意、録音ブースでそのサウンドをチェックできるようになっている。

■TCグループ・ジャパン

▲tc electronicのマルチエフェクトG-SYSTEM iB Modified(写真左)は、イタリアの伝説的ギターエフェクト・カスタマイズ職人により特別に設計されモデルで、アナログ・コンポーネントを一新、超クリア&高速レスポンスサウンドを実現。同じくNOVA DELAY iB Modifiedは同氏によるヌケのよさを誇るディレイ(中)。コンパクト・ペダルTone Printシリーズの新製品Rottweiller(写真右の上段左)は完全アナログ・メタルディストーション・ペダル。

■キョーリツコーポレーション

▲キョーリツコーポレーションは、MESA BOOGIE、B.C.Rich、Peavyはじめ多くのブランドの製品を展示。電子ドラム叩き放題コーナーにはDD512JはじめMEDELIの電子ドラムも。

■ESP

▲ESPは、アルフィーの高見沢モデルをはじめ、数多くのアーティストモデルを写真とともに展示。ブース内ステージも大人気。

■神田商会

▲神田商会はOvation、Blackstar、Gretsch(左)、greco(中)、ZEMAITISなど数多くのギター関連製品を出展。iPadをセットして使うDigiTechのマルチエフェクター、プログラマブル・ペダルボードiPB10や、映画BECKで使用されたモデルも。

■モリダイラ楽器

▲モリダイラ楽器はORANGEのアンプや、MORRIS、sandbergをはじめ多彩な製品を展示。コンパクトエフェクターや、MOOGのシンセやテルミン、HONNERアコーディオン、パーカッションなども。

■日本エレクトロハーモニックス

▲日本エレクトロハーモニックスはギター練習ツールShredneck製品や、Kay、Kagstron、Ekoをはじめギターやエフェクターを多数展示。

■石橋楽器店

▲イシバシ楽器は、Washburn、Cort、Knaggsなどのギターを展示。変形ギターも多数あり、エフェクターやアンプとともに試奏可能。

■ゾディアックワークス

▲ゾディアックワークスは、HOTEIモデルをはじめアーティストモデルなどを展示。オクターブチューニングを改善するサドルFINETUNETELY BRIDGE SADDLEも。

■ヤマハミュージックトレーディング

▲ヤマハミュージックトレーディングは、Marshallのアンプ、Zidjanのシンバル、FISHMANのピックアップ、SAKAEのドラム、GStringやKALAのウクレレなど多彩なラインナップを用意。

■山野楽器

▲Fender製品中心の山野楽器はPC接続でサウンドメイクできるギターアンプMUSTANGに続いて登場したベースアンプBRONCO 40(写真左)も。中央はソフトFUSEの画面、右はMUSTANG III。

■Taylor

▲Taylor Guitarsは一般ブースとは独立したイベント会場D11で展示。ブレーシングなど内部構造が見られる展示やライブもあり。

■三木楽器

▲三木楽器はOVALのアコースティックギター用ピックアップを中心に展示。pearlとの共同開発によるオリジナルのキッズドラムも。

■鈴木楽器製作所

▲鈴木楽器製作所は、HAMMONDのステージキーボードSK1(カラバリの投票も実施)、SK2を中心に、ハーモニカ製品も多数展示。誕生50周年記念モデルを含むMELODIONやTone Chime、BELL HARMONY(写真右)、といった楽器も。


▲鈴木楽器製作所ブース隣りの親子で手作りワークショップのコーナーでは、同社提供のキットでカリンバやウクレレ、スライドホイッスルを子どもといっしょに作ることができる。

■その他、楽器フェアならではの展示やセミナーも多数


▲日本ピアノ調律師協会は1830年頃に制作された「リラピアノ」という歴史的ピアノを修復、展示。「19世紀のヨーロッパ サロンに咲いたピアノの貴婦人」というタイトルが付けられている。演奏も披露され、ペダルが鍵盤の裏にあり、膝で操作するという独特な機構もよくわかる展示となっていた。

▲オカリナ普及協議会のブースでは、1853年にオカリナを最初に製作したドナーティによるオカリナや、日本で初めに作られた明田川孝氏によるものなど、歴史的なオカリナが展示されている。


▲学研のブースには、「SOUND GADGET」シリーズとして来年発売予定の不思議な楽器「UDAR(ウダー)」の開発者である宇田信道氏がオリジナル版でデモ演奏を披露。ネジのようなボディにセンサーのついたチューブが巻かれており、それを押さえて音を出す。

▲コスモ楽器は新開発のピックアップにより、皮の振動音と胴の内部の響きを拾うエレキ三味線BEN-TENを展示。ピエゾよりも自然な音が得られる。


▲カホンを出展していたbeating。オーディオメーカー向けにスピーカーの試作品を制作していた都内の工房で手作りで作られている。C1、C3 mark II、C5などをラインナップ。子どもにも人気。

▲11月5日に3回行われた「アコギ弾き語り体験~90分で1曲完奏 in 楽器フェア」。ギターみ体験者&挫折者限定の体験講座で、喜納昌吉の「花」の弾き語りに挑戦する。練習前のストレッチやギター、ピックの持ち方からみっちり基礎を教えてくれる。


▲「VOCALOID3ではじめよう!あなたもボカロPに」はボーカロイドの生みの親、剣持秀紀氏によるセミナー。10月21日に発売されたばかりのVOCALOID3について、ラインナップや新機能を中心に解説。Jobプラグインの実例や外国語版(韓国語、スペイン語)のデモ音源披露もあり。

▲「ひとりで出来る!ギターインストトラック制作セミナー」では、YouTubeで注目のネットギタリスト「ぎんじねこ -ginjineko-」氏が制作方法を伝授。使用ドラム音源はEZdrummer、DAWはApple Logic。もちろん、セミナーの場でギターレコーディングを披露。

■ファミリーアンサンブルパーティー「with Mom!」


▲トップバッターのBLUEPINE。パパがボーカル、ママがキーボード、子どもがドラムの編成。演奏後はつるの剛士氏によるインタビューが行われ、さらに各バンドの個性を引き出す。

11月5日に展示ホールAの特設ステージで開催されたのが、ママを含んだ家族バンドのライブイベント、「ファミリーアンサンブルパーティー『with Mom!』」。「家族の絆」をテーマに、全国163組の中から選ばれた13組のグループがライブステージを繰り広げる。ステージの前には手作りパーカッションを作ったり、ファミリーバンド体験コーナーなどが設けられるなど、来場者も家族全員で楽しめる構成だ。

メンバーは赤ちゃんからおじいちゃんおじいちゃんまで、管楽器や打楽器のみのアンサンブルからギター弾き語り、ロカビリーやハードロックバンド、アカペラなどなど、演奏曲のジャンルも編成もまったく違うバラエティ豊かなバンドの演奏はもちろん、演奏前に上映される心温まるエピソードを交えた家族紹介ビデオも多くの観客を楽しませた。また、ゲストコメンテーターのつるの剛士氏が出演バンドのインタビューでステージを大いに盛り上げる。ラストはつるの剛士氏を中心に出場者全員で「上を向いて歩こう」を熱演、心温まるエンディングとなった。


■シンセ・サミット 2011 楽器フェア

国内3大シンセメーカーが集結した楽器フェアならではのスペシャルイベント「シンセ・サミット」は最終日の11月6日に開催。ラストを飾るにふさわしい豪華なイベントとなった。出演は順に、ヤマハMOTIF XF、MOXをフィーチャーしたPuple Days、ローランドJUPITER-80 Special Talk Sessionと銘打って登場の浅倉大介、齋藤久師、土橋安騎夫、松武秀樹、そしてコルグKRONOSとともに臨むミッキー吉野New Project。セットチェンジの合間にはそれぞれのシンセについてのインタビューも行われ、シンセの魅力が存分に味わえるまさにスペシャルなイベントだ。


▲楽器フェアのラストを飾るシンセ・サミット。一番手として、Purple Daysがシンセサウンドをメインにギター+ボーカル+サポートドラムで参戦。




▲4台のローランドJUPITER-80を前に並ぶ4人のアーティストがシンセトークを披露。ライブでは各アーティストの代表曲を次々にプレイ、ラストはホルストの「木星」で締めるという約15分のスペシャルメドレーを披露した。


▲コルグKRONOSを操るミッキー吉野を筆頭に竹越かずゆき(key)、Toshi Hiketa(g)、日野"JINO"賢二(b)、星山哲也(ds)によるミッキー吉野New Projectが、大人のロックを聴かせる。

イベントのラストは、3社のシンセが同じステージにのぼるスペシャル・セッション。ローランドJUPITER-80を演奏はここから登場の篠田元一、ヤマハMOTIF XF&MOX8はPurple Daysの石坂翔太、そしてコルグKRONOSのミッキー吉野をフロントに、ミッキー吉野New Projectがバックを務める。ゴダイゴの「モンキー・マジック」をボーカル入りで演奏、さらにラストはまさにこのイベントを締めくくるにふさわしいビートルズの「Come Together」で、満席の観客を興奮させた。

◆楽器フェア オフィシャルサイト
◆BARKS 楽器チャンネル
この記事をポスト

この記事の関連情報