カミナリグモ【インタビュー】『MY DROWSY COCKPIT』空・コックピット・まどろみのキーワードで現実を照射するコンセプトアルバム登場

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カミナリグモとして活動を開始して10年。上野啓示(Vo&G)を中心としてスタートしたが、後に成瀬篤志(ghoma)(Key)が正式に加入し、現在はレギュラーメンバーとして鈴木淳(B)と森信行(Dr)も迎え4人でサウンドを構築している。この体制になって3枚目となるアルバム『MY DROWSY COCKPIT』では、バンドグルーヴもより強固に、コンセプチャルな世界観を紡いでいる。ネット上で話題の「王様のミサイル」も収録されたこの作品について上野啓示に話を聞くロング・インタビューをどうぞ。

■物語が一つ一つ集まった短編小説集のような
■そういうアルバムにしようっていう目的は達せられた

――CDジャケットが宇宙飛行士なんですね。すごく素敵なアートワークだなぁと思いました。空に向かっている曲が多いですね。

上野啓示(以下、上野):楽曲的にも意識的にそういう曲をピックアップしたし、新たに作り出した曲も空のイメージは意識したんですよ。

――なぜ空なんですか?

上野:今回「王様のミサイル」をシングルとしてリリースするということがまず最初に決まっていて、その曲を含むアルバムを作るということにあたって、最初はもうちょっと漠然としていたんです。一つポイントとしては、この「王様とミサイル」という曲は、カミナリグモとして活動をはじめた10年近く前に作った曲で。そういう曲をここ数年で作った曲と一緒に収録するのは、うまくバランスをとらないと難しいというのが頭の中にあって。「王様のミサイル」という曲は、カミナリグモの中でもテーマとしてちょっと異質というか。根本的な価値観は共通しているんですが、こういう題材で戦争のことを唄っていることは僕らの中にはなくて。

――確かに、イメージにないと思いました。

上野:うん。ただ楽曲の質感としては、僕の楽曲自体、フィクション性が高いというか、物語的な楽曲が多いので、その中のひとつなのかなというところもあって。この曲の中ではリアルな現実の自分に戻る部分もあるけど、王様に苦しめられる人々がいて……みたいな設定もあったりして。だから、この楽曲を収録するにあたって、他の曲もより物語性のあるものをピックアップしようっていうのが最初に頭の中にあったんですよ。そこから既存の曲を選んでいったんです。それで、アルバムのタイトル曲になっている「MY DROWSY COCKPIT」って曲が去年末くらいにできて。この曲はアルバム構想の初期段階よりもちょっとあとにできたんですが、物語性というのを充分に兼ね備えているし、楽曲としても今の気分に合っているし、とても気に入ったんです。じゃあ、この「王様のミサイル」と「MY DROWSY COCKPIT」を中心にアルバムを構成して行こうと。

――なるほど。ミサイルもコクピットも空に関係してますね。

上野:たまたまなんですけどね。この2曲がキーなので、宇宙とか空とか、パイロットとか、そういうキーワードを意図的にちりばめたというのはありますよね。

――1曲目の「201周目の飛行船」から空の旅が始まりますね。

上野:そうなんです。この曲のイントロとAメロにある変なリフは「王様のミサイル」を作った当時からあって。今とはまったく違う感性でBメロとサビがあって完成してた曲なんですが、フィクション性が高い曲を探していたときに、この曲のことを思い出したんです。リフとAメロの歌詞だけ残してあとは作り替えて、今の感覚で納得行くロックチューンにしようと。「MY DROWSY COCKPIT」もあるしちょうど良いと思って。作ってみたら良い曲になって一曲目にしようと。

――本当に新旧の曲が混ざってるんですね。

上野:はい。でも、昔のままではなく、今のフィーリングで直したりってことはありますよ。ただ、「王様のミサイル」は直してないんですよ。厳密に言うと、本当に作ったばかりの初期の段階では直したりもしてるんですが、ここ7~8年は変わってない。自分はもうこの曲を客観的に聴けないんですよ。自分の中でも異質な存在であることには変わりはないんですが。自分が最初に意図していた物語が一つ一つ集まったような、短編小説集のような、そういうアルバムにしようっていう目的は達せられたと思うんです。その中で「王様のミサイル」は一つの物語として存在していることに意味があるのかなって思いますね。

◆インタビュー続きへ

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