【ライブレポート】LUNA SEA、終りなき夢の始まり。武道館6days最終日にニューアルバム制作を明言

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「LUNA SEAの日本武道館6daysも今日で最後になりました。たくさんの想いをみんなからもらって、バンドの魂がどんどん、ふくれあがっています。キレイにまとめようとか、完成させようなんて思ってないから、今夜は1万3000人と新しい世界を築こうぜ!」

◆LUNA SEA 画像

6日間に及んだ<The End of the Dream>ツアーの東京公演が1月20日(日)、360度超満員の日本武道館で幕を閉じた。今回のツアーには、【FUTURE ERA -SHINING NEW CHAOS-】【RISING ERA -UNENDING LOVE & HATE-】【BEGINNING ERA -IMAGINE FOR MY NEW MOON-】という3つのコンセプトを持つセットリストが用意されているが、ファイナルは【RISING ERA】。

とは言え、日本武道館2日目の【RISING ERA】と同じ曲順ではなかったのが、いかにもLUNA SEAらしい。リピーターを楽しませたいという配慮もあるのかもしれないが、そこには満足とは無縁な飽くなき追求心が感じられる。

割れんばかりの大歓声の中、「LOVELESS」で幕を開け、インディーズ時代から演奏し続けてきた「Dejavu」ではINORANが下手に、SUGIZOが上手へと走り、Jが前に出て煽り、RYUICHIとINORANが向かい合って絡むなど、前半から見せ場の嵐! 小気味いいエンディングで真矢がスティックを宙高く放り投げると“ウォーッ!!”という声援に武道館が揺れる。

「END OF SORROW」や「TRUE BLUE」などの大ヒットシングルや、ライブで数えきれないほど演奏されてきた楽曲がふんだんに盛りこまれたセットリストは、ライブバンド、LUNA SEAの魅力を十二分に伝えてくれる。そして、最終公演を目撃して、いちばん強く思ったことは、昨年(2012年)からスタートした約12年ぶりに立ったZepp Tokyoを含むZeppツアー、仙台、大阪公演、日本武道館を経た彼らが、確実に未来を見据えているということだった。過去の楽曲たちは、今も輝きを失っていないし、この時代の中で新しい呼吸をし始めている。と同時に、問答無用のカッコいいギターリフとフックのあるメロディにドキドキさせられる最新シングル「The End of the Dream」と「Rouge」は間違いなく、今回のツアーの2本柱になっていた。ギラギラしているという意味で、この2曲は圧倒的なエネルギーを放出していたのだ。

「俺たちは1992年にメジャーデビューをして、終幕という形で1度、離れたけれど、またここに戻ってくることができました。自分たちの夢だった音楽が日々を支え、スタッフを支え、みんなを支え、そして、みんなから支えられて20年以上の時を歩いてきました。俺たちが今、思っている未来をこれから少しずつ、届けていきたいと思います。ただし、本気でステージに上がりたいんでね。時々チェックしておかないと……休んだりするよ!」

冗談とも本気ともつかないようなMCでRYUICHIはオーディエンスを煽り、「いちばん大事なのは、その日、その場所を燃え尽きる想いで生きることだと思う。今日もみんなと共に燃え尽きて走り続けていきます! 飛ばしていくぞ!!」と後半戦に突入。 まさに、その言葉どおり、客席の熱気を倍にして返すようなステージを繰り広げた。「ROSIER」のRYUICHIのボーカルのフェイクは鳥肌モノだったし、本編ラストの「TONIGHT」の真矢のドラミングも魂が飛んでくるような迫力。

6日間、通った猛者もいると思うが、セットリストも含め1日として予定調和のライブはなかっただろう。全員が360度の客席に届くパフォーマンス(弦楽器陣はバックヤードでハイタッチも)をしていたのも集まったファンを喜ばせた。

終幕前のラストシングル「LOVE SONG」を歌う客席の声がどんどん大きくなったアンコール。笑顔でメンバーが次々に登場し、純白のロングコートに着替えたRYUICHIの姿に客席がどよめく。そして届けられたのは「I for You」。「しばらくみんなに聴かせてなかった曲を……」とLUNA SEA初のタイアップシングルとなった1996年発表の「IN SILENCE」が演奏されたのも嬉しい不意打ちだった。

「PRECIOUS」で、ドラムの前に4人がかたまって演奏するシーンで歓喜の声が上がり、「WISH」では、INORANがドラム台にのぼってギターを弾き、カメラの前にわざと接近してパフォーマンスするSUGIZOの肩にJが手をかけて2人で絡んで演奏するなど、興奮スイッチが押される場面の連続。できるなら、時間をこのまま止めてほしい。

「Zeppツアー、大阪、仙台、武道館6days。たくさんの想いを届けてもらって、いよいよ俺たちの心が1つに固まりました。アジアツアーがまだあるけれど、これからLUNA SEAは、いよいよアルバムのレコーディングに突入します。(大拍手)いつになるかまだわからないけれど、めちゃめちゃ音楽が好きでマジメなバンドなので、近い将来、必ずオマエたちの元に届けます! いつもなら、ここで幕が閉じるところなんだけど、あいにく武道館には閉じる幕がついていないので(笑)、今夜はもう1曲……」

そう言って演奏されたのはLUNA SEAの不朽の名作である「MOTHER」だった。愛のない世界を嘆くオープニング曲「LOVELESS」とセットでライブの最後に演奏されることが多かった、語り継がれるにふさわしい祈りのメロディ。会場を言いようのない感動に包んで幕切れ……と思いきや、センターに集まって、相談する5人。最後の最後に予定にはなかった曲「BELIEVE」が届けられ、本公演で初めてRYUICHIはスロープを全力疾走。やがて大合唱になっていく至福のエンディング。Jはネックにキスした後、ベースを高く掲げ、客席に惜しみない拍手を送った。

全員、集まっての恒例のジャンプ。沸きに沸く客席の中、「みんな、愛してるよ」という言葉を残してRYUICHIは去り、最後まで残ったSUGIZOも「武道館、ありがとう!! 最高に愛してるぜ!!」と叫んだ。客電がついても鳴り止まないコール。

過去の伝説は塗り替えられた。それは新たな覚醒であり、終りなき夢の始まりであった。

取材・文●山本弘子

<LUNA SEA LIVE TOUR 2012-2013 The End of the Dream>
12/23(日)大阪城ホール
1/11(金),12(土),13(日),18(金),19(土),20(日)  日本武道館
1/26(土) ,27(日) 台湾 Neo Sttudio
2/2(土)香港 Asia World Expo Arena
2/5(火)タイ Impact Arena Muang Thong Thani
2/8(金) シンガポール The Star Theatre

<SLAVE限定GIG 2013>
2013年2月17日(日)両国国技館
開場 16:00/開演 17:00
問い合せ先
【公演に関して】
キョードー東京 TEL:0570-550-799 (平日12:00~18:00 土日祝10:00~18:00)
【購入方法及びチケットに関して】
イープラス TEL:0570-06-9919(10:00~18:00)
【ファンクラブに関して】
LUNA SEA OFFICIAL FAN CLUB SLAVE TEL:03-5413-6741(平日12:00~17:00)

「The End of the Dream / Rouge」
2012年12月12日発売
※両A面シングル
【初回限定盤 A】2CD(SHM-CD)+Blu-ray
The End of the Dream / Rouge
UPCH-9820  ¥2,980 (税込)
【初回限定盤 B】CD+DVD
The End of the Dream / Rouge
UPCH-9821  ¥1,890 (税込)
【初回限定盤 C】CD+DVD
Rouge/ The End of the Dream
UPCH-9822 ¥1,890 (税込)
【通常盤】 CDのみ
The End of the Dream / Rouge
UPCH-5780  ¥1,260 (税込)

◆LIVE DVD
『LUNA SEA CONCERT TOUR 2000 BRAND NEW CHAOS~20000803大阪城ホール~』
2012年12月19日発売
POBD-20054 ¥6,000(税込)

◆LUNA SEAユニバーサルミュージック復帰記念 Original Canvas CD 6title
2012年12月28日発売
I「IMAGE」  PDCJ-1025 ¥16,800(税込)
II「EDEN」 PDCJ-1026 ¥19,800(税込)
III「MOTHER」PDCJ-1027 ¥19,800(税込)
IV「STYLE」 PDCJ-1028 ¥19,800(税込)
V「SHINE」 PDCJ-1029 ¥19,800(税込)
VI「LUNACY」 PDCJ-1030 ¥19,800(税込)

◆LUNA SEA オフィシャル・サイト
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