YELLOW FRIED CHICKENz、被災地の鎮魂歌「ALL MY LOVE」

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GACKT率いるYELLOW FRIED CHICKENzが、2枚目のシングル「ALL MY LOVE/YOU ARE THE REASON」を2012年12月に発売した。東日本大震災を経て生まれた「ALL MY LOVE」について、GACKT、JON、TAKUMIに聞く。

◆YELLOW FRIED CHICKENz画像

──「ALL MY LOVE」はどんな楽曲ですか?

GACKT:大切なものを失っても前に向かっていくと言うこと。忘れない、でも止まらず、歩いて行くことが愛なんじゃないかと思っている。これはYELLOW FRIED CHICKENzの根源でもあるよね。

JON:TAKUMIが作った曲の中で、一番好きなのがこの曲。YELLOW FRIED CHICKENzの代表曲と感じている。歌詞は、大切な人を失ったけど、前に進まなくちゃいけないっていう思いを歌っている。

TAKUMI:この曲は震災後、鎮魂歌になればと思って作りました。残された人の希望になるようにと。

JON:YFCのメンバーで被災地にも行ったよね。

TAKUMI:うん。ツアーで仙台に行ったときにも訪れて。一発目の音は祈りながら弾いて。特別な光景が見えましたね。

──被災地を訪れた印象は?

TAKUMI:テレビや写真を見て分かったつもりでいたけど、目の前に広がる現実は想像を絶するものでショックでした。深い悲しみがあって。

JON:自分の町がなくなった中学生が、学校で笑顔で部活をしている姿を見て、何で笑うことができるんだろうと驚いた。なぜ笑うことができるのか…。

GACKT:笑わなくちゃいけないと思ったのだと思う。彼らは今を生きているからね。被災地を訪れたのは、一緒に歩こうと伝えるため。それが僕の役目だから。それには僕が笑顔でいなくちゃなって思ったよね。

──GACKTさんは落ち込んだときも笑顔でいられるのですか?

GACKT:落ち込んだときは、決めてるんだよ。常に笑おうって。ため息の数だけ、何か逃げていくからさ。どんなことも数年後には笑い話になるから。笑い話になるくらい、ほかのことに力を注ごうって。生きてることに感謝すれば、落ち込むことなんてないよ。よっしゃ!って思えるから。人と人が向き合うためには、上っ面の言葉はダメ。すぐにメッキがはがれるからね。本気でぶつかって、本気の自分たちの気持ちを示すことが大事だと思っている。

──YELLOW FRIED CHICKENzは、夏から欧州ツアー、国内ツアーを展開してきました。振り返って感じることは?

GACKT:やっとスタートラインに立ったと思う。一緒に歩くつもりなら、体力と精神力付けろと。後ろを見たら足跡が見えるからね、自分の。JONは僕と同じボーカルだから2トップとしていろいろ比較されると思う。でも思いっきり表現してほしい。レッドゾーンに突っ込まないようにすることが僕の仕事で、アクセルをべた踏みすることが大切と思ってる。TAKUMIは、もっとアクセル踏めよって思うし。

TAKUMI:YELLOW FRIED CHICKENzとして活動する中で、自分が知らない自分を知ることができた。兄さんには「自分でできないって決めつけてるだけだ」と言われたし。この経験があればさらに上に上がれると思う。

GACKT:U;ZOは運転できるけど、座席に座らないんだよね。だから運転席に座らせて、隣でアクセル踏んでみろ、カーブも一緒に回って、ほら大丈夫だろっていうのを繰り返している。真ちゃん(ドラムのSHINYA)は積み重ねてきたものをしっかり示してくれる。みんなの見本だね。僕が前を走っているとしたら、真ちゃんは後ろから遅れてる人間を叱咤してくれる。裏番長みたいな存在かな。

「ALL MY LOVE」とともに収録された「YOU ARE THE REASON」は、GACKTがkissmarkとコラボレーションしたスノーボード関連ブランド「Rouge et Noir」のCM曲に起用。YELLOW FRIED CHICKENzは2012年2月に発売するアルバム制作のため、現在レコーディングなどを急ピッチで進めている。アルバム発売後には欧州に続き、北米、南米、アジアでもツアーを行う予定だ。

取材・文:西村綾乃
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