三浦大知、初の日本武道館公演を開催。「今ここがまた新しいスタート地点」

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5月3日、三浦大知の日本武道館公演<DAICHI MIURA LIVE TOUR 2012「D.M」 in BUDOKAN>が開催された。約2時間30分にわたって繰り広げられたライヴには、三浦大知の実力を認め、公私ともに交流のあるKREVAもシークレットゲストとして登場。大知の次のステップへ向けての第一歩となる公演に華を添えた。

◆三浦大知 画像@2012.05.03 <DAICHI MIURA LIVE TOUR 2012「D.M」 in BUDOKAN>

単独公演として初めての日本武道館。9歳の時からグループのメンバーとして音楽の世界に身を投じ、ソロデビューして7年。三浦大知がずっと憧れていた舞台。いつの頃からか、その想いは周りのスタッフだけでなくファンとも共有するようになり、いわば三浦大知を愛するすべての者にとって、その場所はひとつの夢であり、目標だった。

そんな夢への扉は突然開くことになる。2011年11月13日に行なわれた<DAICHI MIURA LIVE TOUR 2011 ~Synesthesia~>追加公演。このライヴで、大知の口から、日本武道館公演決定の報告がなされた。突然のニュースにファンは心の底から歓喜した。

発表から公演までの約半年間は、三浦大知への注目度がこれまで以上に加速度をつけて高まった期間でもある。2011年11月30日リリースのアルバム『D.M』は、1週間ぶんを見積もっていた初回盤のメーカー在庫がたった2日でなくなるほどの盛り上がりを見せ、初のドラマ主題歌となった新曲「Two Hearts」は、初の着うた(R)デイリー1位を獲得する。また武道館公演前日となる5月2日にリリースされたシングルは乃木坂46、指原莉乃に次ぐ初登場デイリー3位を記録した。

注目度の高まりは、三浦大知に対する期待度の現れ。同時にみんな知っていた。三浦大知は、こちらの期待よりもはるかに上を行くものを見せてくれることを。大知のステージを心待ちにしたファン、大知の生まれ持った才能と積み重ねてきた努力を信じ続けたスタッフ、関係者。そして仲間として、ライバルとして刺激を受けながら、日本の音楽シーンをともに盛り上げているアーティストたち。多くの人の期待を受けて、その日はやってきた。

一般販売10分で完売したというチケットを手に、1万人のオーディエンスは日本武道館へと足を運ぶ。前日から各地に被害をもたらした大雨も、開演時刻が近づくに連れて小雨へと変わっていく。開演は30分ほど押したが、大知がこの日のステージにたどり着くまでにかかった時間を思えば、そんなものは、ほんの一瞬に過ぎない。

オープニング。暗闇の向こうからスポットライトに照らされて輝く三浦大知。大歓声に包まれたまま、そっと拳を前へと突き出す。さらにそのまま下ろせば、光の筋は下に、天に向ければ、光は天へと駆け上がる。そしてあらためて気付かされる。そう。今、この瞬間、伝統の八角形の空間を支配しているのは三浦大知なのだ、と。自ら演出まで手がけた日本武道館公演が、いよいよはじまるのだ、と。

大知は、想いを叩きつけるように拳を振り下ろす。爆発とともに幕が一気に落ち、ついに誰もが夢見た日本武道館での三浦大知のショータイムが、時を刻み始めた。

23人のダンサーとフルバンドを従えての1曲目は、バーレスクを彷彿とさせる「Illusion Show」。アルバム『D.M』の中でも異彩を放っていた、まさに幕開けにふさわしいナンバー。本公演は、<DAICHI MIURA LIVE TOUR 2012「D.M」>の最終公演という位置づけであり、もちろんこの曲も、これまでの各公演でもオープニングを飾っていた。しかしながら、周りからの応援と本人の努力によって掴みとった夢のステージで、1万人のクラップが鳴り響く中<キミの夢 今叶えましょう>と歌っている姿は、やはり格別だ。

「Touch Me」や“DAICHIコール”で早くも会場がひとつになった「Who's The Man」で、ダンサー陣と完璧にシンクロした激しいダンスパフォーマンスを見せたかと思えば、呼吸ひとつ乱さず、続けて「4am」「The Answer」といった作品をエモーショナルに歌い上げるというスタイルは、いつ観ても圧巻の一言。“三浦大知基準”では当たり前のことだけに、もちろん本人はこれまでも当たり前のようにこなしていたし、もちろんこの日もそうだったのだが、「Who's The Man」の歌詞を借りるなら<他のヤツじゃ無理><レベルが違う>。

「ありがとうございます。<DAICHI MIURA LIVE TOUR 2012「D.M」 in BUDOKAN>にみなさんようこそ!」

オープニングから6曲を立て続けに披露し、大知が口を開く。

「本当に、奥の奥まで、たくさんの方、集まってくださって本当にありがとうございます。ま、24歳までに、この武道館のステージに立ちたいという目標をですね、ずっと前から、スタッフの方、ダンサー、みんなで掲げて、協力してもらいながら、そしてこうやって集まってくれるみなさんに支えてもらいながら、今日、ついにこの武道館のステージに立つことができました。あのー、もう本当にここにこうやって、今、自分で武道館のステージに立ってしゃべっているのも不思議な感じですけど、ここまできたいろんな想いとか、もちろんあります。抱えきれないくらいの感謝の想いとかあって、すべての言葉を使っても、多分、それが軽く聞こえるんじゃないかっていうくらい、感謝の気持ちが、もう、たくさんつまっています。で、僕は言葉は不器用なので、今日はシンプルに、しっかり、音楽でみなさんに想いを伝えていきたいと思います。」

大知の言葉に、オーディエンスは大きな歓声と拍手で応え、喜びを分かちあう。

「ま、堅い挨拶はこれくらいにして(笑)、みなさん好きなように、素直に音を感じて、この空間を一緒に楽しんでいってもらえたらいいな、と思います。ホントに、怒涛のようにですね、もう、たたき…畳み掛けていこうと思っていますので。最後の最後まで、しっかり、無理せず無理せずとは言いますけど、しっかりみなさん、この瞬間を集中して、すべて感じてもらえたらいいなと思っています。」

武道館での第一声(初MC)ということで、不器用ながらもしっかりとした言葉で想いを伝え、そして、少し気を緩めて笑顔がこぼれたところで噛んでしまう。会場からは小さく笑いが起こる。一切の妥協も隙もない大知のパフォーマンスを常に温かくも厳しく見守ってきたオーディエンスだけに、トークでの“隙”にも厳しいというべきか。はたまた、いつもの大知らしいというべきか。いずれにせよ、このMCで、特別な場所での公演ということからきたのであろう、どこかしらピンと張っているような空気は緩んで、いつも通りのムードに。
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