Brandel、スケール感が増した6/7ワンマンライヴ@渋谷 O-WEST

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平日とはいえ、開演時間が近付くとフロアーの余地はどんどんなくなって行く。Brandelのワンマンライヴ、バンド初の檜舞台である。

昨年、ブロンディ、エリック・クラプトン、キース・リチャーズ等を手掛け、2004年度グラミー賞ミキシング部門で受賞したTom Weirのプロデュースによりロサンゼルスで制作されたミニ・アルバム『PIECES BY ELEMENTS』をリリース、その後、日本のライヴハウスで精力的なライブ活動を展開してきた彼らの、ひとつのエポック・メイキングになるであろうライヴ。これまた彼ららしいのだが、この日のチケットはワンコイン、\500。故に、彼らのシンパのみならず、彼らを初めて観るであろう人々も大勢つめかけている。

開演予定時刻を少し過ぎた頃、壮大なSEと共に、フロアーが暗転する。四人の影がステージに現れ、「Tell You All」からライヴがスタートした。“どうもこんばんは、Brandelです”とVo&Gt.のKenjiが手短に挨拶、クールなビートの「Acceleration World」、ダンス的なアプローチの「Shut Down」と曲が進むにつれ、当初はさすがに固かったアンサンブルもこの会場の空気と同化するようになり、彼らの本領を発揮し始めた。

M-5の「Jorney」を終えた後、“今夜は最高のショーにするのでよろしく!”とKenji。そうなのだ、Brandelのステージは、ギグでもなく、コンサートでもなく、あくまで「ショー」なのだ。少なくとも、彼らのショーでしか味わえない空間を創り上げようとしているのは随所で感じられる。

ここで、ワンマンならではのサポート・キーボードの中野公揮がステージに登場、華を添える。ファンキーな「You Say You Wanna」、じっくり聴かせる「New Brainchild」、ミラーボールのよく似合う「Antiglare」。“Brandel結成当初からある、大切な曲”とMCされた「Feel It Forever」。それほど歴史の長いバンドとはいえないが、彼らの現在に至るまでの凝縮された道筋を語りかけてくるような一曲。

もうここまで来るとステージはほぼ後半戦、スケールの大きな「Par@dox」、そしてメンバーが含み笑いと共に演奏したのは、なんとU2「Vertigo」のカヴァー。この遊び心もたまらない。そしてアッパーな「Universe」「Sister」、希望に満ちた「Sunrise」、「Get Her Away」で本編終了。

休む間もなくアンコールの声、拍手。笑顔で現れた四人はピースフルな「It is My Wish」「Love Is All」と二曲を演奏、この記念すべき夜を締め括った。彼らのネクストステップをも感じさせるようなステージ、今後も期待しておきたい。

文●林 拓一朗
撮影●前田 俊太郎

◆Brandelオフィシャルサイト
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