11月15日＜鹿鳴館伝説＞、Plastic Tree、Creature Creature、MERRY、lynch.精鋭4組が集結

1980年にオープンし、日本のロックのさまざまな時代を象徴する場であり続けてきた東京目黒のライヴハウス、鹿鳴館。2010年にはその創設30周年を記念してのイベント＜鹿鳴館伝説＞が行なわれている。そして、それから2年半と少々を経たこの11月15日、＜鹿鳴館伝説　PART II＞が開催を迎えることになった。

▲鹿鳴館お宝シリーズ（1）事務所内に発見。2年前に行なわれた＜鹿鳴館伝説＞のポスター。各出演バンドのサイン入り。

会場は前回と同じく東京ドームシティホールで、出演はPlastic Tree、Creature Creature、MERRY、そしてlynch.という、まさに“ありそうでなかった顔合わせ”の全4組。フェスもイベントも百花繚乱であると同時に、それゆえに各イベントにおける集客が厳しくなりつつあるとも言われている昨今だが、そんな今、何故こうした公演が行なわれることになったのか？　鹿鳴館の名物支配人として知られる山口高明さんは、次のように語っている。

「実は20周年や25周年のときにもイベントを開催しようという話は持ち上がっていたんですが実現できずに終わり、なんとか2年前には、このライヴハウスに所縁の深いバンドや関係者の皆さんのご協力を得ながら30周年記念のイベントを実現させることができたという経緯があります。それに関しては、改めてこの場をお借りしてお礼を申し上げたいと思います。そして、今回のイベントについても同じ＜鹿鳴館伝説＞というタイトルを掲げてはいますが、いわゆる記念イベントというわけではなくて。敢えてその目的を言うとするなら“活性化”ということになると思います」

▲鹿鳴館お宝シリーズ（2）DEAD ENDのインディーズ時代、Morrieが着用していたステージ衣装。本人から正式に寄贈され、現在も鹿鳴館事務所内にて保管されている。

鹿鳴館は1980年代にはいわゆるジャパニーズ・メタル、1990年代以降はヴィジュアル系の聖地などと呼ばれてきた場所。「鹿鳴館でワンマンをやれるとメジャー・デビューできるらしい」という都市伝説が流れたりすることがある反面、「オーディションが厳しいらしい」という噂が高まり一部のバンドから敬遠されたことも。特徴的なのは天井もステージも高く、大音量を出せるこの会場が、“ライヴハウスでありながらホール的な見せ方ができる場所”であるということだろう。それも鹿鳴館が数多くのアーティストたちに愛されてきた理由のひとつかもしれない。が、実のところ現在、ライヴハウスは“冬の時代”を迎えつつあるとも言われている。山口さんは次のように語っている。

「正直に言うと、今はライヴハウスにとって楽な時代ではありませんし、鹿鳴館自体は350人も集まれば満員になるんですが、そこでワンマン・ライヴができる“期待の若手”はさほどいません。同時に、大手の会社が人気バンドを集めた大規模なイベントを組んでもなかなかお客さんが集まりにくいという話もよく耳にします。そこで逆に、そんな時代だからこそライヴハウス発信という形で、しかも何かの記念といった名目ではないイベントをやるべきだと考えたんです。2年前の＜鹿鳴館伝説＞は、鹿鳴館のこれまでの歴史の集大成でもあったわけですけど、今回やろうとしているのは、言ってみれば“鹿鳴館としての心意気を見せる”ということでもありますし、いわば危機感と使命感を動機とする“挑戦”でもあるわけです。そこで当然、鹿鳴館とも縁のある人たちのなかから、僕自身が観たいと思えるようなバンドにばかり声を掛けました。そしてPlastic Tree、Creature Creature、MERRY、lynch.の4組が出演を快諾してくれたというわけです。実際のところ、大きな演出を仕掛けているわけじゃないですし、お祭りめいたセッションなども今のところ予定されていません。記念行事とかフェスとは違いますし、ハプニング的なことをあまり期待されても困ります。目的はとにかく、各バンドの本気のライヴをじっくり堪能してもらうこと。どのバンドも本気のライヴを披露してくれるはずですし、18時の開演から、ガチンコな展開になるはずだと信じています」

4組の出演者たちについては、改めてこの場で説明を加えるまでもないだろう。とにかく11月15日、東京ドームシティホールで、鹿鳴館の心意気と各バンドの発する熱を体感して欲しい。当日券は16時から会場窓口にて販売される予定だとのこと。そして念を押しておきたいのは、この公演の会場は東京ドームシティホールであるということ。間違えて鹿鳴館に向かうことのないよう、ご注意いただきたい。

増田勇一

＜鹿鳴館伝説 PART II：LEGEND OF ROCK MAY KAN＞
11月15日（木）
＠東京ドームシティホール
開場17：00　開演18：00
出演：Plastic Tree／Creature Creature／MERRY／lynch.

◆鹿鳴館オフィシャルサイト