【ライヴレポート】<治外法権-新春だょ全員集合!!2013->で最高に幸先の良い2013年のスタート

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DOG inTheパラレルワールドオーケストラ、BugLug、Blu-BiLLioNと、ヴィジュアル・シーンの新進気鋭3バンドを擁するResistar Recordsが、1月4日に主催イベント<治外法権-新春だょ全員集合!!2013->をShibuya O-Eaastで開催。それぞれがブレの無い個性を発揮し、セッションも交えた熱気と笑顔あふれるステージで、バンド単体のみならず互いの相乗効果によりレーベル自体の勢いを目いっぱいに証明してみせた。

◆<治外法権-新春だょ全員集合!!2013->~拡大画像~

これまで2度の全国ツアーを行ってきたイベント<治外法権>の新春スペシャルということで、ロビーには3バンドのメンバー16人がおのおの紙粘土で作成した狛犬が展示。さらに“れ神社”なるものが本物の神社と見紛うハイ・クオリティで建立され、会場は開演前から初詣に参る人々で賑わっていた。

そんな徹底したお正月ムードはもちろんステージ上でも健在。開演時刻となり幕が開くと、なんと舞台には袴姿で正座し、両手を床について頭を下げる16人の姿が! そして中央のヴォーカリスト3人が“たくさんの笑顔と会いたい”(Blu-BiLLioN・ミケ)、“ばっちこい2013”(BugLug・一聖)、“メンバーの絆を信じて困難に立ち向かう”(DOG inTheパラレルワールドオーケストラ・春)と、それぞれに2013年の意気込みを語る“寿新春口上”に客席は大喝采を贈る。続いて昨秋からのオーディションを勝ち抜いて、本イベントへの出場権を勝ち得たトップバッターDearest(Airishと改名)のステージを手拍子で迎え入れるあたり、さすが“今、日本で一番アットホームなレーベルResistar Recordsの新年会”(by 春)。もちろん、新人らしいフレッシュさと憧れの大舞台に掛けるひたむきさ、丁寧にノリ方を指示する初見者への配慮に満ちた彼らのパフォーマンス自体、非常に好感度の高いものであったことも記しておきたい。

2番手のBlu-BiLLioNは、白と黒を基調とした新衣装で登場。大歓声を浴びて“2013年、最初の思い出一緒に作ろうぜ!”と代表曲「reason」で聴かせるミケの伸びやかなヴォーカル、さらに鍵盤を交えて洗練されたサウンドメイクが、彼ら独自の透明感と包容力を頭から場内に浸透させてゆく。が、以降はSeikaの駆け上がるようなドラムに、ギター隊によるツイン・リードが高揚感かき立てる「Brand New World」、煌めくミラーボールの下、お立ち台に座り込んでミケがシャウトする「MoSaic」と、普段以上に激しく攻め込んで新年への気合も提示。teruの美しいピアノで幕を開け、ミケのアカペラ、宗弥(G)の繊細な速弾きソロ等、Blu-BiLLioNならではの要素を詰め込んだ「with me」の大サビでも大合唱を巻き起こす。そこから手拍子で繋いだ「H&H」では、ハイテンションのあまり珀が床に寝転がってベースを弾いたり、いつになく楽しそうな様子でオーディエンスを覗き込んでギターを弾くmagの笑顔も、まるで華が開いたよう! メンバー間でのアイコンタクトを交わしながらの「Count Down」では、バンドとしての一体感をしっかり示し、確かな成長によって彼らの武器である“楽曲の良さ”を存分に現してくれた。

また<治外法権>といえば、3バンドのメンバーをシャッフルしてのセッションも大きな見所。今回も3組が出演して3バンドの曲を1曲ずつ、しかも全員が冒頭の袴姿で演奏して、満員のフロアを沸騰させた。

まず、春、mag、Seika 、DOGの準々(G)、BugLugの燕(B)による一組目では春がストレートな「colours」(Blu-BiLLioN)を独特のハスキー・ヴォイスで見事に歌いこなし、BugLugの「絶交悦楽論」では彼のヴォーカルに同期で一聖のコーラスが重なるという贅沢なシーンも。“今から僕、神になるから拝んでもらっていい?”と、両手を合わせてスタートした「ハルシオンキャンディ」(DOG in theパラレルワールドオーケストラ)といい、お正月ならでは&<治外法権>ならではのスペシャルなステージが実に楽しい。

新ヴィジュアルのお披露目により、さらに我々の度胆を抜いたのがBugLug。カラフルなバンド・イメージを覆し、シックな装いで一人ずつ現れる楽器隊に続いて、暗転の後に再び照明がつくと、お立ち台にはなんと黒髪の一聖が! 従来の金髪で新春口上を行ってから僅か2時間後の大変身に、これぞイタズラ好きな彼らしい演出と舌を巻く。そこから“今年もBugLugをどうか御贔屓によろしくお願いします”と始まったのは「Ms.アリゲイター」。琴の音で始まるお正月にはピッタリの、しかし盛大に踊りまくるアグレッシヴなナンバーからは、一秒たりとも気持ちも身体も休ませない、一聖いわく“新春初暴れフェア”が火蓋を切る。楽器隊のパワー・コーラスが吹き荒れ、“♪わがままなままありのままのさま”という詞を“♪あけましておめでとうございます”とオーディエンスに歌い替えさせる「WGMM」では、“声ちっちぇーんだよ!”と一聖お得意のワガママが炸裂。爆発する将海のドラミングに凄まじい勢いで拳が振り上がる「ギロチン」、フロアの人々が前に詰め寄る「絶交悦楽論」と場内は熱くなるばかりで、“最後は笑顔で!”と贈られた「KAIBUTSU」では一聖が客席にダイブ。激しいダンス・ビートでハッピーに締め括り、子供の無邪気と大人の洗練を垣間見せた彼らの“ばっちこい2013”に期待が膨らむ。

二組目のセッションはDOGのミズキ、彼におんぶされて登場したBugLug優と、ギタリストが二人ともResistar Records名物“下手ギター会”に所属するため、DOGのメイ(B)が上手に回るという変則的なセッティングに。ミケの歌声が真っ直ぐに突き抜ける「アルトラ。」(DOG in theパラレルワールドオーケストラ)から一転、“正月の食べすぎで、貴様らのたるんだボディに制裁を……”と始まった「ギロチン」では、ハイトーンでの可愛らしい“♪嫌嫌嫌嫌嫌”に顔が綻ぶ。そんなミケの物真似で将海が会場を笑わせると、ラスト「H&H」のギター・ソロでは、もう一人の下手ギター会員である宗弥が乱入! トリプル・ギターで下手に勢ぞろいし、夢の共演を果たしてみせた。

バンドとしてトリを担ったのはDOG inTheパラレルワールドオーケストラ。場内に下りてきたスクリーンに最新作「Doggy’s Party!!」のPV冒頭が流れた……かと思いきや、“あけましておめでとう!”と幕が開いて、映像からステージ上のメンバーに曲をバトンタッチ。演奏しながら5人で交互にヴォーカルを取る前代未聞のナンバーを、キュートに弾けてパーティ感たっぷりにライヴ初披露する。そのポップ感を「ベビラヴッ」に引き継ぎながら、弦楽器隊の重厚なユニゾンに、緩菜(Ds)のタフなビート&コーラスで骨太なバンド感もアピールする、真面目と遊びの絶妙バランスこそが彼らのキモ。それぞれに書き初めを披露したMCを挟み、メイの書いた“接吻”と「チューリップ中毒」の歌詞にちなんで彼の頬にキスした春は、「アルトラ。」で胸迫る歌声を聴かせるや“新春かくし芸”とばかりに傘でボールを回して、フロアを「青空ハレーション」の壮観なモッシュへと導いてゆく。最後は“お前ら、メチャクチャにやれ!”と「ミラクルGO!」をパワフルに贈りつつも、皆の手がハートを形作る“♪Love Love Love”のリフレインが呼ぶのは破壊ではなく、確かな愛の波動。じんわりと温かいポジティヴ・メッセージで心を濡らし、最後はミズキ(G)が雄叫びを轟かせて、お楽しみ満載のお年玉的ステージを締め括ってくれた。

ラストは“Newちびーず”(by一聖)たる一聖と緩菜が縦のラインを担う三組目のセッション。幕が開くと二人がお立ち台の上に並んで正座している可愛らしい登場シーンから一転、左右モッシュで勢いづくDOGの「StyleLover-Rubber:Style-」を皮切りに攻め立てる豪快なサウンドは、メンツの妙に拠るものだろう。宗弥がイケメン・ボイスでタイトル・コールした「reason」を挟んでの「Mr.アリゲイター」(BugLug)では、teruがショルキーを抱えて前に飛び出し、一樹は容赦なくギターと頭を振り回すやピックと一緒に投げキスを飛ばしてBugLugの“王子”たる本領を発揮。珀の予測不能なステージングも相変わらずで、クライマックスでは他メンバーも舞台に呼び込み、16人を勢ぞろいさせる。

そして“ここで終わるのがResistar Recordsじゃないってわかるよな!?”という号令のもと、下手ギター会が昨年末から秘かに制作を進めていた「Resistar Recordsのテーマ」を初お披露目。キャッチーなメロディ、シンプルな楽曲構成、3バンドの紹介を織り込んだ微笑ましい歌詞は速攻でオーディエンスの心を掴み、“♪みんな最高 僕らレジスター”というサビが会場の心を一つにして和やかな空気を生み出す。楽しい時間を記憶に焼きつけるべく、客席を背にして全員での記念撮影のあとは、ミケの渾身の一発芸“ハンガーマン”に加え、ライヴ中は頑なに準々の求愛を拒んでいたメイが自ら準々の頭を掴んで文字通り接吻! 歴代の<治外法権>で最高のキャパシティとなる会場で、最高の盛り上がりを新年早々刻みつけることにより、最高に幸先の良い2013年のスタートをResistar Recordsは飾ったのである。

終演後は映像により各バンドの新たなリリース&ライヴ情報が告知。DOG inTheパラレルワールドオーケストラは4月、5月の2ヶ月連続シングル、Blu-BiLLioNは春の主催イベント東名阪ツアー、BugLugは3月20日に同時リリースされる3シングルのタイトルが「R.I.P」「BUKIMI」「Live to Love」と発表された。続いて、待望の<治外法権VOL.3>がアナウンスされると場内からは悲鳴にも似た歓声が! 7月20日から8月31日までの全20公演という、これまでで最大規模となる全国20都市ツアーを通じ、さらなる切磋琢磨と自らに対する客観的分析を得て、いっそう逞しくなった3バンドに会える日を楽しみにしていたい。

取材・文●清水素子
撮影●河井彩美

Resistar Records Presents<治外法権VOL.3>
7/20(土) 柏PALOOZA
7/21(日) HEAVEN'S ROCKさいたま新都心 VJ-3
7/27(土) 水戸ライトハウス
7/28(日) 郡山#9
7/30(火) 仙台darwin
8/2(金) 札幌cube garden
8/3(土) 札幌cube garden
8/6(火) 新潟GOLDEN PIGS BLACK STAGE
8/8(木) 金沢AZ
8/10(土) KYOTO MUSE
8/11(日) 神戸VARIT.
8/14(水) 岡山IMAGE
8/15(木) 高松DIME
8/17(土) 松山サロンキティ
8/18(日) 広島ナミキジャンクション
8/20(火) 福岡DRUM Be-1
8/21(水) 熊本DRUM Be-9
8/24(土) umeda AKASO
8/25(日) 名古屋E.L.L
8/31(土) Shibuya O-EAST
詳細 Coming soon…

<Resistar Recordsオフィシャルモバイルサイト「れじ☆モバ」>
スマートフォン http://www.sp-freewillonline.com/rr_moba/
携帯 http://www.freewillonline.com/?art=rr_moba

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◆Resistar Records Official YouTube「れじちゃん」
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