業務用DAWの最新バージョン「Nuendo 6」登場、最新のポストプロダクション、レコーディングの要求に対応、ラウドネス、ADR、サラウンドなど

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ヤマハは、Steinberg Media Technologies GmbHが開発した、ポストプロダクション、オーディオレコーディングに特化した業務用DAW (デジタル・オーディオ・ワークステーション)、スタインバーグ「Nuendo 6(ヌエンド6)」を2013年2月より発売する。

「Nuendo 6」は、Advanced Post & Audio Production System(アドバンスト・ポスト/オーディオ・プロダクション・システム)の名のとおり、ポストプロダクション、オーディオレコーディングに特化した業務用DAWの最新バージョン。専用のDSPカードなどを必要としないネイティブプロセッシング技術によるDAWソフトウェアアプリケーションであるため、ユーザーはシステムを自由に構築でき、日々向上し続けるコンピューターシステムの進化の恩恵を簡単に得ることができる。

「Nuendo 6」は、映画、テレビ番組、ビデオ、コマーシャル、PV制作などのアプリケーションに応じて、サラウンドやADRなどの最新のワークフローの要求に応え、ばらつきない素材づくりに欠かせないラウドネスメーターやサウンドキャラクターを整えるスペクトラムマッチングなど、高度な仕上げにも対応。2013年春に発売予定のヤマハ アドバンスト・プロダクション・システム「Nuage」と組み合わせれば、「Nuendo 6」の処理能力と操作性をフルに発揮することができる。

注目は、近年、特に放送などにおいて重要視されている聴感上の音の大きさ“ラウドネス”への対応だ。日本でもこの10月よりテレビ放送での番組間の音量差を抑えるため、音に関する新しい基準の運用が開始されたが、それへの対応を可能にするものだ。Short TermかつMomentaryも測定することができるなど、統合されたEBUフォーマット準拠のラウドネス・メータリング・ソリューションを付属。新規トラックにラウドネスメーターの曲線を記録することも可能だ。

アフレコのためのADR機能も徹底的に強化されている。「Nuendo 6」の「ADR Taker」を使用すると、映画やドラマなどで撮影後に台詞などを録音するADR(Automated Dialogue Replacement)作業の生産性とワークフローのスピードを向上させることが可能。ADRセッションの記録と整理、スポッティングは「Nuendo 6」で直接行うことができ、インポートキューリスト配列にリストを取ると、直接画面上でキューカウントやバー、ダイアログを表示できるので、ナレーター側にもわかりやすく、作業が効率よく進められる。また、ビデオプレイヤーに、「Nuendo 6」のタイムコード情報をスーパーインポーズして表示することも可能になるなど、現場の要求に応えた機能が豊富に備えられることとなった。

サラウンドへの対応としては、自然な音場生成ができるIOSONO「AnyMix Pro」がある。「Nuendo 6」には、フルバージョンのIOSONO「AnyMix Pro」を搭載しているのだ。立体音響研究における世界の先駆者IOSONO社の「Anymix Pro」を使用することにより、ステレオソースをサラウンドにアップミックスした場合、バランスよいサラウンドクオリティを得ることが可能。従来、サラウンド環境でのオーディオ信号のパンニングは直感的ではなかったが、「Anymix Pro」は、近くから遠くへなど、音の移動のさまざまな動作を簡単に行うことを可能にし、同時に自然に聞こえるように自動的に調整される遠依存ラウドネスとEQ 設定を付属している。また、多くのサラウンドフォーマットに対応し、オーディオ・インターフェースへの多チャンネルへの割り当ても容易。5.1chと13.1chの共存も可能なほか、2chから5.1chへのアップミックスも無理なく行える。

さらに同時発表の「Cubase 7」に新たに搭載された機能もすべて備える。中でも注目は、フルバージョンのVoxengo「CurveEQ」の搭載だ。これは、多目的に使用可能な64バンドのスプラインEQで、リニアフェイズEQと位相を最小限に抑えるEQモードを切り替えて使用可能。また、分析したスペクトラムのセーブとロードに対応したプログレードのスペクトラムアナライザーを内蔵しており、スペクトラムマッチングテクノロジーにより解析した周波数特性の比較だけでなく、他のトラックに適用することが可能。好みのギターイントロやバスドラムのサウンドを再現したいときや、曲のサウンドキャラクターをアルバムで統一したいときなどに活躍する。また、ミキサーも「Cubase 7」同様、新世代のミキシング環境を実現する「MixConsole」を搭載。フルスクリーンモードや、縮尺の自在な変更、必要なチャンネルやパラメーターに素早くアクセスするためのさまざまな機能によって、大型ディスプレイからラップトップまで、さまざまな環境に柔軟に対応。チャンネルごとにハイパス/ローパスフィルター、ノイズゲート、スペクトラムアナライザーを備えた 4バンドのパラメトリックStudioEQによって、特徴的で個性のあるサウンドメイキングを可能にするチャンネルストリップとあわせて、柔軟なカスタマイズが可能なので、作業に合わせたレイアウトでミキシングに集中することができる。また、インターネット経由でのコラボレーションが可能な「VST Connect SE」や、レコーディング作業をより安心に行える「ASIO-Guard」などの搭載も「Cubase 7」同様だ。

OSはWindowsとMacに対応。レギュラー版パッケージのほか、アカデミック版、バージョンアップ版をラインナップ。バージョンアップ版にはNEK(Nuendo Expantion Kit)付属のものも用意する。なお、NEK単品はオンライン販売のみとなる。

◆Nuendo 6
価格:オープン
発売日:2013年2月

◆Nuendo 製品詳細ページ
◆プレスリリース
◆ヤマハ
◆BARKS 楽器チャンネル
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