1月20日(日)ベルリン、クロイツベルクのバーMonarch Berlinにて、ハンブルクの女性ユニット、ツッカーのライブを見て、パンクの一番オモシロイところを再確認した。なかなか、こういう音楽に今出会うことは難しいと思う。レコード・コレクターとして各国のパンク、とりわけ女性パンクバンドを集めてきたほうだと思うが、ドイツかアルゼンチンの女性パンクバンドでしか味わえない面白味を、今日、ライブで経験できた!

◆ツッカー試聴

だいたい「いいパンク」という概念自体を成立させることがそもそも困難なのである。なぜなら、まず、何よりも先に「下手くそである」という条件が非常に非常に大切で、10年選手のパンク・アーティストともなると、そこそこ演奏力もこなれてきて、意外と巧い演奏をし始めたりする。最近のゴーゴーズとかの演奏をYoutubeやCDで聴くにつけ、そう思う。やっぱり、バンドをし始めてあまり演奏がこなれておらず、本当に下手くそである(これは、決して悪い意味ではない)状態で、自分たちが世の中に訴えたいことを、とりあえず歌い叫ぶからこそパンクだ。

さて、ツッカー!のメンバーは2人の女性、クリスティン・エルマー・シャルコ(Christin Elmar Schalko)とポーラ・リア・シュルテン(Pola Lia Schulten)。基本的には、打ち込みとパンキッシュなギター。そして、女性の本音をぶつけるような歌詞。歌詞はほとんどがドイツ語で歌われるが、1~2曲英語の歌詞も混じる。女性の情念を体現するかのような「Love Material」がものすごくいい。ギターのフレーズ、カッティングがいい。曲は、どれも3分を切るような短さで、それもパンク・スピリットを感じさせる。が、意外と予めプログラミングされたリズムがかなり凝った作りをしていて、独自の美学を感じさせる。

一番、面白かった頃のパンク、初期ゴーゴーズやヤング・マーブル・ジャイアンツなどを思い出させるシンプルなサウンド。特にあまり計算とかせずに、ダイレクトに言いたいことを歌っている姿勢がシンプルでストレートで素晴らしい。なんとなく若き日の、フリートウッド・マックのクリスティーン・マクヴィーとゴーゴーズのリード・ギタリスト、シャーロット・キャフェイがデュオしている感じでとても楽しめた。


文:Masataka Koduka

◆ツッカー・オフィシャルサイト