これまで多くの共演者を緊張させてきたに違いないポール・マッカートニーだが、そんな彼に“平常心を失わせてしまった”共演者がいる。ビーチ・ボーイズのブライアン・ウィルソンだ。

しかも、ポール・マッカートニーが大好きな曲「God Only Knows」(ビーチ・ボーイズ『Pet Sounds』収録)を一緒にプレイしたというのだから、さらに感慨深いパフォーマンスだったのだろう。

英国Absolute Radioで放送中のロニー・ウッドの番組に出演した彼はこう話している。「(ブライアン・ウィルソンとは)チャリティー・ショウで一緒にやったんだ。本番は大丈夫だった。正気を保っていたよ。でも、サウンド・チェックでは我を失った。だって、この曲はすごくエモーショナルだから」「“オー・マイ・ゴッド、これをブライアンと歌うのか”って思ったよ。どうしよう、できないって」

ビートルズ時代、ポール・マッカートニーにとってブライアン・ウィルソンはいい意味でライバルだったという。それはジョン・レノンとの関係にも近かったそうだ。「ブライアンは本当に素晴らしい作曲家だってことを証明していた。僕は当時、コードとハーモニーに入れ込んでて、僕らはライバルみたいな関係になっていたよ。僕らが曲をリリースすると、それを聴いたブライアンが曲を出す。いいことだ」

「僕とジョンみたいなものだった。いつもお互い、トップに立とうって頑張る。でも、ブライアンはとうとう「God Only Knows」を作り出したんだ」

ポール・マッカートニーは常々、「God Only Knows」を「いままで聴いた中で最高の曲」「ディープでエモーショナルで涙無くして聴けない」などと大絶賛。90年代には「日本のラジオ局で“お気に入りの曲トップ10は?”って訊かれて、まずこの曲が頭に浮かんだ」とも話している。

Ako Suzuki, London